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#5 キャリア形成 -修士課程と博士課程の違い-

先日,病院に勤める後輩から,修士課程と博士課程の違いってなんですか?と聞かれたので,こちらにも余計なお世話かもしれませんが発信しておこうと思います.

ただ,あくまで私の経験+聞いていること+医療系という狭い世界での情報となりますので,それ以外の領域あるいは専門性を有している大学院では異なる可能性がありますので,参考程度にご覧いただけたらと思います.


1.修士課程(博士前期課程)

大学院は,全期間を”博士課程”と一括りにして,その前半を博士前期過程あるいは修士課程と呼び,後半を博士後期課程あるいは博士課程と呼びます.
博士前期課程を修了したのちに得られる学位が修士号であるため,修士課程.
博士後期課程を修了したのちに得られる学位が博士号であるため,博士課程と呼びます.

それぞれの学修期間は,おおよそ修士が2年,博士が3年で合計5年間です.おおよそというのがポイントで,各大学院によっては,上記プラス1年の誤差があります.

修士課程も博士課程もどちらも修了する上で共通することは,
①単位を取ること
②論文を書くこと
の2条件です.

ただ,そのウェイトがかなり異なります.
修士課程は,いわゆる研究初学者に適したコースとなっており,研究に必要な統計学や研究デザインなどの基本的な学術知識や思考を身につけるカリキュラムが組まれます.そのため,履修する講義ではレポート課題が多く,しっかりと講義を聞き,自分の考えを練るという量的課題をこなしていくことが必要となります.

そして,論文執筆です.
多くは学士レベル(大学卒業時に取り組んだ卒業研究など)の発展形と評されることが多い印象ですが,公的雑誌に投稿したり,所属大学院の規定する体裁にして提出することが必要となります.

私の肌感覚では,修士課程全体の大変さというか,やることの多さでいくと,単位取得6割,論文執筆4割くらいの違いがあったかなと思います.
ただ,自分の進む方向性の研究ではない研究や先生方の人生観を含めた講義というのは,学部時代のそれとはかなり違く,本当に楽しかった印象です.

2.博士課程(博士後期課程)

修士号を取得したら,今度は学位の最高位である”博士号”です.

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