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インフラ点検の顧客課題を自分ごととして提案解決する建設コンサルタント|JUST WORKS-ジャストのお仕事紹介-第2回

<前回(第1回)の記事はこちら

こんにちは!
イノベーション・マーケティング部の楠(くすのき)です。

第2回となる今回は、今年度より新設された建設コンサルタント事業部(以下、建コン事業部)のお仕事についてインタビューをしてまいりました!

建コン事業部の前身は土木部であり、基本的には土木部の業務(土木構造物の点検、調査、補修設計等)を引き継いでいます。
 
私が所属しているイノベーション・マーケティング部で「タテログ」という橋梁点検向けのアプリを開発しています。実際に橋梁点検業務を行っている土木部のメンバーへアプリへの意見等を頂戴しており、少しだけ業務に関わることもありました。
 
なぜ土木部から新しく建コン事業部になったのか、また建コン事業部になりどういった業務・サービスを行っているのか、建コン事業部の森田さんにお話を伺ってまいりました。

今回のインタビュー回答者:建設コンサルタント事業部 森田さん

建コン事業部 森田さん。業務内容を図説しながら教えていただきました!

2003年にジャストへ入社された森田さん、20年以上ジャストに在籍されています。
建コン事業部にお話を聞きに行きたいです!と相談したところ、真っ先にお名前が上がったベテランメンバーです。

土木部から建設コンサルタント事業部へ…何が変わった?

楠:今年度から土木部が建コン事業部に変わりましたが、経緯と建設コンサルタントとは何をやっているのか教えてください。

 森田:まず経緯ですが、そのまえに前提となる話をします。
社会インフラは人々の社会生活を支える基盤となる施設や設備のことですが、日本の建設業界では、主に「建築(建物)」、「設備(建築設備、土木設備)」、「土木(道路、橋、トンネル)」に大別されています。ジャストは創設以来、「建築(建物)」や「設備(建築設備)」の検査や調査等を得意としており、「土木(道路、橋、トンネル)」や「設備(土木設備)」についてはあまり経験がありませんでした。

ところが、あるトンネルの事故を契機に、土木インフラの維持管理が社会的課題となりました。この機運を捉えて、今までに培った経験や技術を土木分野にも活用していくことを目的として土木部が発足したのが9年前のことでした。

土木部では橋梁・トンネル・歩道橋点検等の一般的な点検を主に行ないましたが、そこにジャストの強みでもある非破壊技術や分析業務も組み合わせました。

もうひとつの質問、「建設コンサルタントとは何をやっているのか」についてですが、大雑把に言って、日本では、建築物の設計やコンサルティングを手掛けるのが「設計事務所」、土木構造物の設計やコンサルティングを手掛けるのが「建設コンサルタント」と呼ばれて区別されています。「土木構造物の設計事務所」とイメージしてもらうとわかりやすいと思います。

楠:設計事務所と言う事は図面を書いたりするのでしょうか?

森田:図面も書きますがそれはいわゆる川下の業務になり、建設コンサルタントはお客様の要望を聞く計画段階・川上から始まります。これは、建築分野の「設計事務所」でも同じですね。
建コン事業部になり、お客様の課題を理解して自分事として捉え、お客様が専門的過ぎて分からない部分にしっかりフォーカスした課題解決を目指す。
このスタンスは、ジャストの各部署と何ら変わることはありません。


建コン事業部組織図

楠:部署の構成ではインフラ保全部・調査技術部・計画設計部の3つに分かれていますが、それぞれの役割を教えてください。

森田:インフラ保全部は点検に特化したチームです。
調査技術部は非破壊検査などの詳細な調査を行うチームです。
計画設計部がその名の通り設計をするチームで、現在は補修設計…例えば老朽化した橋の耐久性を延ばすための設計を行っています。

楠:そうすると、インフラ保全部や調査技術部で調査した結果をもとに計画設計部が補修設計を行うという流れになるのでしょうか?

森田:そのような流れはゆくゆくあるかもしれませんが、今のところ補修設計を行うための現地でのデータ収集は計画設計部が主体で行ってます。

建コン事業部のフロアの様子

建設コンサルタント事業部の業務内容

楠:建コン事業部の業務内容を教えてください。

森田:橋梁の点検、補修設計業務が多いです。その次が、河川施設の点検や調査です。
土木と建築が混ざった業務もありますよ。一例ですが、直近の案件で、川の水門調査に行きました。
水門は、鉄筋コンクリートでできた大きな門の中に鉄の扉が吊り下げられていて、その上に建築物(操作室)が載っているんですよ。その中に巻き上げ機があり、鉄の扉を上下させることで水量を調整できるようになっています。
この鉄筋コンクリート造の大きな門(土木構造物)と上部の操作室(建築物)をどのように活用するのか・壊すのか等の検討材料にするための調査をしてきました。建築と土木が混ざった案件でした。

楠:入札案件だとくじ引きやジャンケンで勝ったという報告を聞いたことがありますが、実際どのような様子なのでしょうか?

