WGP京都3位 仮面の奇術師 ハリーデッキ解説
こんにちは、はたおと申します。
今回は、WGP京都デラックスで使用し、3位入賞したハリーデッキの解説をしていきたいと思います。
※記事の中で、『』はデッキタイプを、《》はカード名を、☆はクリティカルトリガーを、前はフロントトリガーを、治はヒールトリガーを示しています。
【デッキの特徴】
「Stride Deckset Harri」によって追加された新たなデッキタイプです。
・ソウルからの手札を使わない展開。
・クレストによるゲーム後半に試合を決め切れるパワー上昇。
・圧縮を多用する為トリガー率を高めることが出来る。
・2回超越目、2面除去+6回攻撃のフィニッシュ性能の高さ。
以上4点が『ハリー』というデッキを握る上での強みです。
【デッキリスト】
【デッキ選択理由】
当初、今大会には『シラヌイ』で参加する予定でした。
まず前提として今大会において環境を定義しているデッキは『ナイトローゼ』、『猩々童子』だと考えていました。
『ナイトローゼ』はチームメイトが使用、『猩々童子』はミラーでの練習不足により使用を断念。結果、そこそこ自信があった『シラヌイ』での参加を決めていました。
しかし、使用数が多いであろう『ナイトローゼ』は、対『シラヌイ』最強カードである《その輝きは遠く空の彼方より》(以下彼方)をほとんど毎試合好きなタイミングで使用することが出来ます。
そして、『猩々童子』デッキは《雲水飛動 忍鬼 猩々童子》の能力により、『シラヌイ』の支配攻撃を不自由にさせる事が出来ます。
この、2強とも言える2つのデッキに対して、『シラヌイ』が明確な不利だという事実を無視する訳にはいきませんでした。
そこで、上記2デッキにある程度の勝率があり、明確な不利対面が存在しない『ハリー』を使用することに決めました。
《彼方》の影響を受けず、『シラヌイ』同様に2回超越目のゲームを決める力が大きい。この点は魅力的でした。
ライドライン《運命の配り手 ジャクリーン》のおかげでグレード2→3、超越時に必要なコストを手札に温存せずに済むというのも大きな強みです。
これは、超越対面同士に起こりうるライドスキップを続ける上では非常に有利に働きます。
お互いにグレード2状態では、手札にあるグレード3のカードは守護者で捨てる札くらいの役割しかありません。
ライドラインで7枚捲ってそこからライド、超越コストを探す事が出来ます。
手札に不要なカードを持ち続けなくても良い超越デッキという強み、『シラヌイ』にこれはありません。
(『ナイトローゼ』にも同じギミックがある為、当然強いです。)
【ゲームの組み立て方】
2回超越目での勝利を目指します。
このデッキは『ナイトローゼ』のように耐久プランを取ることは出来ません。余程の有用なリアガードが相手の盤面に無い限りは、全力でヴァンガードのみを殴ります。
カウンターブラストを多用する為、ライドスキップ時に強力な《翔陽時在フォルド&リバルティス》等も搭載出来ません。
ライドスキップ合戦も基本弱いので、諦めてさっさとグレード3にライドして下さい。
しかし、相手の動きによってはライドスキップ出来るタイミングもある為、詳しくは後述します。
ライドライン、《道化魔竜 ルナテック・ドラゴン》、《スチームパフォーマー・トゥーゲ》でとにかくデッキを圧縮出来ます。後半にヒールトリガーを引く確率を上げ、ゲーム中に2回以上の回復を目指します。
超越ターンでカウンターブラストを多用する為、5点までは受けても平気という考えでプレイしましょう。
【採用カードについて】
《仮面の奇術師 ハリー》
《仮面の神竜使い ハリー》の超越コストとしての採用で、必須枠です。ライドスキップ合戦では意味を持たないカードの為、マスカレード・バニーを採用する事で枚数を減らしています。ダメージ落ちを考慮して2枚採用。
《フライング・マンティコア》
超越コストであり、連続攻撃の要。
《仮面の奇術師 ハリー》の効果での展開を目指す為、手札にもソウルにも居て欲しいカードです。
毎回試合に必ず2枚以上、試合に関与して欲しいカードの為4枚採用。
《シャワードアプローズ・ドラゴン》
第2の攻撃要因。単体で23000以上の打点を持ちます。
ドロップからよく《スチームパフォーマー トゥーゲ》をバインドする圧縮要因です。
ソウルに既に《フライング・マンティコア》がある時、《トゥーゲ》からソウルに置く候補になります。
《絢爛たる光明の宝剣》
