オムライスの衝撃
小学校の時ぐらいから流行ってた
「プロフィール書いて!」といって
友達に好きなものや心理テストなどの質問が書かれた紙を渡してファイリングしていく雑貨屋さんに売っていた懐かしのアレ。
携帯電話とかの普及やプライバシーの問題で今はそんなのないのかもしれないけど当時私も何種類か持っていて、この前見つけて読み返したらすごく恥ずかしい気持ちと懐かしい気持ちになった。
それをある日、当時高校生の兄の部屋を掃除中のお母さんが見つけたのである。クラスの女の子からわたされたのだろう。私の部屋から勝手に持って行ったにおい付きのペンで汚~い字で書かれた「プロフ」に目を通す。名前、電話番号、生年月日に血液型。好きな子は、いる◎
そして好きな食べ物…オムライス
なんてかわいい息子なのだろう。
喜んだお母さんは、息子の弁当、休みの日のお昼ごはん、何度も何度もオムライスを作り続けた。
そして兄が大阪で就職しお盆に帰省したとき、ここぞとばかりにお母さんは息子があの日、好きと書いたオムライスを出した。
「おれ、オムライスきらい」
衝撃である!!!!!!!!!!!
「お母さんのオムライスびちゃびちゃできらい」
確かに、お母さんのオムライスは味付けが濃くてびちゃびちゃだった。でもそれをお母さんは息子のために学生時代頻繁に作り続けていたし、息子はそれが好きだと思っていた。
衝撃の告白に、お母さんは思わず、中学校の時「プロフィール」に書いてあったことを言ったが、兄はオムライスは好きじゃけど、お母さんのは好きじゃない。と!!!!!!!!!!
ひどい。
そう私も思ったが、「おかあさんも自分で作ったオムライスは嫌い」といいながら大爆笑で衝撃の事実が明らかとなった。
それからお母さんはほとんどオムライスを作らないし、作るときはこの話が必ず出てきて家族みんな大爆笑する。
実をいうと私もお母さんの作る
びちゃびちゃのオムライスは好きではなかった。
でも、小さい頃から夏になると毎日のように家族で行った自由軒のオムライスは毎回食べていたし、きっとお母さんも私がオムライスが好きだと思っていたと思う。
自由軒のオムライスはコショウがしっかり効いていて、とにかく大きかった。半分までケチャップで食べたらソースをかけて食べる。
クレヨンしんちゃんを読みながら待つのが通。
毎日お弁当を作るようになって、オムライスの偉大さに気づいた。月に2度は作ってるかもしれない。冷たいご飯しかなくても、材料がほとんどなくても、寝坊したってあっという間に作れちゃう。
ケチャップでハートを書くけれどふたで押しつぶされて消えてしまう儚い愛情。卵は焦げないように弱火でゆーーーーっくり焼くときれいにつるんとなるよ。
とろとろオムライスもたまに食べたくなるよね。
チキンライスだけで食べることなかなかないよね
料理上手なお母さんだけど、
オムライスは私の方が上手だと言ってくれる。
だけどお母さんみたいに
こんなに強烈な思い出が残るオムライスは
まだ作れそうにない。
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自由軒
084-925-0749
広島県福山市元町6-3
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