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おばあちゃんのおにぎり

うちのおばあちゃんは朝から着物を着て、お化粧も髪の毛もばっちりキメて毎日おじいちゃんが残した呉服屋に立つ。

85歳にしては姿勢も悪くなくて「75歳に見えるよ!」と私が言うととても喜ぶ。私たちからしたら80も70ももう見た目にはわからないから笑うのだけど、おばあちゃんは「も~~~!」と言いながら私の肩を85歳とは思えないパワーでバシバシとたたき、まんざらでもない様子で喜ぶ。

おばあちゃんは新しい物好きで、私たちがiPhoneにしたときから私も同じのが欲しいといい、今ではLINEで絵文字やスタンプを使いこなすほどのギャルとなってしまった…。ケースはラメ入りじゃないと嫌だというし、新機種が出たら替えたいと駄々をこねる。

指はリウマチでまがっていて「不格好だわ。」と嫌がるが、爪にはいつも流行りのニュアンスカラーのピンクやベージュのマニキュアを塗っている。3日に1回はパックをするし、お出かけの時には靴を選ぶのに30分はかかる。そして月に一度は友達と女子会をしているという。この前なんか、女子会で使うから美肌アプリを入れろと言われた。ギャル極まりない。

大好物はDUOMOのピザで、私たちよりたくさん食べるので毎度驚く。デザートは欠かさないし、お酒もたしなむ程度で楽しむ。

おばあちゃんは、いつまでもきれいでかわいくて、抜かりない。無敵の女性だと思う。


そんなおばあちゃんのつくる
おにぎりが私は世界で一番好きな食べ物だ。

つやつや炊き立ての触れないぐらい熱々のご飯を手に取り、ふわっふわににぎったおにぎりは、もう、口の中に入れるものの中で一番ふわふわでおいしい。これには銀座のすし屋もかなわないだろう。

塩だけで握っているのに、だれにもまねできないおいしさなのだ。語彙力が足りなくてこのおいしさを表現できないのが悔しい。

とにかくおいしい。


何度かおばあちゃんのおにぎりを真似しようとチャレンジしてみたのだが、まず米が触れん。熱すぎる!冷ましてしまうともうチャレンジ失敗。

これを話すとおばあちゃんはうれしそうにして一緒にご飯を食べると、私のおにぎりとどっちがおいしいか聞いてくる。いや、そりゃおにぎりなんだけど、パスタとはくらべられないよ…。

お正月には「もう食えん。」というほど食べたのに、おにぎりを握ろうかと立ち上がり、3合ほど握る。もう食えんと腹をさすっても、やっぱりみんな食べてしまうのだ。一度握り始めるとおばあちゃんはおにぎり製造機のようにお米がおひつになくなるまでひたすら握り続ける。だれにも止められない。

かわいい。


最近おばあちゃんからよくLINEが来る。
そろそろDUOMOに行けるようになりますか?(#^.^#)


コロナが収まったら真っ先におばあちゃんを給付金でDUOMOに連れて行ってあげよう。


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ドゥオモ
050-5872-5772
岡山県岡山市北区錦町3-4 山佐ビル 1F
https://tabelog.com/okayama/A3301/A330101/33011042/



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