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アメリカのスタバでラテすら注文できなかった自分がグローバル企業で英語で仕事するまで
「英語が話せたらいいのになぁ…」
そう思ったことはありませんか?海外旅行をもっと楽しみたい、グローバル企業で活躍してみたい、好きな映画やドラマを字幕なしで観たい──。英語ができると見える世界は一気に広がります。
私が働く会社は、世界50カ国以上から2,200名以上の社員が集まるグローバル企業。11人中10カ国の国籍を持つチームに所属していたこともあり、そんな環境で「英語うまいね」と言われることが何度かありました。でも実は、最初からそうだったわけでは決してありません。留学先で「発音が汚い」とダメ出しを食らったり、スタバで注文すら通じなかったりと、たくさんの挫折を経験してきました。
それでも、どうにかして「英語ができるようになりたい!」と工夫を続けるうちに、いつの間にか以前よりも格段に話せるようになり、まわりにも「うまい」と言ってもらえるまでになりました。
このnoteでは、私が辿ってきた学習プロセスや、もう一度ゼロからやるならどうするか?という実践的なポイントをまとめています。英語に興味がある人や、これから真剣に学んでみたい人にとって、少しでもヒントになれば幸いです。
現在地
今、私が所属している会社・仕事では英語がかなり重要です。チームメンバーの共通言語が英語だったこともあり、日常的に英語を使う機会が多くありました。普段の会議やSlack上でのコミュニケーション、仕様書などのドキュメンテーションなど、英語を求められる場面は数えきれません。
私自身の英語力はまだまだ発展途上で、ネイティブのようにはいきません。社内で受けた英語力テストだとB2(中上級)~C1(上級)です。それでも、ときどき「英語が上手ですね」「どうやって勉強したんですか?」と聞かれることがあります。私は大学時代にアメリカで1年間生活したことを伝えるのですが、実はそれだけが理由ではありません。ここまでに至るまでには、さまざまな試行錯誤や挫折がありました。
英語を使えるようになるまで
幼少期~高校
私は日本生まれ・日本育ちで、小さい頃から海外に漠然とした憧れがありました。きっかけをはっきり覚えてはいませんが、一つの理由は姉の影響で始めたフェンシングだと思います。私の地元ではフェンシングが盛んで、先輩たちが毎年のように海外で開催される世界大会に出場していました。その姿に「自分もいつか海外に行きたい。JAPANのジャージを着たい。そして海外の選手と英語で話したい」と思うようになり、英語へのモチベーションが自然と高まりました。結果、英語は得意科目になりました。結局、世界大会に行く夢は叶わなかったものの、英語自体はその後も好きでした。
大学、アメリカでの1年の経験
大学3年の時に行った海外旅行で知り合った外語大の先輩に「留学いけばー?」とまるでコンビニに行くテンションで言われたことをきっかけに、「留学とは気軽に行くものなのだ」と勘違いし、アメリカのシアトルにあるワシントン大学の語学留学プログラムに参加しました。
しかし、現実はそんなに甘くなく、行ったからと言ってすぐに話せるようにはなりませんでした。語学学校でクラスメイトから「発音が汚い」「モゴモゴ喋っててクリアじゃない」と言われたことがあり、かなりショックを受けました。スターバックスで「ラテ」の発音が通じず5回くらい言い直したり、マクドナルドで「バニラ」と言ったつもりが「バナナ」と聞き間違えられたり、実践を通して痛感したのは、「発音が良くないと伝わりにくい」という現実です。そこで発音クラスも受講しましたが、劇的に上達した実感はなかったです。
ただし、ホストファミリーには恵まれました。とても優しく、おしゃべりな夫婦と2人の子供の家庭で毎日英語のシャワーを浴びることができました。日常生活で自然に耳が慣れ、リスニングは大きく伸びました。アメリカに住んで3ヶ月経った頃に、ホストファザーから「最近はきみの前でもわざわざゆっくり話さなくて良くなったよ」と言われたのを覚えています。
帰国後
リスニング力はある程度身に付いたものの、スピーキングはまだまだという状態で帰国。留学費用を出してくれた祖父母や両親に申し訳なく、このままでは顔向けできないと思った私は、日本でスピーキング、特に発音を学べる場所を探し、山元塾に出会いました。ここが自分に合っていて、スピーキング力をさらに伸ばすきっかけになりました。
社会人になってから
