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ただひたむきにキズナアイであろうとした挑戦者(エンギモノガタリ)達

 おはようおはようGood morning!12月1日、アイちゃんの5ヶ月の配信からいよいよ来年2月26日に向けてカウントダウンに入ったという事で、前回のnoteで紹介したアリルズプロジェクト(以下アリルズ)だけでなく、彼らの事もちゃんと話をしたいという思いから今回はアリルズとほぼ同時期に活動し、4月に第一シーズンが終了したエンギモノガタリについて語ってみたいと思います。

https://www.youtube.com/live/cBh0gInaQHs?si=lzeNEZ1bAaX4bfII  

 おそらく女性ファンだらけだったであろう毘沙門テンカ君の誕生日配信で誕生日おめでとうコメントを読み上げられてしまってめちゃくちゃ恥ずかしい思いをしたという男である自分が全力でエンギモノガタリについて語ります。
どうかしばらくお付き合いくださいませ。

※注意!このnoteをご覧になった八Bの皆様へ※
自分は前回のnoteでアリルズを紹介しましたが、思いっきり中の人、2.5次元VTuberという観点からアリルズを語っており、今回もその地続きの内容となっています。
都合思いっきりメタ視点の話になりますのでご注意ください。ただ、彼らの事はものすごく尊敬していますし、前回同様

「キズナアイを語るのにエンギモノガタリを語らない奴はただのモグリじゃね?」

精神の持ち主です。なので本当に全力で語ります。

余談ですが「二連覇」の持ち主だったりはしますw



■ これは古よりつながるエンとエンギのモノガタリ


 エンギモノガタリは2023年4月に活動を開始した恵比寿亜門(えびすあもん)、大黒天詩月(だいこくてんしずき)、福禄虎寿郎(ふくろくこじゅろう)、毘沙門テンカ(びしゃもんてんか)から成る4人組(伏線があるので今後増える可能性あり)の男性VTuberグループです。
※KAincあるあるの例に漏れず、彼ら自身はVTuberとは名乗っていませんでした。
活動内容としてはWebで無料のマンガ(ウェブトゥーン)を連載しつつYouTube上で活動するという形式をとっており、マンガのストーリーにもYouTubeで活動していく旨が組み込まれているため、フィクションであるマンガと自分達が実際に見ているYouTubeが地続きであるという構成になっています。
(余談ですがこのフィクションと現実が地続きになっているという構造はのちのvα-liv(ヴイアライヴ)にも取り入れられていますがあんまりそこら辺は関係ないと思ってますので今回は割愛)
2023年4月に活動開始としていますが、実際のところでいうと2023年2月26日にキズナアイのチャンネルにてhello, worldプロジェクトの発表の際に当時シークレットとしてエンギモノガタリが紹介されています。

そして2023年3月にその全貌が明らかになりました。

キズナアイ株式会社のhello,worldプロジェクトということで他のloveちゃんや#kzn、そして前回紹介したアリルズと同じ位置付けとされていますが、男性グループということもあってか他のコンテンツ程キズナアイと直接関わりがあるような場面は存在しません。
ただ、動画の〆の挨拶がキズナアイと同じ「しーゆー!またねー!」(のちにアリルズも取り入れて晴れてハロワプロジェクトのメンバー共通の締めの挨拶になりました)だったり、エンディングにはキズナアイでお馴染みの「チャンネル登録の歌」を和風アレンジにして歌っていたりと、その精神性を確かに匂わせるスタイルをとっています。
また2023年のキズナアイが生まれた日2023記念配信ではエンギモノガタリからお祝いのメッセージを送られていたりとそのつながりが伺えるような場面もありました。(メッセージ自体はかなりあっさり気味なのはKAincなりの配慮なんだろうとは思っていますw)

https://www.youtube.com/live/hYR0DAU9gyQ?si=tp6Pgerrh-JQ49vY より


そしてエンギモノガタリもまたアリルズと同じように演者が予め公開されているというある意味2.5次元VTuberのような存在でした。
ただ、アリルズと違って演者を全面に押し出すスタイルをとっていたわけではなく、動画がアップされた際に演者がポストする、といったさりげない感じではあります。

大黒天詩月役の山本智哉さんが動画の宣伝をしているポストです。ちなみに大黒天詩月くんの歌う男声のアイドル、最高すぎます。もう完全無欠絶対無敵のアイドルなしーくんが拝めます。

きゃああああああああああああ!!!!しぃぃぃぃぃぃくぅぅぅぅぅぅん!!!!!


