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現代版『桃太郎』は現実はむずかしい。
桃太郎のじいちゃんばあちゃんは、リアルだと40代くらいらしいですね。
昔、テレビ番組『トリビアの泉』で見た気がします。
じいちゃんばあちゃん呼びは、はばかれるのでGさんBさん表記でいこうと思います。
Gさんは山へ林業へ、Bさんは川に(命の洗濯のため)渓流釣りへ行きました。
Bさんが釣りをしていると、川の上流からまーでっかい桃が流れてきました。
ついでに音楽も流れてきました。
🎶ドンブラドン コッコッ ドンブラドン
Bさんは急いで釣り糸を回収し、ポケットからスマホを取り出して動画撮影をしました。
桃は下流に流れて行きました。
あれはなんだったのでしょうか?
Bさんは帰宅したGさんに、撮影した動画をみせました。
不思議なこともあるね、と笑い合いました。
1週間後、Gさんは山へ林業、Bさんは川へ渓流釣りへ。
Bさんが釣りに夢中になっていた所、またあの軽快なリズム音が聞こえてきました。
視線を川上に向けると、またあの桃が流れてきました。
Bさんは舌打ちをし、釣り糸を回収しました。
ポケットからスマホを取り出して動画撮影を始めました。
前回と同じと思いきや、桃のてっぺんには旗がささっていて、そこには
『拾ってください』
と書かれていました。
Bさんは、そのまま桃を見送りました。
🎶ドンブラドン コッコ ドンブラドン
さすがにこれは変だと思いましたが、桃を捕まえるのはなーと思いました。
帰宅したGさんに桃の相談をすると、面白そうだから俺も行く、有給をとる!といいだしました。
Bさんは止めましたが、Gさんは早速、職場の上司に電話し、どでかい桃を捕まえに行くから来週、有給ください!といいました。
上司もGさんが疲れているんだな、と気を回し突然の有給を承諾しました。
1週間後、GさんとBさんは、来るかどうかは分からない桃を見に、川へ行きました。
いつもの釣りポイントに行くと、そこにはあの桃がいました。
川の中ではなく、普通にいました。
どうしても拾われたかったのでしょう。
Gさんはおもわず
「ホンマや!!」
と叫びました。
この桃は素手で触っても安全だろうか?Bさんがそう思ったところ、
Gさんがヒョイと桃を持ち上げました。
「見た目より軽い!」
GさんとBさんは交番に桃を届けました。
(全然話が進まない)
紆余曲折あって、桃はGさんの所有物になりました。
『大きい桃を割ってみた』の動画撮影のために、Bさんは出刃包丁を研いでいました。
うっかり
「うひひ、うひひ。」
と声を漏らすと、突然、桃がパッカーンと割れました。
残念そうな顔をするBさん。
桃の中には、赤ん坊がいました。
紆余曲折してこの赤ん坊は、Gさん、Bさんの子供になりました。
子供の名前は『桃太』になりました。
桃太はとても賢い子供でした。
まるで林◯を彷彿させました。
話し合いになると、いつも理詰めで相手を負かしました。
喧嘩になると、5人くらいなら、ひとりでも相手をのすことができました。
Gさんは桃太のことが心配になりました。
このままではいけない気がする。
桃太の高校進学先は、国内で最強で最恐の学校、『小仁我詩間高等学校』(寮付き)に決めました。
小仁我詩間高校、略してシマ高は、夏の全◯高校野球優勝常連校でした。
桃太は、学力推薦で入学しましたが、運動能力の高さから野球部からスカウトを受けました。
同じクラスの犬橋、猿川、雉谷がきびだんごを盗んだので、のしたら懐かれてしまいました。
担任は現代国語の小二田。生徒達からは裏でコニタンと呼ばれていました。
コニタンは、筋肉がムキムキしていました。
趣味が筋肉でした。
見た目はおっかないのに、心は乙女でした。
桃太はコニタンが苦手でした。
勉強は学年1位の秀才の桃太でも、コニタンの熱血は理解不能でした。
(つづく。かもしれない。いや、むり。)
(7月2日追加)
コニタンが放課後、桃太に話しかけました。
「桃太、本当に野球部に入らないのか?すべての部活部長から声をかけてもらったらしいじゃないか。」
「興味ないですから。」
冷めた目の桃太。
「何に興味があるの?趣味は?好きなタイプは?好きな食べ物は?好きな本は?強いこは好き?」
虫を見るかのような目をする桃太。
慌てるコニタン。
「あっ、やだ、私じゃないのよ?訊いてって頼まれたのよー。やだー言っちゃったー。」
「帰ってもいいですか?」
桃太が帰ろうとしたその時、コニタンが壁ドンしました。
「勝負しろ。」
は?
