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ムーミングッズイラスト 出典紹介⑥
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
筆者は現在リアルライフでちょっとした問題を抱えており、毎日う〜んと頭を悩ませております。
嗚呼、ムーミン谷に住みたい――何度そう思ったことでしょう。せめて気分だけでもムーミンワールドに浸れるよう、今日も豎林檎はせっせとムーミン活動をするのであります(ムーミン活動とは……?)
というわけで、今回はこちらのムーミングッズの絵についてお話ししたいと思います↓↓
「このムーミングッズのイラストの出典は?」
![](https://assets.st-note.com/img/1732541512-8uw1hUJF4r0259zLXygiYNec.png?width=1200)
こちらの画像、2024年カレンダーと書かれていますが、調べたところ、どうやら日本ではなくイギリスの”Flame Tree Publishing”という出版社から発売されたもののようです。
なるほど、どうりで日本ではあまり見かけない長さのカレンダーなワケだ……え、そんなことない?
カレンダーの表紙に描かれているのは、3つの場面。いずれも、ムーミントロールとスノークのおじょうさんのペア。
この画像を送ってくれた方が知りたいのは、一番上の傘をさしている絵の出典ではないでしょうか?
というのも、下の2場面と違い、この絵は原作のムーミン・コミックスにもムーミン童話にも登場しないからです。
では、こちらの絵の出典は何なのか?それは最後にお話しするとして、まずは一番下から、続いて真ん中の絵について、ザックリご紹介します。
原作紹介〜ムーミントロールとスノークのおじょうさん
まず、一番下の絵。こちらは、ムーミン・コミックスの一編「南の島へくりだそう」((英) Moomin on the Riviera)が出典です。
![](https://assets.st-note.com/img/1732541890-CUiQKP3eln9vIafXW86J0Zud.png?width=1200)
「南の島へくりだそう」については過去の記事で書いているので、そちらをご覧ください。
南の島のカジノで一攫千金に成功したスノークのおじょうさん。あり余るお金で念願の水着だけではなく、アクセサリーや日傘も購入し、セレブたちの仲間入りを果たします。気取った様子で歩くガールフレンドを、ムーミントロールは不安げに見つめるのでした。
お次は真ん中の絵。この絵は度々グッズに使われている印象がありますので、目にした方も多いのでは?
こちらはムーミン・コミックスの一編「あこがれの遠い土地」((英) Snorkmaiden Goes Rococo)の最後のコマが出典です。
![](https://assets.st-note.com/img/1732541998-mM0SFRp1I7uQkOt2N4zd35xE.png?width=1200)
最後ということは、この場面についてあまり語ると物語のネタバレになってしまうので……かいつまんでお話しすると、「ロマンスを求め18世紀のムーミン谷を1人冒険するも、最終的には『やっぱりムーミンが一番ね』と気づくスノークのおじょうさんの物語」です。
ムーミントロールをはじめとしたレギュラーメンバーはほとんど出番がなく、珍しくスノークのおじょうさんを単独主役としたお話です。
彼女のファンの方は是非読んでみてください。
「あこがれの遠い土地」は、筑摩書房出版のムーミン・コミックスシリーズの第2巻「あこがれの遠い土地」に収録されています。
英語版なら電子でも読めます。
最後は一番上、問題(?)のこちらの絵。
ムーミントロールとスノークのおじょうさんの相合傘。ラブラブな2人が微笑ましい……と言いたいところですが、雨風が激しそうです。おじょうさんの髪もなびいています。
![](https://assets.st-note.com/img/1732542783-zYgmLdGp129kl4QsyenXPuW8.jpg)
筆者の知る限り、この絵がグッズに使われるのは珍しいと思います……え、そんなことない?(2回目)
この絵の出典は「ムーミン・オペラ」((芬) Muumi Ooppera)のパンフレットです。登場キャラクターの絵と共に演者の名が書かれています。
![](https://assets.st-note.com/img/1732542306-wnAExBeRrTWCijMNzs3JukvX.png?width=1200)
「ムーミン・オペラ」は、1974年制作のオペラ作品です。フィンランド国立オペラ劇場で初演されました。1949年の「ムーミントロールと彗星」((瑞) Mumintrollet och Kometen)、1958年の「舞台袖のトロール」((瑞) Troll i kulisserna)に次ぐ、ムーミン舞台の3作目です。
![](https://assets.st-note.com/img/1732542393-YkoLtNjXQeiC6WmlASBpZ37z.jpg)
画像出典:https://www.moomin.com/sv/blogg/national-operan-mumin-opera-1974/#03084de9
この作品は、ムーミン童話5作目「ムーミン谷の夏まつり」を原作とした「舞台袖のトロール」をオペラ形式にしたものです。ただし、1958年の「舞台袖のトロール」とは違い、ムーミンパパやムーミンママ、スノークのおじょうさんやスナフキンが登場します。
原作者のトーベ・ヤンソン先生自らが台本を手掛け、コスチュームデザイン、ポスターやパンフレットもデザインしています。
パンフレットは、ムーミンママのハンドバッグを模したケースに入っていたとのこと。ほ、欲しい……。
「ムーミントロールと彗星」、「舞台袖のトロール」、「ムーミン・オペラ」――舞台になったムーミンについては、いずれ別の記事で詳しく書きたいと思います。
おわりに
いかがでしたか?こんな感じで、これからもムーミングッズのイラストの出典場面を紹介していきたいと思っています。
それでは、次の記事でまたお会いしましょう。
参考文献・Webサイト:
“Muumi-ooppera 7.12.1974” Encore. https://encore.opera.fi/sv/production/20031035, (参照2024-11-25) .
“Nationaloperan – Mumin opera 1974”. Mumin. 2016-07-12. https://www.moomin.com/sv/blogg/national-operan-mumin-opera-1974/#03084de9, (参照2024-11-25) .
横川浩子、内山さつき、冨原眞弓. ムーミン展THE ART AND THE STORY. 朝日新聞社, 2019, 311p.