※注意!ここからメタ視点の話に入ります!

 ちょっと自分語りになってしまいますが、何故男である自分がエンギモノガタリの事を気に入ったキッカケになった動画を紹介します。

エンギモノガタリのオリジナルデビューソング、「一富士、二鷹、SUNRISE」のMVです。
曲自体のクオリティの高さ、MVのクオリティの高さも最高なんですが、MV中のラスサビ前の4人全員の大ジャンプが本当に最高なんです。
四人全員それぞれがそれぞれのスタイルで大ジャンプをしていて、

四人なら四人ともそのジャンプに個性がでていて大好きなんですよね。

作中クールな詩月くんはけだるげなジャンプだったりダンスの得意なテンカ君は海老反りジャンプだったり・・・。

今違和感を感じませんでしたか?

じゃあもう一個お気に入りの動画を紹介しますね。

アニメイトガールズフェスティバル2023(AGF2023)のミニライブで披露された「アゲアゲええじゃないか」のカバーの単体動画です。

いやーこの時のダンスも最高でした。アウトロの四人のダンスで

チョイ悪イタズラ大好きお兄さんの福禄虎寿郎がアドリブで大黒天詩月にダンスけしかけて踊らせてるんですよね。

普段クールな詩月も釣られて踊るところも面白いですし、最後そんな詩月も呆れ返ってるところもすごく“らしい”です。

はい、またさらに違和感のある事を言っていましたね。

言わんとしてる意味がわかりますか?

そうなんです!VTuberのキモである中の人要素が全くと言っていいほどないんで す!まさしく「演技」なんです!

エンギモノガタリとは「縁起」と中の人の要素を限りなく削ぎ落として「演技」とのダブルミーニングなんですよね。
※これは公式サイトにも「演技」という文字がちゃんと載せられています。


■ 誰が呼んだかENGI-MONO

 前項ではエンギモノガタリの「エンギ」は「縁起」と「演技」のダブルミーニングであることに触れました。
では実際にどんな人達が演じていたのでしょうか?
ここで福禄虎寿郎を演じられていた澤田拓郎さんの動画を紹介します。

めちゃくちゃ舞台俳優!って感じの方ですよね。
そうなんです。前回のnoteで紹介したアリルズの演者が声優寄りの人選だったのに対して、エンギモノガタリは4人なら4人とも舞台経験者寄りの人選であるように見えます。(認識の違いがあればすみません。)
さらに言えば恵比寿亜門役の奥山敬人さんはそれらの他にモーションアクターの仕事もされています。

奥山さんの公式Xより。モーションアクターの仕事もされていることがわかります。

キズナアイのファンであれば皆さんおなじみアイちゃんの楽曲の振付担当であり、モーションアクターもされている荒井結花さんですが、そんな荒井さんと同じモーションアクターということで実際の奥山さんのモーションアクターとしての動画を紹介します。

すごいですよね。演じるキャラクターの年齢や性格といった設定に合わせていかにもな振る舞いをキャプチャースーツを着ながら演じてられていることがわかります。
そして奥山さんは先述した「一富士、二鷹、SUNRISE」の振付を担当されていたことも明かしており、のちに先程説明した「一富士、二鷹、SUNRISE」のMVのお気に入りポイントである大ジャンプの場面はのちに奥山さんがメンバーにシンプルにただ大ジャンプをするようオーダーし、それぞれの演者がキャラクターの事を考えた上で自身でアレンジして大ジャンプしていた事が明かさてれます。

そう、エンギモノガタリは「演技」に特化しているグループだったのです。

エンギモノガタリは基本的に週に何本かshort動画、週末にバラエティー企画の動画、誕生日の記念日に生配信を行っていましたが、一つ一つの発言、身振り手振り、細かな所作に至るまでいわゆる“解釈不一致”を感じる場面がエンギモノガタリにはほぼ(明らかアドリブな場面であっても)なかったように思います。(VTuberでいうところの中の人感は例えば大黒天詩月はやたらゲームが上手い、福禄虎寿郎がテンパるとオネエトーンになるといったところぐらいでしょうか。まあでもそれもキャラクター性の延長線上に収まっていません?)
活動形態も含めてエンギモノガタリはVTuber界隈でいうところの動画勢という活動形態でしたが、その仕草、所作に至るまでVTuber黎明期、動画勢と呼ばれたVTuberを見ているような感覚でありながら、エンギモノガタリはその当時からさらにブラッシュアップされているかのような印象を抱いていました。(中の人の考え方を前面に押し出していた同じ2.5次元VTuber?であるアリルズとは対称的ですね。中の人アリルズが生配信メインだったのも意図した事だったんでしょうか?)