「勝負して私が勝ったら、もうしつこく質問攻めにしないわ。ただ、負けたら運動部に入ってさっきの質問全てに答えてもらうわ。」
「…何で勝負するんですか。」
桃太は『勝負』という言葉に反応した。
勝負を挑まれたら、本人の意志に関係なく勝負を受ける流れになってしまうらしい。
今までも数百回勝負を仕掛けられて、断ることができなかった。
仕方がなく、受けて立ってきただけだ。
「そうねぇ、学力テストや運動じゃちょっと分が悪いわねぇ…運を使うゲームはどうかしら?」
「…内容は?」
「犬橋と剛田ちゃんにちょっと頼み事をしたのね、もうすぐ教室に戻ってくるんだけど、どちらが先に教室に入ると思う?」
「なんだそれ。」
「先に教室に入った方を選んだ方が勝ち。いいわね?選んでいいわよ。」
「…じゃあ犬橋。」
「私は剛田ちゃんね。」
犬橋に気遣いなどない。
他人のきびだんごを盗み食いするやつだし。
廊下で話し声が聞こえる。
「俺、触ったの初めてかも。」
「私もー。」
なんの話をしているんだ?
気になった桃太とコニタンは廊下側の窓を開けた。
「あっ、逃げたー!!!」
すかさずニワトリが教室に飛び込んできた。
教室の前と後ろの扉が開いて、犬橋と剛田が同時に入ってきた。
「あっコニタ…先生。ニワトリ捕まえてくれたんですね。」
ニワトリがコニタンの胸に飛び込んできた形になった。
「犬橋…なんでニワトリがいるの?」
「なんでですかねぇ?」
能天気な声を出す犬橋。
桃太は何故強いのか。
天賦の才による所が大きい。
しかしながらそれだけではない。
Gさんがオタクだったのだ。
ありとあらゆる武道の映画を桃太に見せた。
YouTubeのやってみた系の動画も見せた。
漫画も『俺強い系』を読ませた。
自己防衛(護身術)の動画やなんか色々見せた。
桃太は一度見たら覚えることができたので、5歳のときには相撲でGさんに勝ってしまったのだ。
Bさんもオタクだったが、薄い本(同人誌)を見られることはなかった。
桃太に弱点はないのか?
Bさんに女性には優しくしなさい、と教えられたので、あえていうなら、女性や女性らしい人が苦手だった。
桃太はあまり笑ったりしないが、心の底からGさんとBさんが好きだ。
自分が本当の息子ではないと知った時は荒れに荒れた。
自分の誕生日のホールケーキを全部解体してしまった。
Bさんに逆えび固めをかけられて、冷静になった。
桃太はBさんに頭が上がらなかった。
Bさんが作るきびだんごが大好きだ。
(7月5日追加)
桃太は考えた。
俺が興味があること。
俺の好きなこと。
全然思いつかない。
なんでもそつなくこなしてきた。
図書室の本、図書館の本はひと通り読んだ。
音楽を一度聞けば再現できた。
挫折というものを知らない。
桃太は自分の能力を最大限活かせる職業は何か、真剣に考えました。
そして、その答えのために一歩進むことにしました。
(完)
妄想、現代版『桃太郎』でした。
すべて妄想です。
すべてフィクションです。
すべて架空の人物です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
(・∀・)