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【小説家が選ぶ】2024年に一番面白かった本はこれだ!

2024年に読んだ本の中で、心の奥深くまで刺さった作品があります。

それが『ザリガニの鳴くところ』です✨

読み終わった後、しばらくその余韻に浸っていたくらい、強烈に心を動かされた一冊でした。

単なるミステリーではなく、人間の孤独、強さ、そして優しさが深く描かれた物語だからこそ、心に残り続けています!

『ザリガニの鳴くところ』デルア・オーウェンズ(ハヤカワ文庫NV)


カイアは6歳で家族に見捨てられ、湿地で一人で生きてきた少女。

そんな彼女が、青年の遺体が見つかった事件の容疑者として疑われます。

彼女は周囲の人々から「湿地の少女」として見下され、孤立した人生を歩んでいます。

しかし、彼女が果たして本当に犯人なのか?それとも、長年の孤独と偏見が生み出した誤解なのか?

物語はその答えを探る旅でもあります。

カイアが湿地で生きる姿に、私はただ驚くばかりでした。

誰にも助けを求めることができず、時には自分がどれほど孤独なのかすら分からなくなりながら、それでも生き続けている彼女を思うと、胸が締めつけられます。

彼女の心の中にある感情の揺れ動き、それを描く作者の筆致は本当に見事で、ただのサバイバルの物語ではないことがわかります。

彼女が抱える恐れ、希望、そして愛を求める気持ち。そのすべてに共感せざるを得ませんでした。

読み進める中で、カイアがどんなに周囲から疎外され、傷つけられてきたのかを感じ取るたびに、心の中で怒りが込み上げ、同時に彼女の強さに感動しました。

それでも彼女は、過酷な環境の中で人としての優しさを失わず、希望を持ち続けるんです。

彼女の物語が進んでいくにつれて、その孤独の深さ、そして彼女の成長に涙が溢れてきました。

最も印象的だったのは、真実が明かされるその瞬間。

今までの物語のすべてが一気に繋がり、心の中で「なるほど、そうだったのか」と感じると同時に、胸がいっぱいになりました。

カイアの強さ、彼女の中にある繊細な部分を見たとき、私たちの心の中にもきっとその感情があることを思い出させられるんです。

人間らしい温かさ、弱さ、そしてその先にある希望を感じ取ることができる、そんな本でした。

2024年に一番心に残った本として、私はこの『ザリガニの鳴くところ』を選びます。

カイアの物語を通して、孤独や偏見がどれほど人を傷つけるか、そしてそれにどう立ち向かっていくかを考えさせられました。

読後、私はただただ感動し、しばらくその余韻を味わいたいと思いました。あなたにもぜひこの物語を体験してほしい、心の奥底からそう思います。

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