しかし、最初の就職で大きな壁にぶつかります。ソフトウェアエンジニアとして入社したはずが、英語でソフトウェア開発のプロジェクトマネージャーを任されることに。どちらも実力不足だった私は、英語も開発スキルも追いつかず、その会社を去ることになりました。
その後、英語はあくまで「ただのツール」と割り切り、まずは語学以外の専門スキル、つまりソフトウェアエンジニアとしての力を身に付けようと決めて転職活動を開始。運よく今この記事を書いているnoteを運営しているnote社に拾ってもらい、ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを本格的にスタートできました。そこからしばらくの英語との関わりはドキュメントを読む、海外カンファレンスの動画を見るといった受動的なものがメイン。けれども、英語で一次情報を取得できるようになるのはとても助かりました。
そうこうしているうちに次の会社に転職して働いていた2020年、世界はコロナ禍に突入し、それまでオフラインで開催されていた技術カンファレンスはオンラインへ移行します。ここで転機が訪れました。毎年6月にWWDCというAppleの開発者向けカンファレンスがありますが、これまではアメリカ現地に行かないと参加できなかったのが、オンラインでAppleのエンジニアと直接話せるようになったのです。そこで私はAppleのエンジニアと30分間英語で話す機会を得て、仕事に必要な情報をしっかり聞き出すことができました。「あれ、もしかして英語で仕事できるかも?」という手応えを得た瞬間でした。
その後、日本にいながらグローバルな環境で働ける会社を探し、3年後に今の会社へ転職しました。
グローバル企業就職後
面接は5~6回ほどあって、1回を除き全て英語でした。それを突破してきていたので、英語は大丈夫だろうと思って入社しました。ところが、最初のミーティングでつまずきます。チームメイトの話していることがあまり分かりませんでした。今振り返ると、2つ要因があります。
1. 文脈(ドメイン知識の不足)
母国語であっても、題材そのものに関する知識がなければ何を言っているのか理解しにくいです。新しく入った会社で何も予備知識がなかったので、ある意味何を話しているかわからなくて当然でした。
2. さまざまなアクセント
多国籍メンバーゆえ、それぞれ異なるアクセントで英語を話すため、慣れるまでは苦労します。今でも初めて会う人の英語はわかりにくく感じることがあります。
幸い、入社1ヶ月後には新プロジェクトに配属になり、同じメンバーと一緒に最初から内容を把握できたので、アクセントにも慣れやすく、文脈も理解しやすい状態で参加できました。一方で、もしネイティブばかりのチームに一人だけ入っていたら、それはそれでスピードが速すぎて大変だったと思います。いまだにランチなどのカジュアルな場ではネイティブ同士の会話についていけないことも多いです。
もしもう一度英語を勉強し直すとしたら
ここまで私の英語習得への過程を振り返りました。ここからはもし、もう一度勉強し直すとしたらこうするというのを書いていきたいと思います。
前提
中学高校までの、基本的な時制や文型、語彙を理解していることがスタートラインとします。そこから復習する場合は『1億人の英文法』がいいと思います。私も大学時代に読んだ本で、「話すため」の英文法と謳っているだけあり、直感的でわかりやすかったです。
日常的に英語を使う環境づくり
英語との接触回数が多いほど学習効果は上がります。語学はなかなか上達を感じにくいものですが、ある日ふと「聞き取れる、話せる!」と実感する瞬間があります。ホストファミリーから急に「もうゆっくり話さなくても大丈夫」と言われたのが、まさにその例です。そのため、できるだけ毎日英語を使う機会を作りましょう。1日15分でもいいと思います。続けることが大事です。
理想は誰かと会話したり、テキストでやり取りしたりする“能動的”な機会ですが、難しければ映画・ドラマ・YouTubeなど“受動的”なインプットを増やすだけでも構いません。
発音をしっかり学ぶ
「読み・書き・話す・聞く」の4技能がありますが、まずは発音が鍵だと思います。
発音が良いと、一緒に会話する相手が理解しやすく、話しかけられる機会も増えます。自然と会話量が増えるので、スピーキング力が上がりやすいです。
また、発音を学ぶ過程でリスニング力も向上します。聞き取りができると、英語の動画やポッドキャストなどから情報を得られる幅がぐっと広がります。これが次のたくさん英語を浴びる段階で役立ちます。
