オーストラリアの高校生は９時に寝る？

　英語の授業中、スモールトークとして、「昨日は何時に寝た？」なんてやり取りを始めたら、２週間のホームステイから帰ってきたばかりの生徒が言い出した、「そういえば、オーストラリアの高校生たちは９時には寝てたな。（たどたどしい英語）」みんな、ビックリ。（ザワザワ⋯マジ？ゲームとかやらないの？（こちらは日本語）
　①「あちらにもゲーム好きはいるんだけど、深夜までやってるような感じじゃなかった。」「そうそう、だから授業中に居眠りしない。日本から来てる私たちは、あちらでも遅くまでSNSやってて、次の日、授業でみんなウトウトして、向こうの生徒に笑われた。」（やだー、ちょー恥ずかしい。）
　②「みんなスマホは持ってるんだけど、私たちみたいにいつも見てない。」（えーっ、なんで～？）
　これは、彼の国の一般的な傾向なのか。あるいは、うちの学校の生徒たちが訪れた都市近郊の町の特殊な例なのか？
　普段、９時に就寝している高校生は、日本ではどのくらいいるだろう。11時、12時辺りが一般的だろうか？深夜１時も驚かれまい。本当ならば、オーストラリアの高校生は、日本に比べ、ずいぶん健全ということだろうか。どちらも高度に発達した先進資本主義の国である。この違いはどこから来るのか？
　③「子どもだけじゃない。親も早く寝てた。」④「そもそも、お父さんが早く帰宅する。５時半とか６時に帰ってきて子どもたちと遊ぶ。奥さんと料理も作ってた。」「そうそう、私んとこもそうだった。」（えーっ、ありえなーい。）そうなのか。日本では、５時半に帰宅する父親なんて聞いたことがないぞ。
　まだ出てくる。⑥「お店も早く閉まる。８時になるとほとんど閉まってた。」（えーっ。田舎？）日本では、コンビニだけではなくスーパーマーケットでさえ深夜営業している。⑦「子どもも夜は外にいないのよね。私たちみたいに、夜、自転車で走ってない。」⑧「テレビもあんまりないのよ。」（テレビがないの？）「違う、違う、番組がつまんないの。バラエティとか全然ない。」（えーっ、マジ？）「だから、遅くまでテレビ観ないのよ。」⑨「バイトもあんまりしてないしね。」だとしたら、どうしてアルバイトする高校生が少ないのだろう。日本より裕福なのか。
　もし本当ならば、日本とオーストラリアで社会のあり様はかなり違うということになる。ここには、何か大切なことが隠れているのではなかろうか。　　
　「みんな、これ、面白そうだから、ちょっと調べてみようか。どうしてこんな違いがあるのか、みんなで考えよう。」（2020年）