「性行為寸前みたいな氷菓のイラストを描く謎の韓国人」とかいうキモすぎる構文を広めたオタクどもを全員地獄に落としたい
怒りというのは文章に起こすのがとても難しい。感情に任せたままだと支離滅裂な文章にならざるを得ないのに、それが怒りそのものだからだ。だから正当性とか求めないでほしい。これ以上不幸にさせないでほしい。
本当はこういうのってはてな匿名ダイアリーとかに書くべきなんだろうけれど、生憎僕は匿名が嫌いである。
今日、氷菓の絵師が死んだ。
シリーズのファンでもある僕の好きな絵師だった。
そのことについて順を追って説明しなければならないが、生憎今の打ちひしがれた僕にその気力はない。よってその絵師が活動を休止するまでの経緯を、以下のまとめで確認して頂きたい。
まとめにあったツイートの中で、XアカウントとPixivは削除しないと書いてはいたが、ついさっき僕が確認した限りだとどちらも消えてしまっていた。つまり彼女はインターネットから消息を絶ったのだ。
そもそも、氏が7月の時点で一度活動休止にまで追い込まれた理由は、アンチらしき人物の粘着にあるという。2年前からTwitterにずっと誹謗中傷に等しいリプライを送られていたそうだ。
正直言って、これは胸糞にもほどがある事例だが僕らにはどうしようもない。京都アニメーションが放火された時のように、インターネット上にこうした「無敵の人」がいるのはハセカラヒカマニクッキー☆界隈といった日本でもおなじみの連中で有名だし、我々にできるのは天罰が下ることを祈るくらいだからである。それはそれとして、アンチがやれ日本人かどうかだとかネトウヨかどうかだとか本当にしょうもなく非本質的なことでレスバを始めるオタクも本当に気持ち悪いのだが。
だからここで僕が言わねばならないのは、一見善良なツラをした醜悪なオタクが持ち出したこの件のもう一つの功罪「性行為寸前みたいな氷菓のイラストを描く謎の韓国人」というリスペクトの欠片もないウケ狙いでミーム化を狙おうとしている下卑たヘドロみたいな構文についてである。
氏は元より数年前から『氷菓』のファンイラストを中心に描き続け、特に公式からの供給がそうあるわけでもない折木奉太郎×千反田えるのカップリングをこよなく愛していた。自慢じゃないが僕はそれを氏が4桁フォロワーくらいの頃から閲覧していて、作品の一ファンとしてはとてもありがたい存在であった。
そうしたさなか、氏のイラストを形容――いや最早揶揄と呼ぶべきか――するための構文として生まれたのが、「性行為寸前みたいな氷菓のイラストを描く謎の韓国人」という僕がこの世で嫌いな言葉を数えていったら両手分には間違いなく入るくらいの言葉である。
僕はこの言葉が生まれXのトレンドにまで入った当初、怒りとは言わないまでも体温が上がり肌がちくちくするくらいの違和感を覚えていたが、氏の活動休止を知った時それは決定的となった。膨らみすぎた風船が破裂するかのようにいきり立ち、TLを荒らす勢いでブチギレてしまった。氏が活動休止に追い込まれたのは、この構文を使うキモオタどもがアンチの行動を助長したからだろう、と。僕もオタクだが、今この瞬間はミサンドリストにもなれるし、アンディ・ウォーホルを狙撃したヴァレリー・ソラナスの気持ちも分かる気すらした。
それは俯瞰的に見れば実のところ矛先が違うのかもしれないが、それでも怒りを覚えずにはいられないし、誰が何と言おうが絶対に活動休止の一因になっただろうと僕は思っている。
一番許せないのは、ずっと同じ作品のファンアートを描き続ける氏の作品愛を踏み躙るかのように、性的消費しか考えてないような自分が気持ちよくなりたいだけのワードを生み出したことである。長く培い続けてきた作品・キャラクターへの愛を、どうしてこんな薄っぺらい構文で例えられなければならないのか。あまつさえトレンドにまで乗ってしまい拡散されなければならないのか。最早氏が女性なのも相俟ってこんなものインターネットのセクハラではないのか。オタクは有名人には散々言うくせにそもそも自分がネットで他者を傷つけるエクリチュールを広めている自覚はあるのか。
勿論氏ではないので心情は測りかねるが、僕がこんな憂き目にあったら間違いなくお気持ち表明の1つや2つでは済まないし、ややもすれば筆も折りかねない(そして氏は今本当に筆を折ってしまっている)。
嗚呼、僕がどう叫ぼうとも覆水は盆に返らないし氏が活動再開するかどうかは運否天賦でしかないわけだが、とかくオタクは身を弁え3歩下がってクリエイターを大切に扱ってもらいたいのだ。お前らはサプライヤーからの供給を求めているのではないのか? それなのになぜしょうもないことでクリエイターを殺すような真似をするのか、僕には到底理解できないのだ。お前らの使いたいミームはクリエイターを殺してまでしたいことなのか、今一度考えてほしい。
mery氏の傷が癒え、活動を再開させることを切に願っている。
そしたらこの記事は消す。消したい。本当に。