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プロ野球14球団目はクラウド型球団??

「みんなで作り上げる参加型の野球球団にしたい」

最近何かと話題に上る大手ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の前澤社長がそうビジョンを掲げてプロ野球参入への興味を表明した。

新規参入について私は大いに賛成であり、古い体質のプロ野球界に必ずいい刺激が与えられるのではないかと感じている。

ただ、13球団であるとリーグ構成上アンバランスになってしまうため球団を増やす場合は偶数、つまり14球団にした方が良いという意見をよく耳にする。では、14球団目をどんな球団にするか、「こんな球団あったら面白いのでは?」と勝手に妄想してみた。

■「保有型」でなく「利用型」球団

ビジネスの世界とくに、システムの世界では数年前より「クラウドコンピューティング」が中心になってきており、従来のシステムを購入し保有する形から、使いたい分だけ利用し、利用料を支払う形にシフトしてきている。それと同じような事をプロ野球球団でも実現できないだろうか。全体的な目的はあくまで「参入しやすいプロ野球界の構築と活性化」となるが、ステークホルダー別にそれぞれのメリットを考察したい。

①球団貸し出しをする団体

クラウドコンピューティングにおいてもシステムベンダーが自社が保有する環境やサービスを利用者に貸し出し、利用いただいた分だけ支払い頂く形式をとっているように、当然この利用型球団を貸し出す母体が必要となる。

その母体候補として考えるのがNPBもしくは自治体だ。実際に海の向こう、メジャーリーグでは球団が地域にもたらす経済効果を見込み、自治体が球場を無償で建設、所有し、球団に貸し出している場合がある。

その延長上で球場だけでなく、球団も保有することでより多くの来場者を呼び込み、地域に対するより多くの経済効果をもたらすメリットが考えられる。

大谷翔平の本拠地「エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム」も自治体が所有

②利用する企業

「利用型球団」を利用する企業の最大のメリットは宣伝効果である。ネーミングライツを想像していただけるとイメージしやすいだろう。球団名に一時的に自社の名前をつける事が可能となる。        

2005年にプロ野球に新規参入した楽天も2012年より横浜の親会社となったDeNAも企業認知にも大きなメリットがあったと口をそろえる。

しかもこの利用型球団の負担は「選手年俸」と必要に応じて、「ユニフォーム代」や「グッズ代」のみとなるため、通常の球団経営で必要な球場使用料、球場スタッフ料等はかからず低コストで運営が可能となる。

        参入から14年目。確実に知名度上昇につながった楽天。

③選手を提供する既存球団

では肝心の選手はどのように集めるのか?という点については既存球団からの「レンタル移籍」を想定。サッカーではよくあるレンタル移籍だが、プロ野球では見られないこの形式をとれるのではないだろうか。

そもそもプロ野球選手は何人いるかご存知ですか?各球団で育成選手を除いた70人の支配下登録選手が認められているため12球団で840人の選手が登録されている。

そのうち、1軍で出場している選手は何人でしょうか?1軍登録選手は最大28人登録可能となっており、2軍との入れ替えが年間でせいぜい10名前後かと思うので、年間で1軍出場する選手が各球団40名とすると360名もの選手が1年間1度も1軍で出場せずにシーズンを終えている計算となる。移籍元の球団にとってこれらの選手の給料は当然コストとなってしまうため、レンタル移籍先の「利用型球団」に選手をレンタルする事で、選手の給料を負担せずに済むだけでなく、ある意味人のお金で選手に1軍でのプレー機会を提供できるため、コストを払わずに選手の育成機会を提供できるメリットが生まれる。

        サッカーではお馴染みのレンタル移籍だが、、

ほぼJust Ideaで書いてみたが、伝えたいことはプロ野球の古い体質をこのような今までにないアイディアで変えていく事で見えてくる新しい魅力があるんじゃないかという事。現時点では各球団の努力で観客動員数も増加してきているが、一方で野球そのものの競技人口は毎年減少傾向にあるのも事実。これまでと同じ古い体質のままでは確実に衰退していく事も予想される中でそこを打破する新たなアイディアをこれからは出していくべきであり、前澤社長が表明された今は良いタイミングではないだろうか。

上記「利用型球団」のアイディアに前澤社長が言う「みんなで作り上げる参加型の野球球団にしたい」というのエッセンスを組み合わせ、例えば選手の年俸をクラウドファンディングのような形でファンが一部投資し、一定の活躍をしたらリターンを得る等そんな参加型の球団を作る事も面白いのではないだろうか。

そんなワクワクする球団が増えるのであれば、私はプロ野球球団増加に大賛成である。


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