カウンターブラストを多用するデッキの為、ゲームが長引いた時のカウンターチャージが強力です。点止め対策にもなります。猩々童子のようなアグロデッキ対面では、よく2枚ドローで使います。
《スチームガンナー ティズカール》
エネルギードローサイクル。
先手後手の差を埋めるカードです。
最後まで2~4枚の間で採用枚数を悩んでいましたが、初手で引く確率を上げるため、アグロ対面での5000要求対策で4枚採用。
《サーヴァント・ファルクラシア》
4枚採用も多く見られる高性能の攻撃要因です。
現状のカードリストではこのカード以上にこのデッキに合っているグレード2はいません。
後述の《ダークサイド・プリンセス》採用の為、枚数調整で3枚採用。
《ダークサイド・プリンセス》
超越1回目でのパワーはクレスト込で25000の為、パワー最大30000の《サーヴァント・ファルクラシア》に劣ります。
しかし、超越2回目では《サーヴァント・ファルクラシア》と同値になる点、そもそもグレード2の段階ではどちらも効果無しの10000打点である点、
《仮面の神竜使い ハリー》でコール出来るユニットが別名である必要があり、ブースター・クレスト込で超越2回目ターンで43000打点を構築出来るのがこのカードのみなので1枚だけ採用しました。
意外と活躍する、いぶし銀なカードです。
《スチームパフォーマー トゥーゲ》
このデッキを使う理由の1つです。ライドライン全てがペイルムーンのみである為、いつでも効果を発揮できます。
ソウルに《フライング・マンティコア》、《シャワードアプローズ・ドラゴン》等優秀な攻撃要因を入れてくれるだけでなく、デッキ圧縮からトリガー率の高いトリプルドライブが出来ます。
ドロップに落ちても《シャワードアプローズ・ドラゴン》で圧縮効果を使える為、手札に温存せず2ターン目には盤面に出して積極的に攻撃しましょう。
《スチームバトラー グングヌラーム》
最強カード。このカードが手札に来ると嬉しくなります。
ソウルをドローに変換出来る唯一のカードであり、除去されたくない為V裏が定位置です。1枚以上は必ずドローしたい為、除去持ち対面ではソウルが3枚以上貯まるタイミングでコールしましょう。
《時廻竜 クロックワイズ》
超越コストで切られたカードを回収する役割です。
除去されても構わない為、引いたら盤面に出して殴りましょう。
《マスカレード・バニー》
グレード1で《仮面の奇術師 ハリー》をサーチ出来ます。
超越対面の場合、ライドスキップ時にグレード3を手札に加えるのは自分の首を絞めるだけです。すぐにサーチする前に1度考えましょう。
手札に他のグレード1が居ない場合は、サーチせずに盤面に出して殴る事も考えましょう。
《キューティー・パラトルーパー》
ゲーム後半(超越2回目以降)になると、カウンターブラストの余裕が無く、《フライング・マンティコア》のような攻撃要因の確保が難しくなります。
余った手札、盤面に残ったブースターを、ソウルにある優秀なユニットに変換出来るこのカードを採用しました。
ゲーム後半にならないと使わないカードの為調整枠です。
手札にグレード1が無い時は、序盤に盤面に出して相手を殴ります。
《夜天の精霊王 ニクラスゼリア》
先述の通り、このデッキは序盤にダメージを受けたい関係上、5枚目のヒールトリガーとして機能するこのカードが最適だと考えます。
他の候補としては、《焼尽の精霊王 ヴァルナート》、《水界の精霊王 イドスファロ》があります。
しかし、いずれも攻撃面では強力なものの、ゲームを決め切る力があるとは言えないです。
攻撃性を高めるよりも、ゲームを伸ばす事が重要だと考えこのカードを採用しました。
【各ターンの動き】
超越デッキですので、もちろん後手が望ましいです。
じゃんけんで勝った場合は必ず後手を選んで下さい。例外はありません。
1ターン目
・先手
特にやることは無し。何もコールする必要は無いです。相手に情報を与えるのは止めましょう。ライドコストにはグレード3、もしくはトリガーカードを切りましょう。
・後手
出来れば、《スチームガンナー ティズカール》をライドコストにしたいです。理由は、序盤から多くのグレード1を盤面に出したいからです。とにかく殴る事を考えましょう。
しかし、V裏のブースターは必須です。相手はヴァンガードの攻撃をほぼほぼノーガードするしか無い為、1ターン目に必ず1点与えることが出来ます。
理想は、下記の2回攻撃です。
