ライブハウスの話をしよう
徳島という選択肢の少ない街で生まれ育ったから自分はライブハウスの人になっただけで、きっと東京や大阪みたいな選択肢の多い街で暮らしてたらレコード屋さんだったり、レーベルやマネージメントの人とか、違う形で音楽に携わる様な仕事に就いてた気がする。
半ば意地に近い形で続けてきた仕事だから、ライブハウスという場所を「好きだ」とか「最高だ」とか考えたこともなかった。
なのに、なんの因果か、レーベルやマネージメントの人やレコード屋さんという選択肢を提示して貰えたにも関わらず、自分はまたライブハウスの人を選んでいた。
しかも縁もゆかりもない京都という街で。
そしてこの街に来たことで、KYOTO MUSEで働けたことで、僕はライブハウスという場所がとても好きになってしまっていた。
ボスの行貞さんはいつだってアーティストやお客さんのことを第一に考えて、面白いこと、楽しいことに全力投球だ。
そんな行貞さんのいない間店を守る店長の植島さん、行貞さんの要望に応えるために全てをまとめるデスクの藤原さん、藤原さんが振り分けてくれた仕事に全力で挑むステージの野津くん、デスク見習いの西原さん、そして多くのアルバイトスタッフと、誰を切り取ってもその1日を作り上げる為には欠かせない人達で成り立ってるKYOTO MUSE。
そんな中に田舎でお山の大将をやっていた自分を仲間に入れて貰って「一体どんな力になれるだろう?」と考えてたけど、結局徳島の頃と同じ様に地元の若いバンドにああだこうだ言っては「いつかきっと」みたいな夢なのか目標なのか分からないモノを一緒に追い掛けている。
そんなKYOTO MUSEが来年35周年を迎える。
その為に呼ばれたから当たり前と言えば当たり前なんやけど、それでもそんな大きな節目の時にKYOTO MUSE歴の浅い自分みたいな奴が携われること、とても光栄に思う。
35年。
言葉にしてみれば簡単だけど、僕が3歳の頃からあるライブハウス。
行貞さん、植島さん、僕以外のスタッフのみんなは産まれる前から。
どれだけのバンドが、どれだけのお客さんが、
この場所で汗を、涙を、笑い声を溢してきたんだろうか。
想像しただけでも震える。
改めて、自分みたいな奴が携われること、とても光栄に思う。
と、同時に、自分なんかよりも遥かに長い時間をこの場所で過ごして来た人がこの街に、いや全国各地に沢山いて、その1人1人に、この記念すべき特別な2日間を共に過ごして欲しいなと思う。
既に発表されてるヘッドライナー2組から分かる通り、凄いメンツの集まるイベントになると思う。
でもそれはアーティストの人気とか、実力とかじゃなく、35年の歴史の中で、このKYOTO MUSEという場所で、誰よりも汗を、涙を、笑い声を、行貞さんと共に作り上げて来た方々の集まりだ。
だからこそ、あの日あの時共に作り上げて来た人たちに集まって欲しいなと思う。
僕みたいな奴が言うのもおかしな話ですが。
今週末17日の日が変わるまで安くチケットも買えます。
そして4/19、20はみやこメッセという京都で1番広い会場で、KYOTO MUSEと同じ様に汗を、涙を、笑い声を共に作り上げましょう。