焦りと哀しみの狭間で結婚記念日を迎えた話
先日、夫の療養を兼ねて私の故郷のある南の島に行ってきた。
とは言え外国じゃないよ。九州だよ。
私たち夫婦は2人ともパスポートの期限をとっくに切らしており国内しか行けないのだ。
時間経過バラバラだけどお裾分け。
実は次に住む物件の内見を済ませて来た。
諸々の手続きが多く、引っ越しは当初の予定より少し遅れそうだ。
2月には田舎に住むことになりそうだが、新しい土地での求人はなかなか世知辛い。
手に職のない私はコンビニやスーパーのレジ打ちしか選択肢が無い。
一時期はマニアックな業界の製造業に身を置いていたこともあるが、ほとんど都会の販売員として過ごしてきた。
遊んできたわけではないが、田舎でこんなキラキラした仕事が何の役に立つのか。
野菜や畜産、介護の求人がひしめく中に私はポンっと飛び込めるのだろうか。
まぁ、どうにかなるだろう。
退職して収入源の途切れた夫が頼れない今、私が引っ張るしか無いのだ。
まぁ、まずは副業をするにしても起業をするにしても、新境地で生活に慣れることから始めないといけないだろう。
土地勘も知り合いも何もない地だ。
住む基盤がままならないまま焦っても碌なことはない。
そんなこんなで、まぁ、どうにかなるかな?と思ったのだが羽田空港に着いてからの夫は最悪だった。
2日間連続でパニック発症。
しかも大きな道路でハチャメチャなことになってしまったから夫だけでなく自身の身の危険も感じた。
トラックやら多数の車の通る場所でパニック起こされるのはフォローする立場とて楽ではない。
夫は私より背も高いし体重もある。抱えて道路の脇に行くとかさっさと歩道に移動するとか出来るわけない。
やはり夫はもう東京という都会にはいられなくなってしまったのだ。
田舎に住もう。
夫の精神状態が立て直せるようになるまでは、私が夫を支えることを強く思い直した「良い夫婦の日」だった。
9年目突入、どうなることやら。否、どうにかするしかないのだ。