ロンドン舞台鑑賞記録"The Lehman Trilogy"
渡英後2度目の舞台鑑賞です。
ロンドンのWest End、The Gillian Lynne Theatreに行ってまいりました。
今回観た舞台は"The Lehman Trilogy"
日本でNational Theatre Liveで観てから大好きな作品の一つです。
経済的な用語の多い作品なので、日本で字幕付きで観ておいてよかったとしみじみ
2022年にトニー賞で演劇作品賞を含めた5つの部門で賞を取った、文句なしの名作です。
舞台はアメリカ、3人のユダヤ人の兄弟がドイツからはるばる海を越え、新しい生活を始める場面からスタートします。
彼らの始めた小さな商売が形を変え、子供に受け継がれ、アメリカを代表する巨大な投資銀行「リーマン・ブラザーズ」となり、そして劇的な破産を起こし世界経済に多大な影響を与える、その瞬間までを、たった3人の演者によって描いていく作品。
3人兄弟、彼らの妻や子供、孫、その他大勢の登場人物たちを、3人の役者が演じ分けるのは圧巻の一言に尽きます。黒のスーツをきっちり着こなした成人男性であるキャストが妖艶な女性やあどけない子供の演技は、しばしば観客の笑いを引き起こしますが、それも役者の方々の演技力あってこそ。
話し方や動作によって、英語の理解力に乏しい私でも舞台上にどんな人物が登場したのかわかる。こういう作品や役者さんに出会うと、本当に演劇って素晴らしいなと感じます。
上演中、ずっと舞台上に立ち続けたキャストの3人には、カーテンコールにて盛大な拍手とスタンディングオベーションが。
演出について。
透明なガラスケースに包まれたセット、オフィスの一室を思わせる黒、グレー、白で統一された小道具、役者の衣装は黒のスーツ。彩度の乏しい無機質な舞台と、ピアノの生演奏によって構成されたシンプルな舞台演出は、演出家のセンスの良さが光ります。
ピアノ演奏によるBGMは、物語を妨げないよう派手さはありませんが、静かで独特のメロディは、ずっと聞いていたくなる響き。
劇場ではCDの販売もしていました。
(他にマグネットやT-シャツなどお土産はたくさん売っていたのに、プログラムの販売はなく。。。日本ではプログラム販売が一般的ですが、こちらではあまりないのかな?)
来年の1月まで上演されているThe Lehman Trilogy、ぜひもう一度行きたい!今度はもっと舞台に近い席で、その迫力を感じたい!と感じる作品でした。
今回は2階席からの鑑賞でしたが、次観に行く機会があれば、1回席の真正面で観たい、、、!!
2階からも、回転するガラスの舞台装置を見下ろすことができ、とっても見応えがあったのですけど。
役者さんたちの演技やピアノの生演奏をもっとはっきり感じたいと思える素晴らしい作品でした。
ロンドンで、傑作舞台をたくさん観ることができて幸