消防団への入団
私は子供の頃から乗り物好きで、特に鉄道や車、消防車に興味がありました。
車に興味を持ったのは、物心がつく頃に家がクリーニング店だったこともあり、夕方になると父が配達へ行く車に同乗し、ドライブに行くことが楽しみだったからです。
消防車などの緊急車両が好きになったのもその頃です。
私が育った環境は、港北ニュータウンの工事が始まって間もない頃で、まだまだ田園地帯でした。
裏は田んぼで、今ほどエアコンも普及していなかったため、夏になると窓を開けて寝ていると、カエルの大合唱と蚊の攻撃とで、なかなか眠れなかった思い出があります。
家は中原街道沿いにありました。
当時は道も少なく、災害があると必ず家の前を通る消防車などの緊急車両が印象的でした。
夜窓を開けているので、サイレンが聞こえてくると、夜中でも家の2階から通過する緊急車両を見えなくなるまで眺めていました。
高校生になる頃、間もなく車の免許が取れる年齢になり、車の購入を意識するようになりました。
私が通っていた高校の隣には、ヴィンテージカー専門の車屋さんがあり、そこに展示されていた車を眺めては、「卒業したら早く免許を取ってあの車を買おう」と考えていました。
そして私は車を買うためアルバイトをし、お金を貯めて、高校を卒業後には両親の協力を得て念願の車を購入しました。
高校時代の友人も車を購入し、毎晩のようにドライブに出かけました。成人式の際には、中学時代の友人に再会し、車の話題で意気投合しました。
その後、高校時代の友人や中学時代の友人と週末になると集まり、よくドライブに出かけるようになりました。
しかし、時間が経つにつれて友人たちも仕事が忙しくなったり、家庭を持つようになり、徐々に会う機会が減っていきました。
私が本格的に消防車に興味を持ち始めたのはその頃、友人の一人から、お正月に出初め式というイベントがあり、そこには多くの消防車が集まってくるとの情報をもらいました。
それをきっかけに、東京や横浜の出初め式を毎年見学するようになり、消防車の写真を撮り始めました。
横浜の出初め式では、新たに消防車好きの知り合いが年々増えていきました。
その中の一人で、払い下げの古い消防車を集めている方がいて、「今度消防博物館を設立するから手伝いに来てよ」とお声がけいただき、現在も年に数回消防博物館のボランティアスタッフとして活動しています。
設立当初は、千葉県御宿町の山中にある養鶏場跡地(私有地)に博物館はありました。私有地であったため、赤色灯を点灯させサイレンを鳴らし、走行するイベントを行っていました。
この場所は私にとってまさに夢のような場所でした。
現在は、茨城県筑西市にあるザ・ヒロサワ・シティという場所に引っ越し、消防博物館オープンに向けて準備を進めています。
そんな消防車好きの私がベトナムへ出張に行った際、ホテルから現場へ向かう車内で、現地の消防車や救急車を撮影していました。
すると、調査診断部長の青木孝二さんから「青柳くん、消防車好きなの?」と尋ねられ、「青木さんも好きなんですか?」というやり取りがあり、それをきっかけに、青木さんからは時折、海外の消防車などの写真を送っていただくようになりました。
大変嬉しく感謝しています。
その後、青木さんから「会社で避難訓練を行いたいので、計画を立てて実施して欲しい」とのご依頼をいただきました。
内心では「消防車が好きで、避難訓練は興味ないんだよなぁ」と戸惑いもありましたが、青木さんの説得で快く引き受けることにしました。
調査診断部の青木さんと寺田さんの協力を得て計画書を作成し、また避難訓練でのご指導をいただくため、近隣の青葉消防署荏田消防出張所へ青木さんと寺田さんと共に相談に行き、実施する予定でした。
しかし、コロナの影響で延期となりましたが、1年後に消防署員の協力を得て、各部署から数名の参加を募り、火災や避難経路についての説明、非常ベルを実際に鳴らした後に、避難階段(外部階段)を使用して避難階(1階)へ避難し、点呼を行う訓練、最後に訓練用の水消火器を使った消火器取扱い訓練などを実施することができました。
訓練終了後には消防署の方の講評をいただき、充実した避難訓練を行うことができました。
また、多くの知識と経験を得ることができました。
避難訓練が無事終わり、数日が経ったころ、青木さんから今度は「消防団に入団しませんか」とのお誘いを受けました。
その時点では消防博物館でのボランティア活動や自身の趣味の時間が減ることを考えて、断るつもりでした。
しかし、青木さんからは、会社の地域貢献の一環として消防団に入団して欲しいとの意向があり、また、会社が「消防団協力事業所」の認定を受けられるとのことで、最終的には寺田さんと共に入団を決意しました。
入団してみると放水訓練だけでなく、礼式(敬礼の方法や整列の仕方など)、ロープを使用した基本結索(結び方)、エンジンカッターやチェーンソーの取り扱い訓練、救命講習など、覚えることはたくさんあります。
一つ一つが新鮮で、楽しく活動に参加しています。
消防団を通じて近隣町内での指導や訓練を行い、災害に備えるための活動を行っています。
多くの人が参加し、災害時に役立つ知識や経験を共有できるよう、これからも積極的に活動していきたいと考えています。
土木部
青柳 貴彦