■ カーテンコール!

 2024年4月にエンギモノガタリは第一シーズンが終了しました。VTuber的な活動をしていながら演者を公開しており、Xにて動画の宣伝をしている程度ではありましたが、
第一シーズン最後の最後で演者名義、中の人として活動一年を振り返る配信を行っています。

※ この配信は2024年12月現在、(配信当初から)限定公開扱いとなっているため、URLを貼れません。
ただ、それまで未公開だった四人全員の歌ってみた動画(しかもまさかの選曲!!)が公開されたりメンバーが色んな事を語ってくれているため、是非探してみることをオススメします。見つけるのはめちゃくちゃ簡単ですよ。

 思い出に残っている企画のアフタートーク、当時の裏話、オーディション後のメンバーが出会った時のエピソード、そして一年間追い続けたファンへの感謝など、まさに演劇でいうところのさながらカーテンコールのような配信でした。(ちなみに先述した「一富士、二鷹、SUNRISE」の大ジャンプのエピソードもここで披露されています。)

そして現実のカーテンコールと同様に第一シーズンが終わってしまう事への寂しさは勿論あったものの、それと同時に一年間演じてくれたメンバーに感謝の念や清々しさ、そして多幸感溢れる気持ちで配信を見ていたファンはみんな抱いていたんじゃないかなと個人的には感じました。

まあアリルズの時にも言った事なんですが、エンギモノガタリもアリルズよろしく2.5次元VTuberではあるのでKAincがまたオファーすれば彼らに再び会えるかもしれませんしね!

そんな彼らのカーテンコール配信(彼らをリスペクトする意味でも自分の中であの配信をそう呼んでいますw)ですが、個人的にすごく腑に落ちたというか、すごく印象に残っている言葉を紹介したいと思います。(限定公開でもこれくらいはいいよね?)

恵比寿亜門役の奥山さんは恵比寿亜門と言うキャラクターを演じてどうだったかを話す際にこんな風に話されていました。

このたぶん四人とも全員そうだと思うんだけど、まあ一応僕たち役者じゃないですか。キャラを演じるというお仕事をしているわけだけど、このエンギモノガタリに関してはたぶんキャラが勝手に歩いていく感じがしない?
もちろんその声を当てさせてもらってるっていう大前提ではあるんだけど、もうね、勝手にね、亜門として言葉が出るというか。でもみんなそうだと思う。

実際活動中の恵比寿亜門は本当に元気で、すぐ大黒天詩月といがみ合うし、そんな二人がいざゲーム対決になるとお互いに妙にムキになって白熱していましたよね。
そんな奥山さんの言葉にふと疑問を抱きました。

結局自分達ってエンギモノガタリの恵比寿亜門を見ていたんでしょうか?
それともVTuberファンとしてあるあるな恵比寿亜門を演じる奥山さんを見ていたんでしょうか?
そしてどちらの見え方が正しかったんでしょうか?

配信内ではそんな事もあってかエンギモノガタリがVTuberのような活動形態をとっている事に対し、その演者を公開するというスタイルをとっていたエンギモノガタリについて、メンバーも全員葛藤があったようです。
その件についても奥山さんはこんな風に話されています。

基本的には僕もあんまり「演じてます」は言わないようにしていて、結局この四人(というキャラクター)が“生きている”ということを僕は見せていきたい、見てほしいなと思っていたから。ここにいる四人(の中の人)もきっとそういう考えでやっていた。

先ほどの問いへのアンサーとも言える発言だと思いました。
それでも視聴者達はVTuberのファンの意見あるあるなアバターを通じた中の人を見るべきなんでしょうか?
この話にもう一つ。先ほど触れましたが彼らはいわゆるVTuberでいうところの動画勢でした。
そんな動画勢に対しよく言われる「動画勢は台本読んでるだけ」という意見をよくみかけますが、

本当に彼らは台本を読んでいただけだと思いますか?