攻撃順はリアガード→ヴァンガードです。リアガードからの攻撃で、5000ガードを誘います。
ガード値5000のカードはブースターや、攻撃要因といった、2ターン目までには必要なカード達ばかりです。序盤に必要なカードを1枚でも削り取りましょう。
V裏のブースターは、超越ターン以降は不要になりますが、1、2ターン目にはとても重要です。
ヴァンガードの攻撃をトリガー1枚で防がれるか、ノーガードと言わせるか。とにかく1点でも多く相手に点を与えることを意識しましょう。
2ターン目
・先手
2回以上、出来れば3回以上の攻撃をしたいです。
ハリーは、超越1回目においてはカウンターブラストが1点、もしくは2点あればソウルから盤面展開することが出来ます。
カウンターブラストが1既にあるなら、返しのターンで相手にリアガードを狙われても問題ありません。
《スチームバトラー グングヌラーム》を引いている場合は、このターンでソウルが3枚になっており、1枚引くことが出来ます。
・後手
攻撃の回数は先手の場合と同じですが、相手の盤面に優秀なグレード2の攻撃要因が居る場合は、リアガードに攻撃する事も1度考えましょう。
『ナイトローゼ』、『猩々童子』対面の場合は何も考える必要は有りません。リアガードは気にせずヴァンガードだけ殴りましょう。
3ターン目
・先手(ライドスキップについて)
ライドスキップをするかどうかを考えます。
前ターンの相手の行動と、自分の状況と合わせて考えます。
超越対面でない場合、さっさとグレード3にライドした方が良いです。
《運命の配り手 ジャクリーン》の効果、ツインドライブによるアドバンテージの方が相手の得られる恩恵よりも多い事が多いからです。
もちろん例外もあります。例えば対面が『インバルディオ』で自分の手札には守護者が無い時。
こちらが素直にライドしたならば、相手はすぐにディバインスキルを発動出来ます。
こちらは守護者の無い手札に必死にガードせざるを得ません。
『インバルディオ』に盤面展開能力はありません。
厳密にはグレード3で1体山札からコールする能力がありますが、ライドスキップに耐えられる程ではありません。
ライドスキップをして相手のリアガードをひたすら潰していけば、相手は先にライドするしかなく、ディバインスキルの無い安全なターンを迎えることが出来ます。
あくまでもこれは一例です。
相手のデッキ特性を見極めながらライドをスキップするかどうかを判断してください。
超越対面の場合はある程度、スキップするか否かの基準があります。
○相手がヴァンガード1回のみの攻撃だった。
○相手がリアガードに展開したカードが2ターン目に展開すべきでないカードだった。(『シラヌイ』デッキの《忍竜 フウライ》、『ルアード』デッキの『アビサル・オウル』等)
この場合は、相手の手札に有効なカードが無い事が考えられます。追加の攻撃手段が無い可能性があるという事です。
ライドスキップをし、相手のリアガードを全力で狙いましょう。
リアガードからリアガードに攻撃、が最初の攻撃です。
ここで相手がガードしてきたら、ヴァンガードでもリアガードを狙います。
もし、ガードしなかった場合、追加の攻撃手段を持っている可能性があります。
ここは読み合いです。相手がガードに時間を掛けたか、それとも直ぐにノーガードの判断をしたか。相手の所作をチェックしましょう。
では、ライドスキップをしない基準とは。
これはとてもシンプルです。相手の攻撃に自分が耐えられない場合です。基準としては、
○相手のトリガーチェックで☆を捲られ、点差が2点以上開いた。
○超トリガーを捲られた。
○リアガードを狙われ、追加の攻撃手段が手札にない。
○相手のトリガーチェックでライドスキップ時に強力なカードが確認出来た。(《翔陽時在フォルド&リバルティス》、《忍竜 テンレイ》、《碧天白鱗 アスプロニア&サフィラ》、《友好の乙女 アルヴィナ》等)
先述した通り、このデッキでライドスキップ時に劇的に効果的なカードはありません。上記のような状況になればすぐにライドしましょう。
そして、『ナイトローゼ』、もしくは『シラヌイ』対面の場合、ライドスキップ合戦は仕掛けない方が賢明です。
この2つのデッキは、ライドスキップ合戦において優秀なカードを採用出来るため、ライドスキップを続けるほど不利になる事が多いです。
そもそもライドスキップで自分が不利になるのは、自分の攻撃回数が、相手の攻撃回数を下回ることが原因です。
