
『Gathering at the Vanity Fair』に来訪、そしてあまり関係のないまとめ。
ただの自分語りです。
好きな作家とか歌手とかっていう感覚は特に一切なくダンスマニアを聞いて育った小学校高学年から中学生時代、印象的な記憶として残ってるのは、とある友人Yくんとのやりとりで、「いつもイヤホンで何聴いてんの?なんかおすすめのアーティストいる?」みたいな会話のなか、ぼくは当時『音楽自体が好きだ!』
みたいな謎に壮大で青い音楽観のニュアンスだったのでそれを伝えたところ、「好きなアーティストを追う楽しみ方を知らないなんてめちゃくちゃかわいそう」みたいなことを言われ、当時は特にそれにも何も感じず、インターネットに触れることもなくダンスマニアを聞き続けてそのまま高校生になった。
そして高校生、インターネットに触れ始めてしばらくして、muzieという無料で音楽をダウンロードして聴けるサイトに触れ、ジャンルごとの人気ランキングとかで適当に漁って、プレイリスト的にフォルダでまとめてネトゲしながらBGMとしてmuzieアーティストの音楽を享受し続ける日々を過ごし始める。

muzieは俺の青春。今でもランダム再生で当時の曲が来ると、フォルダでまとめてたようにそのアーティストのmuzie公開曲をまとめたプレイリストを聴いたりをいまだによくやっている。そんな青春の欠片に含まれていたのが大嶋啓之氏の音楽だった。
古~いバックアップ漁ってたら、謎にたまたま保存していた2005年のmuzie大嶋ページのHTMLファイルを発見したよ #vanityfair2025 pic.twitter.com/aEblbcxJiQ
— penguindance (@penguin_ufufu) March 2, 2025
しかし当時は失礼ながら、大嶋さんの楽曲に対してめちゃくちゃ心酔していたわけではなく、「シンカイ」「Sleepers, wake, the voice is calling」「spring smell」あたりがキャッチーでフックとなって自分に刺さり、それ目当てでネトゲしながらフォルダ聴きしてたみたいなことを何周もしていた。
今日は大嶋啓之さん、明日はPhantasmaさん、次はÅさん、次はpianoジャンルフォルダ、とか色々自分なりのゴキゲンフォルダがある中、一周してまた大嶋さん、みたいな。
フォルダ聴きがファイル名順にしてたから、amlita.mp3からインスト曲が続いて、終盤に前述の「shinkai」「sleepers」「spring」とボーカルが続き、「Silent Squal」「天路歴程」「VisionII」でフォルダ終わり、というのは今でもずっと覚えている。「鳥人」が公開されてフォルダに追加されたのは大嶋信者になってからだ。
アムリタはmuzieダウンロードのファイル名順再生のため、個人的な大嶋さんとの出会いの曲。#vanityfair2025
— penguindance (@penguin_ufufu) March 1, 2025
ネトゲしながら、なわけだから、ボーカル曲を聴くまでの再生スタートからそこまでに、何の気なしに大嶋インストを享受し続けるわけで、そうなるともう耳に通れば通るほど音が、噛めば噛むほど味が広がってくるのは当然、あれ…なんかこの人の音楽めちゃくちゃ沁みる…ええ…これが音楽…
じんわりやんわり自分の中にゆっくりと、それでいて確実に大嶋啓之が広がっていき、中学の頃にYくんが言っていた「好きなアーティストを追う楽しみ方」がこういうことなのかとやっと、改めて初めて実感する。
まあこれは人それぞれな感覚だとは思うし、割と自分のはジンワリ感のせいで比較的粘っこい気はしているが。
そこからはこれがオールMIDIの打ち込み?!とMIDIファイルをサイトからいただいて勉強させていただいたり、
もともと高校はじめからDTMを始めていたこともあり、SC88proや8850の音を自分の環境でも鳴らすためにSC8820を買って、
デジファミ音楽堂のmidiもおそらく大嶋さんの想定通りに鳴らしてmp3化してまたプレイリスト作ったり、
信者になり始めてからでも語り切れないほどきもちわるい執着は続くのだが、なによりも粘着ストーカー大嶋啓之収集屋さんになってから、アルバム単位で追っていく関係上、
大嶋さんの音楽世界の広がりと軌跡がガイドとなってその周辺のアーティストさんとの出逢いも生まれてくる。
その流れで知った別作家さんとか、完全別ジャンルの音楽にちょこちょこ浮気したりする間に長い年月が流れていくのだけど、
たびたび大嶋さんの曲を聴くことで、ああ、これこれ。という納得と自分の中の「基」を確認することも続いていき、
「睡眠都市」が発売当初はなんと特に自分に刺さらなかったのに、これまたmuzie公開インスト曲のときと同様にじわじわずぶずぶハマって暫定人生No.1名盤へと数年越しになっていったり…
自分に数本ある音楽観の柱の、一番太くて高いところの頂上にいる大嶋啓之さん。
あなたと出逢えなければ自分の持っているのは今とは違う形の音楽観だったろうし、別の方向性の柱が大きく占めることになっていたのかもしれないけど、
大嶋さんに出逢えたからこそ、いま壮大な音楽世界を認識できるようになっていて、
自分にとってのその中心が大嶋さんだったからこそ、大嶋さんが中心じゃなかった仮定に比べても確実にその視野が大きく深くなっているのだと勝手に思っております。
音楽を続けてくれてありがとう。これからもどうかご健康に、ご安全に末永く、広い世界をぼくたちに案内してください。
PenguinDance
大嶋啓之新の神アルバムepitaph、届きました pic.twitter.com/IYHQTdmz4q
— penguindance (@penguin_ufufu) April 10, 2021