VTuberでいうところのそのメインストリームとなっている中の人の素の感情やリアクションをメインに据えるのがメジャーとするのであれば、

エンギモノガタリの彼らは素の人間性を出していた方がVTuberとして正解だったんでしょうか?

少なくとも自分はそんな風には全く思いませんでしたし、それでも自分はそんな“生きている二次元キャラクターであろうとする”中の人の姿勢、ひたむきさをものすごく尊敬しています。

なにせ彼らは人間、演技者としてバーチャルな存在であるキズナアイと同じような存在になろうとしていたわけですからね!

■ 総論 : hello,worldプロジェクトとは?


 そんなこんなで2023年2月26日から約一年にかけて活動したエンギモノガタリについて語ってきました。前回のアリルズ語りから2025年2月26日にアイちゃんが起きるかもしれないということでいろんな期待を込めて改めてエンギモノガタリについても語ってみましたがいかがでしたでしょうか?
最初に説明した通り、エンギモノガタリは2024年4月に第一シーズンが終了したため現在は活動休止中となっていますが、前回のアリルズを紹介した時と同様、中の人達は今でもエンギモノガタリについて触れますし、なんならエンギモノガタリ公式アカウントも今でもキャラの誕生日をお祝いしたりしています。

毘沙門テンカ役の梶田大嗣さんのポストです。第一シーズン終了後にエンギモノガタリ公式の恵比寿亜門の2024年10月20日の誕生祭のポストにコメントしています。
そんなこんなで何か色々掟破り(?)なアリルズとエンギモノガタリですが、そんな彼ら彼女らが含まれているキズナアイから派生されたhello,worldプロジェクトとは一体なんなのでしょうか?

実際キズナアイから派生されたhello,worldプロジェクトは彼ら彼女らの他にらぶちゃ、#kzn、アリルズプロジェクト、エンギモノガタリの事を指していますが、プロジェクト開始前からいるらぶちゃもそうではあるんですが、アイちゃんがスリープ後に発表された他の三つのプロジェクトはそれぞれが強いメッセージ性を持っていると思っています。
本来であれば、この後さらに別noteで#kznちゃんについても語るべきなんですが、来年2/26に間に合わなさそう&具体的にそうだと紹介できるような資料も少ないのでここで端的に言ってしまうと、

「ありとあらゆるクリエーター達が無から有を作り上げようとする美徳」

のようなものがコンセプトなんじゃないかなと思っています。(←単純に初音ミクを思い浮かべるかもしれませんが、それともちょっと違うと思っています。勿論どっちがどうだとかという意味ではありません。)

#kznちゃんの1st live「play with me」のエンドロールに採用された楽曲、「I'm AI」です。コンセプチュアルな楽曲でめちゃくちゃ大好きなんですが、合唱パート(!)が存在し、全てのクリエーター達にメッセージを投げかけているこの楽曲がエンドロールに採用されているところに#kznちゃんのコンセプトを象徴していると思っています。

消えないメロディーをなぞって
絶え間ない星に願ったって
音は流れ続けるけど
チープな詞に紡がれたくはない
止まれない音楽に門限はないから終わらない
背伸びをした未完成達に叫ぶ
この想いはAIしてる

I'm AIより

#kznちゃんについてはざっくり気味になりますが以上のような感想になります。

 そして前回のnoteから今回のnoteまででお話した内容を簡潔にまとめるとhello,worldプロジェクトの#kzn、アリルズ、エンギモノガタリは以下のように説明できるかと思います。

・様々なクリエーターが無の存在から願いや想いを込めてそれを具現化しようとする#kzn

・バーチャルに真正面から向き合い様々な可能性を示そうとするアリルズプロジェクト(絆のアリル)

・人がその姿勢と情熱をもって完全な二次元のキャラクターたらしめようとするエンギモノガタリ

・・・なにか符合してくる「存在」のようなものが見えてきませんか?

2025年2月26日、キズナアイがスリープしてから三年であるのと同時にhello,worldプロジェクトが発表されてから二年でもある事に期待を寄せ、最後にキズナアイの初代プロデューサー、松田純冶さんの言葉をお借りしてこのnoteを終わらせたいと思います。

僕らは、みんなでキズナアイだ。
永遠に生き続ける存在になってほしい。

J. matsuda 「キズナアイは確かに実在する」より

それでは
しーゆー!またねー!

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