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開発AIエージェント【第1回】開発体制「なぜアジャイルが必須なのか?──反復プロトタイプで最新技術を取り込み、現場を巻き込む」

はじめに

先日、ある営業担当からこんな声を聞きました。
「また新しいAIフレームワークが出たみたいだけど、半年後には別のが流行ってるんじゃないかって思うと、立ち止まっちゃいます…」
まさにここ数年の生成AIは、技術の移り変わりがものすごいスピードですよね。1年かけて開発したはずが、リリース時にはもう“時代遅れ”になってしまうなんてこと、実際に起こりがちです。
そこで注目されるのがアジャイル開発短いスプリントでプロトタイプを反復しつつ、最新技術現場の声を速やかに取り込む――この進め方が、AIエージェント開発ではとくに有効です。今回の第1回記事では、なぜアジャイルでないと厳しいのか、そして**「反復継続的プロトタイプ」**が必要な理由を中心にお話しします。



1. ウォーターフォールでは間に合わない理由

1-1. 技術の進化が速すぎる

**大規模言語モデル(LLM)**をはじめとするAI技術は、数か月単位でバージョンが更新され、性能や機能が飛躍的に変化します。半年~1年スパンのウォーターフォール開発を進めてしまうと、**完成時点で「古くなっている」**というリスクが極めて高いのです。

1-2. 「枯れていない技術」を使う現実

AIエージェントに使われる技術は、まだまだ成熟度が低く、日々バージョンアップや仕様変更が繰り返されます。ウォーターフォールのように設計をガチッと固めると、**“途中で技術が変わって追従できない”**という状況に陥りがち。設計段階で想定していたフレームワークが、リリース時にはサポート終了…なんて可能性も否定できません。



2. なぜアジャイルが有効なのか

2-1. 反復継続的プロトタイプで早期フィードバック

アジャイルの最大の特徴は、2~4週間ほどの短いスプリントで、**“小さく作っては試す”**を繰り返すこと。

  1. AIモデルを試し

  2. 出力を確認

  3. 次スプリントで改善
    技術アップデートが来たら、「次のサイクルで取り込もう」と速やかに計画を修正。これが激変するAI技術に追随するための鉄則なのです。

2-2. 最新技術のキャッチアップが組み込みやすい

ウォーターフォールで要件凍結すると、新たなモデルやフレームワークが登場しても簡単に取り入れられません。
アジャイルなら、「次スプリントでちょっとPoCしてみよう」と気軽に実験できるため、後れをとらずに先端技術を適用しやすいのが強みです。




3. 現場を巻き込む重要性

3-1. AIエージェントに必要な“業務知識”

AIエージェントを業務に導入する際、現場特有の課題や暗黙知を取り込まないと、机上の空論になりがち。アジャイル体制なら、**プロトタイプを現場に見せる→その場で「ここは違う」「もっとこうして」**と意見をもらう→すぐ反映というサイクルを回せます。

3-2. 早期フィードバックが設計を左右

AIのハルシネーション(でたらめ回答)は、最終段階まで待っていると気付くのが遅くなりがち。ウォーターフォールだとリリース直前までユーザーが触れないので、**「あれ?思ってた精度と違う!」**とギリギリで気付くリスクが高い。反復的にテストすることで、誤りや不整合を早期に発見しやすくなり、結果的に質の高いAIエージェントが作れます。




4. 内製or外注? 体制づくりの大枠を考える

4-1. 内製のメリット・デメリット

  • メリット: 自社業務への深い理解と、仕様のすり合わせがスムーズ。ノウハウが社内にたまりやすい

  • デメリット: AI人材の採用が大変。技術進化に合わせて専門部署レベルの継続体制が要る

4-2. 外注のメリット・デメリット

  • メリット: AIに強いベンダーがアジャイルで開発→短期リリースやベストプラクティスの活用が期待できる

  • デメリット: 仕様変更や追加要望に対する調整コストが発生。ノウハウが社内に蓄積されにくい

いずれも、アジャイル前提で進めることが重要。ウォーターフォール型で外注すると「納品時には技術トレンドが変わっていた…」という事態を招きかねません。




5. まとめ:AIエージェントの開発体制はアジャイルが鉄則

  1. ウォーターフォールのリスク

    • 急激な技術進化や枯れていない技術を扱うため、完成時に古くなる恐れ

  2. アジャイルの有効性

    • 短いスプリントでプロトタイプを反復し、最新技術現場フィードバックを素早く組み込む

  3. 内製or外注

    • どちらを選択しても、アジャイル前提でないと成果が出しにくい

    • 内製はコスト&専門人材確保が大変、外注はノウハウ蓄積が課題

次回の第2回は**「AIエージェントチーム編」**として、具体的な専門家の役割や、内製・外注の使い分けについてより詳しく見ていきます。アジャイル体制を実現するために、どうチームを組むのがベストか――そんなリアルな部分を掘り下げます。お楽しみに!




個別相談会 & 採用情報のご案内

● ジュリオ社 個別相談会(Zoom)

  • URL: https://meet-gpt.youcanbook.me/
    「AIエージェント開発をアジャイルで進めたい」「ウォーターフォールじゃ不安だけど、どう構築すれば?」などの疑問があれば、ぜひジュリオ社の個別相談会をご利用ください。豊富な導入実績をもとに、アジャイル体制でのプロジェクト推進や内製・外注の最適バランスをアドバイスいたします。

● ジュリオ社 採用情報

  • URL: https://www.jurio.jp/
    ジュリオ社では、アジャイルな開発体制でAIエージェントプロジェクトを推進する仲間を募集しています。技術進化が速いからこそ、柔軟にトライ&エラーを重ねながら新しい価値を生み出せる環境が当社の魅力。興味のある方はぜひ採用情報をご覧ください!

アジャイル体制最新技術を迅速に取り込み、現場の声を積極的に反映し続ける――それこそがAIエージェント開発の成功の第一歩。次回は**「AIエージェントチーム編」**で、各専門家の役割やチームづくりのリアルをじっくりご紹介します。ぜひお楽しみに!