元素分析入門
はじめに
こんにちは!
ジャストの調査診断部の伊藤と申します。
化学のことも困ったらジャストへ!!
ジャストでは2022年10月から新たに「環境分野」への取り組みをはじめました。 「環境」というと脱炭素をイメージする人が多いと思いますが、ジャストにおける「環境分野」とは環境調査、環境計量などを指します。 そこでより多くの方へ「環境」の事を知っていただくために「環境と化学」というテーマに当ブログで環境に関する情報を紹介していこうと思います。
3回目の今回は【元素分析入門】と題して、身近なトラブルを解決できる元素分析ついて紹介をします。
元素とは
説明文にしてしまうと難しいですね💦
身近なものでお話すると、生物が生きるために必要な「酸素(元素記号:O)」、骨の中に含まれる「カルシウム(元素記号:Ca)」、金属材料の代表として「鉄(元素記号:Fe)」、「アルミニウム(元素記号:Al)」などが元素となります。
周期表
周期表はメンデレーエフによって提案され、性質の似た元素が並ぶように元素を配列した表となります。学生の頃「水兵リーベぼくの船」といった感じで、周期表を暗記していた方もいると思います。
周期表にあるナトリウム(Na)、カリウム(K)などをアルカリ金属、カルシウム(Ca)などをアルカリ土類金属、フッ素(F)、塩素(Cl)などをハロゲンと言います。
元素の調べ方
元素を調べる方法として、様々な分析装置があり用途によって使い分けます。例えば、液体を分析する際には、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析装置を使う場合があります。
測定原理は花火をイメージするとわかりやすいと思います。花火における鮮やかな色は金属の炎色反応を利用したものとなります。ストロンチウム(Sr)は赤、銅(Cu)は青緑、ナトリウム(Na)は黄、カルシウム(Ca)は橙など、金属は炎をあてると特有の色を発します。ICP発光分光分析ではこの原理を利用し、試料に含まれる金属の含有量を知ることが出来ます。
元素で何がわかる?
例えば以下のような事例を解明できる可能性があります。
本来ないものが存在する(異物調査)
例えば、樹脂の中に異物として金属片が混入していた場合、元素分析で鉄(Fe)などの金属を検出することにより、異物の存在を立証することができます。
どこから来たものか(由来調査)
例えば、水の成分を元素分析し、対象となる水と比較することにより、どこから発生した水か推測することが出来ます。
A排水では鉄(Fe)が高濃度、B排水ではカルシウム(Ca)が高濃度で存在する水があるとします。A排水・B排水どちらの発生源か不明な水を元素分析した結果、鉄(Fe)が高濃度であれば、A排水由来の水であると推測することができます。
金属の腐食
金属の腐食で考えられる要因の一つとしてpHが挙げられます。一般的に金属は、「酸性」に弱い性質があります。さらに、両性元素と言われる、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、鉛(Pb)のような金属は、「アルカリ性」にも弱い性質があります。
pH以外の腐食要因としては、ハロゲン(塩素(Cl)、臭素(Br)など)からの影響によるもの、他金属からの影響(イオン化傾向)によるものなど様々な要因が存在します。これら元素からの影響を調査する際に、元素分析は活躍します。
イオン化傾向とは
イオン化傾向の大きな金属ほど、他元素に電子を与え、自身は電子を失い陽イオンになりやすくなります。つまり、イオン化傾向が小さい元素と共存した場合、より溶けやすい状態となります。
例えば、ボルタ電池では希硫酸の溶液に、亜鉛(Zn)板と銅(Cu)板を浸すことにより、イオン化傾向が大きい亜鉛(Zn)が陽イオンとなり電子を放出、イオン化傾向が小さい銅(Cu)に電子が流れることにより、電流が発生します。
ジャストの取組
ジャストではお客様のニーズに合わせ、現場にて試料採取し、分析ラボにおける精度の高い元素分析、また簡易測定器を用いた現場確認分析も行っています。
お困り事などありましたら気軽に問い合わせください。
おわりに
今回はジャストの新たな取り組みの中から「元素分析入門」について紹介しました。
これ以外にも「環境分野」のメニューは多岐にわたって存在しますので、新たなメニューの紹介も予定していますので、次回以降もお楽しみに!
年明けに観戦したプロレスの試合は迫力があり、大きなエネルギーをもらいましいた。つい購入してしまった憧れのチャンピオンベルト(のキーホルダー)です!