旧国立競技場
※本コラムは、2020/2/22に株式会社ジャストのコーポレートサイトへ投稿されたコラムの再掲となります。
いまだに鮮明に覚えている旧国立競技場でのあるシーン。
中学1年生の時、サッカー部仲間と旧国立競技場で行われるユベントス(イタリア)VSアルヘンチノス・ジュニア(アルゼンチン)の一戦、「トヨタカップ」現在のFIFAクラブワールドカップをビアンコネロ(白と黒:イタリア語)のユニフォームを着用したユベントス目当てに12月の寒い中ワイワイしながら向かった。
近年は常に美しい芝が通年見られるが、当時冬の旧国立競技場は芝が枯れて茶色のフィールドのなか、クラブ世界一決定戦が始まった。
スコア1-1でむかえた後半23分ユベントスのコーナーキックを相手にクリアされ、その浮き球がミシェル・プラティニ(ユベントス)の元へ、その浮き球を胸トラップから相手ディフェンスをリフティングで外し、そのまま左足でダイレクトボレーを放ちゴールネットに突き刺した。【ミシェル・プラティニ:フランス代表、バロンドール3回、日本では「将軍」と呼ばれる】
やっぱり将軍プラティニはスゲーと歓喜したと同時に、
主審「オフサイド!」ゴールは認められない
観客「えーーー!?」
たいがいこの場面では選手が主審に詰め寄り、判定は変わらないと分かっていても激しく抗議ときには乱闘になってしまうところだが、 しかし、将軍プラティニは頬杖をついてピッチに寝そべり、憮然とした表情をしたまましばらくの間動かなかった。
その姿を観ていて当時よくわからないが「とにかくかっこいい」と思った。
ゴールに突き刺した一連のスーパープレーもさることながらこの抗議する姿こそ、何とも形容し難いが、いまだに鮮明に覚えている旧国立競技場でのシーンであった。
近年の微妙な判定シーンは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)が導入されたことにより、試合が完全に中断し、ゴールが何故取消しなのか抗議をしようにもしばらく待たされる、ただただ待たされる、なんとも間延びしたシーンになっていてサッカーファンとしては寂しい。
最後に、新たに建設された国立競技場でこれから繰り広げられる数々の 記憶に残る「とにかくかっこいい」シーンに期待する。
調査診断第一部
青木勇