必ず相手よりも自分の方が多く攻撃出来ている、という状況で先にライドするのは勿体無いです。この状況を相手が続けてくれるようであれば、続けた方が得です。
・後手
ライドスキップされていない場合、1回目の超越が可能です。
ライドラインの《運命の配り手 ジャクリーン》の効果から。ソウルに入れる最優先は《スチームパフォーマー トゥーゲ》、《フライング・マンティコア》です。
次点で《サーヴァント・ファルクラシア》、《シャワードアプローズ・ドラゴン》です。
手札に加えるカードは、この時手札に無ければ超越コストの《フライング・マンティコア》を優先します。次点で《仮面の奇術師 ハリー》、《紫宝獣 アルメジス》、《キューティー・パラトルーパー》です。
これらのカードは、2回超越時で必要なカードです。余裕があれば先に準備しておきましょう。
特に、《仮面の奇術師 ハリー》はこの時点で持っておきたいカードです。
《道化魔竜 ルナテック・ドラゴン》の効果も合わせて盤面を作っていきます。5枚捲って《スチームパフォーマー トゥーゲ》があれば効果で山札を圧縮します。このターンで出来るだけ山札を圧縮したいです。
ソウルに《フライング・マンティコア》から出す攻撃要因が居る事を必ず確認しましょう。候補は《トゥーゲ》で持ってきた《シャワードアプローズ・ドラゴン》、《サーヴァント・ファルクラシア》です。
攻撃する順番は、ヴァンガード→《フライング・マンティコア》(ブースト込)→残り2回打点が低い順、という順番です。
4ターン目
・先手
初めて超越が出来ます。基本的には後手3ターン目と同じです。とにかくデッキを圧縮し、トリガーを引く事を祈りましょう。
・後手
2回目の超越が可能です。このターンで勝ち切りたいです。しかし、相手のダメージが2点以下の場合、かつ次のターンを迎えられる余裕がありそうなら、《道化魔竜 ルナテック・ドラゴン》に超越します。
《道化魔竜 ルナテック・ドラゴン》の方が、Gゾーンのカードを表に出来る枚数が1枚多い為、次の超越ターンのパワーを一段階高めることが出来ます。しかも1体ソウルからカウンターブラストを使わずに展開出来る為、リソースも温存できます。
5ターン目
・先手
おそらく最終ターンです。先手で6ターン目を迎える手札は無いため、ここで決め切りましょう。
もし、6ターン目があった場合、後手5ターン目とすることは同じです。
・後手
おそらく、手札、山札共にかなり少ないはずです。
残りの山札から超越するかどうかを考えます。
《仮面の奇術師 ハリー》は、超越せずとも攻撃にソウルから1体展開出来る為、《道化魔竜 ルナテック・ドラゴン》よりも攻撃回数は1回多いです。相手の公開領域の守護者を数え、超越するか否かを見極めましょう。
もし、攻撃要因が用意出来、山札にも余裕があるなら迷わずに《仮面の神竜使い ハリー》に超越しましょう。上記の選択肢はあくまでもリソースが無い場合です。
一番強い選択は、攻撃要因が揃っている状態での《仮面の神竜使い ハリー》への超越です。
しかしこのデッキではそれが出来ない場合が多い、という事です。
【マリガン基準】
グレード0、3のユニットカード、守護者は全て戻します。
《絢爛たる光明の宝剣》
確定キープ。アグロ対面では2枚分の手札になります。
《スチームバトラー グングヌラーム》
確定キープ。3枚までキープします。
《時廻竜 クロックワイズ》
確定キープ。2枚ともあればそのままキープします。
《キューティー・パラトルーパー》、《紫宝獣 アルメジス》
後半に引きたいカードの為戻します。最悪、ダメージ落ちしても構いません。
《グレード2ユニット》
ほとんど全てキープします。
手札に4枚以上ある場合は、1枚戻します。
手札に1番残したいカードは《スチームガンナー ティズカール》です。次点で《スチームパフォーマー トゥーゲ》です。
【最後に】
現環境では『ナイトローゼ』、『猩々童子』が最強デッキです。その次の選択肢としては最適なデッキだと考えています。『ハリー』デッキをお使いの方の参考になれれば幸いです。
当サイトに利用しているカード画像等は、カードファイト!! ヴァンガード公式ポータルサイト(http://cf-vanguard.com/) より、ガイドラインに従って転載しております。
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