出生秘話の意味すること
私は、8月生まれだ。
暑い夏の日の午後3時、
私は、産声を上げたそうだ。
正確に言うと、母のお腹から出てきたばかりの私は
仮死状態で、
産声も上げず、茄子のように黒ずんだ顔をしていた
と聞いた。
助産師さんが口いっぱいに水を含んで、私の顔に思い切り吹きかけたところ、ようやく
「オギャー」
と、泣いたのだという。
………………
こんな出生のエピソードを、
子どもの頃、母親から聞かされてはいたが、
(「茄子のような黒ずんだ顔をしていて」と言われて、“私は可愛くなかったんだ”と幼心に傷ついたものだ。)
これまで、わざわざ人に語るような場面もなかった。
そんな中、たまたま話す機会があって、とある人に出生時の話をしたときに、
『あかりさんは、逆境に強い人間のような気がしますね』
と言って頂いた。
仮死状態から懸命に生まれて、
今まで元気に生きてきた自分‥
記憶すらないその時ことを今まで、
「死なないで、運が良かったんだな‥」
そう思うことはあっても、
『逆境に強い人間だ』
という解釈をしてみたことはなかった。
だから、そう言われて、
なんだかとても勇気づけられたのだ。
“逆境に強いわたしは、どんなことがあっても大丈夫だ‥。”
そんなふうに捉えてみると、
元気がわいてくる。
そう思ってみれば確かに、
そのことを証明するように、
逆境を乗り越えてきた場面が、これまでの人生の中にいくつもあった
ということにも、気づくことができた。
私は、
自分で思っているよりも、うんと打たれ強く、
そんな私には、
逆境から立ち上がる力が備わっているのかもしれない。
これからは、自分のことを
そう思って生きていこうと思った。
仕事を失い、
求職活動をする中で壁にぶつかり、
自分らしく生きられる道を求めてコーチングに出会い、
自分を見つめ、
やりたいことが見えてきて、
行動し始めたは良いけれど
なかなか進まない現実に、
出来ることの中から、やれそうな仕事を選ぶこと
…そんな、以前と同じ世界へ引きずり戻されそうになる。
これはある意味、
私に訪れてくれた、逆境だ。
ここで諦めない者だけがきっと、ゴールを掴むのだろう。
そして、私には、
この逆境に負けないで、前を見て進んで行く力が備わっているはずだ。
だから、やれると思う。
何の根拠もないけれど、
1年後には、理想のゴール世界を、
現実にしているような気がしている。