森田:設計単価というものがあり、入札の仕様書で点検内容が分かっているとその設計単価を掛け合わせるので、大体の金額が想定できます。ですので、各社その設計単価で横並びになるとくじ引きになりますね。

維持管理が大変な日本での土木インフラ健康診断の大切さ

楠:建コン事業部は大阪事業所と名古屋事業所にも部署がありますが、土木インフラは地域性や場所によっての特徴など何かあるのでしょうか

森田:さすがに大雪が降るような山間部と平野が広がっている地域では同じと言う事はありませんが、東京・名古屋・大阪の都市圏では大きな差はないと思います。
また日本全体で考えると四季の移り変わりが顕著で災害も多いですね。昨今は、毎年のように大きな災害が発生し、構造物が壊されては直しを繰り返して維持管理が大変ということが共通しています。
ヨーロッパのようにインフラが蓄積していき成熟していくような物ではないですよね。

このような背景から、建コン事業部では、インフラの状態にあわせた適切な維持管理ができるよう、様々な点検・調査手法を用いて、結果をしっかりお伝えできるようにしています。

楠:まさにジャストが掲げている『他にない「構造物の総合病院」』ですね

森田:手術はしない総合病院ですが(笑)

主にコンクリートを相手にしてきた30年

楠:森田さんがジャストに入社した経緯を教えてください。

森田:大手ゼネコンから私の社会人としてのキャリアは始まり、構造設計を最初にやってその後現場管理を行っていました。そこからジャストに入社しようと思ったのは、構造設計をしている時に耐震診断の仕事が入ってきたのですが、耐震診断をやるにあたって、きちんと自分で見た上で耐震改修の設計をしようと思って現場に行きました。それが面白かったんですよね。

また現場管理をしている時に、新築工事において施工が上手にできない場合もあって、その際どのように直すのか・原因は何だったのか検討をするんですが、そういった部分も建物の調査・診断とつながる部分もあり、そこにも面白さを感じました。

そしてとある現場にジャストが入っていて、そのメンバーに調査・診断の話を深掘りして聞くことができ、ジャストに入ることを決めました。

楠:ずっと土木をやっていたわけではないんですね。

森田:大学は建築出身で、社会人の最初の20年は建築・次の10年は土木という区切り方になります。でも一貫してコンクリート・鉄筋・鉄を30年相手にしてきたとしか思っていないです。
私は材料・材質・構造にフォーカスして仕事をしているので、そうすると「構造物は力学の法則や材料の特性に則ってそこに存在している」だけなので、建築・土木では差がないんですよね。
建築の高層ビルや商業施設等は大きく華々しい、土木は地味…そういう観点でみてしまうから、建築と土木を分けて考えてしまうのではないでしょうか。
 
自分は材料から物を設計したり建てたりというのが好きなんです。
学生時代は自分でコンクリートを混ぜて固めて壊して…と言う事をやっていました。

楠:そうするとジャストがすごくあっていたんですね。

森田:はい、良かったと思います。

現場での調査をされている森田さん。

楠:お話を聞いていると、UT等の鉄骨検査のような業務にも興味を持ちそうですが、そちらはやらなかったんですか?

森田:自分ではやったことはないですね。手をひろげすぎると中途半端になってしまうし、自分はコンクリート系で、鉄なら試験検査部にベテランの人が沢山いますから。
3Dが得意な人も調査診断部にいますし、ドローンならイノベーション・マーケティング部の人が得意ですよね。
ジャストのいいところは自分がわからなくても必ず詳しい人がいてくれるところです。
ですから、誰が何を得意なのかを知らないとジャストの中で働くのは大変かもしれません。
あれもこれも自分でやろうとするとパンクしてしまうので、あの人に相談しよう!会いに行ってみよう!と動くのが大事だと思います。

楠:仕事のやりがいや業務の中で楽しかった事を教えてください

森田:与えられた任務・ミッションをコンプリート!という時は達成感があり、無事終わったなと安心します。

楠:逆に大変だった業務やつらかった業務はありますか?

森田:ないですね。覚えてないだけかもしれませんが…、徹夜続きで大変・土日が一か月つぶれたと言う事もなかったです…多分(笑)。
スタートアップ企業みたいに徹夜で案件対応した!終わった!!というような高揚感はないですが、所定の目標に達したと言う事に満足感を感じます。

一人ではできない点検・調査は繋がりを大事に

楠:最後に今後森田さんがジャストで達成したい事・やっていきたい事等あれば教えてください。

森田:今の延長線上で、少しずつ新しい技術を取り入れたり、既にある技術どうしを組み合わせたりしていろいろやってみたいです。それも一人でやるのではなく、なるべく多くの人たちと一緒にやっていきたいと考えています。点検・調査業務は一人ではできないですからね。
あとは青葉区民祭り※のような業務に直接的に関係ないことでもワイワイ楽しくやっていきたいです…誰か音頭とってください(笑)

※青葉区民祭りはジャストの横浜本社がある横浜市青葉区で毎年開催されている地域のお祭りです。2023年の参加の様子は以下の記事でも紹介。

楠:お話を伺っていると、横串での連携や自分のできないことを助けてくれる人がいることへの感謝等、繋がり・関係性を大事に考えていらっしゃるのがすごく伝わってきました。
本日はお時間いただきありがとうございました。


最初にも記載しましたが、インタビューをしたいと建コン事業部の方にご相談した際に「森田さんならジャストのことも建コン事業部のことも全部知っているから、何でも聞いて!」とご紹介いただきました。

お話をさせていただくと森田さんのお人柄もありとても和やかに進行しました。
そんな中で業務へ真摯に向き合う姿勢と仲間への厚い信頼が見え、建コン事業部の仕事は魅力も意義もある素敵な仕事だと感じた時間になりました。
 
改めまして、森田さんありがとうございました!

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