ファンタシーを具現化できる男たち 第2位
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第2位:お尻に入れたがる男
彼をミスターTと呼ぶ。
彼は今まで出会ってきた男の中で、間違いなく男の中の男だった。彼は、誰よりも自分自身を理解しており、実際よりも大きく見せる事はなく、自分の弱点も欠点も受け入れて、自分の強みを最大限に生かし、人並み以上にお金を稼ぎ、豪快に使い、人を雇い養い、失敗を恐れず、自己責任で生き、言い訳もしなければ、取り繕うこともせず、完璧なまでに自然体で振る舞える、文字通り何にも影響されない、縛られない自由な男だった。
彼との恋愛も、第3位のミスターRと同様に一言で語れるものではなく、後に何度か登場することになる。ひとまず今回は彼の性癖に注目する。
ちなみに彼とは今でも連絡を取り合う仲だ。(不法な関係ではない)
過去付き合ってきた男の中で、彼とは一番ラブホテルに行ったと思うし、家でも、車の中でも一番セックスした仲だったと思う。
何より相手を楽しませることを忘れない男だったし、常に女を喜ばせる方法を知っていたから、純粋に私も楽しめたのを覚えている。
変態セックスにありがちな、無理強いや、調子を合わせる必要も、男を気遣ったイッタフリ演技も不要で、今思い出しても彼との日々は、ただただ楽しかった。唯一束縛がひどかったけれども。
そんな彼がある日突然言った。
「Carrie(きゃりー)の初めてを何か一つ欲しい」
当時の私は23歳そこらだったが、今と違ってSNS等の時代ではなく、バーチャルな体験よりも、まだまだリアルが主流の時代だった。そんな時代に20代前半を生きていた私は、男性との経験が多すぎる事もなかったが、それなりにお付き合いをしてきた男性はいた。
初めてってなんだ?
自問自答しても当たり前だがセックスは経験済みだし、オーラルセックスはもちろん、野外プレイも経験済み。初めての体験ってなんだろうねぇ、と二人で話していると、
「お尻は?俺も実はやった事ない。入れた事ある?」
と彼が案をだす。
「ないね。そーいえば。」
「Carrieの初めての体験だね」
と嬉しそう。
ムードも何もない状態ではあるものの、彼はいつでもスイッチを入れられる。
「なんか、潤滑油的なものなくて入るのかなぁ」
と私は聞いてみたが、彼との性生活には、そのような物を用意した事がなかったから、当然ない。
「舐めまくればなんとかなるかも?」
と彼。
「待って待って〜。なんか怖い。痔にならないかな」
と言う私に
「大丈夫だよ、うんちが出たと思えば俺のはそんな太くないし」
と言う彼。
確かに、幸い?彼のペニスは小さい方だったから、私も快諾したわけだが、いざ入れるとなると、難しい。
本来出口専用の穴から中に入るのは大変だ。
ちょっとずつ前後しながら、先っちょが中に入り始めると、
「あっ、なんか変な感じ。うんちが出ちゃいそうな感覚」
全然色気もなく、セクシャルな絵ではない。
「入った入った!」
と喜ぶ彼。
私はと言うと、快感など皆無で、ただただうんちが出そうな感覚と、動くたびに出ちゃった感覚に襲われながら、彼が満足するまで待つ事に。
「なんか変に興奮して、いきそう」
どーぞどーぞ早めに、と心の声、、
幸い数秒後には解放されて、
「やったー。これでCarrieの初めてをもらえたね。」
彼が喜んでくれてなにより。
「ただし、2回目はないな。なんかうんちしてるみたいな感じしかないもん」
と私。
「いいよいいよ。これで満足できた。」
かくして私のお尻体験は最初で最後となった。
第1位に続く…↓