また、発音を学ぶ際にどの地域のアクセントを学ぶかを決めると良いです。話者や教材の多い、アメリカ英語かイギリス英語から選ぶのがいいです。どちらでも大丈夫ですが、私はアメリカに住んだ経験があったのでアメリカ英語を選びました。そうすることで学習に一貫性が出ます。
発音をしっかり学ぶために有効な方法はいくつかあります。おすすめは誰かにフィードバックをもらいながらやる方法です。本や動画でやり方を学ぶことはできるものの、実際にできているかどうかをチェックすることは難しいからです。録音して同じになるようになるまで繰り返すという人もいますが、私はそれが得意ではありませんでした。また、いい講師は正しい音をどうやったら出せるようになるか指導することができます。発音の違いを指摘できるネイティブスピーカーは多くても、それをどう矯正するかを人に伝えられる人はとても少ないです。
コミュニカ英語塾
元Apple日本法人社長を務めた山元賢治さんの経営する会社の英語塾。ここで大学生の時に発音を徹底的に矯正してもらいました。当時は子供向けの絵本『Oh, The Places You’ll Go!』を題材にしていました。日本人の英語はイントネーションが弱くなりがちなのですが、そこをしっかり指導されていたのがとても印象に残っています。発音というと一つ一つの音を意識しがちですが、イントネーションや強弱がつくだけですごく英語っぽくなります。表参道に通えるのであれば第一選択肢だと思います。
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オンライン英会話 Native Camp
会社の補助があったので、オンライン英会話も入社後半年間やっていました。ただし、講師によって得られる効果が全く違うので注意が必要です。達成したい目標に対して、適切な指導をしてくれる講師を探すことがとても重要です。発音に関しては Alistar という講師が私にはあっていました。彼は英語の発音を矯正するのがとても上手です。また、カメラを口に近づけて舌や口をどう動かすといいのかをわかりやすく教えてくれるので、とてもわかりやすいです。アプリ
発音矯正できるアプリもとても便利です。私は「ELSA Speak」を使っています。一つ一つの単語についてすぐにフィードバックを得られるのが画期的です。ただ、アプリでどうしてもハイスコアを出せない単語があります。そういうときはオンライン英会話で講師に質問して、その単語だけ集中的に改善していました。本
基本的にはアプリで完結するので、あまり本は使いませんが、一つ紹介するとすれば「American Accent Training with ONline Audio」です。いろいろな角度から取り組めておもしろいです。今も辞書的にたまにみてます。
たくさんの英語を浴びる
発音と基礎が身についたら、とにかく英語を浴びる量を増やしましょう。アウトプットするためには、大量のインプットが必要です。イメージ的には、10インプットしてようやく1アウトプットできるようになる感じ。好きなコンテンツでないと続かないので、自分に合ったものを見つけることがポイントです。いくつか私がよく聞いているものを紹介します。
日本に住む外国人シリーズ
日本に住む外国人の動画は日本の生活がテーマになりやすく、話されている内容が身近なので、内容が理解しやすいです。その上で、英語はリアルなので、とても便利です。
「Arthur & Auston Show」は日本に住むアメリカ人の2人が、リスナーからおすすめされた日本酒を飲みながら、日本文化について語るチャンネルです。二人とも知的で日本文化に対する洞察が鋭く、聞いていてとてもおもしろい番組です。また、対談・雑談形式なので、仕事の場でも参考になるものが多いです。
FOX Sports
私は野球が好きなので、2024年10月はずっとFOXスポーツのMLBポストシーズン特集をずっと見てました。これが仕事に役立つかは微妙ですが、小さい頃に憧れていたジーターやAロッドがインタビュアーで出ていて、彼らのフランクな会話が聞けるのはとても楽しいです。
おわりに
英語は話せるようになると、本当に世界が広がります。私自身まだまだ勉強中ですが、「こうやって頑張れば、これくらいまではできるようになる」という一例として、少しでも参考になれば幸いです。
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