見出し画像

この世とあの世の「ラブ・レター」

音楽座見終わって早3日。まだ感想がまとまらないのです。
土曜日のあと、2階席と最前列で観劇したわけですが、
2階席(草月ホールの2階席は1列のみ)で、身を乗り出してみて、
 
なんじゃ!この舞台の世界!
 
1階で見ていると照明が床に作る世界が分かりにくいのですが、
2階でみると、ものすごい事になってた(笑)
 
常に舞台の奥の方には複数の「パッセンジャー(アンサンブル)」がたたずんでいるのだけれど、時にはすれ違う人達に見えるし、見えそうで見えない「霊」にも感じてはいた。
ところが!2階から見ると明らかにパッセンジャーのいる場所は「霊界」なんだわ。照明でしっかり区切られている!
オープニングでの「神父さん」見たいなパッセンジャーも、去り際にはじっとこの世を見守っていて、「これ神様?いえ、前オーナー?」って思わせてしまう。
常にこの世とあの世が存在していて、分離しているけど、時に重なるみたいな。

そんな世界。
 
なんだかんだあって(←おおざっぱやな)吾郎さんが白蘭の骨箱をもって、「佐竹事務所」を出る時には、光の道を歩いて出ていくことで、吾郎の心理を表現しているし。
 
すごっ!
 
あ、開演前のステージ、美術館のセットなんだけど、展示品の「黒猫」と「つがいの鶴」当たる照明は他より明るかった。絶対意味があるよね。
 
なんだか、さりげなく、その世界の中に一杯、宝物を忍ばせている舞台なんだよねえ、やっぱり音楽座は。
 
そうそう
舞台の演出で、前オーナーが作った作品を思い出させるシーンがいくつかあったように思う。35周年だし。

前回の「ラブ・レター」は前オーナーから現オーナーへの「ラブ・レター」で、今回は現オーナーから前オーナーへの「ラブ・レター」
この世とあの世と別れていても強く繋がっているんだよね、吾郎と白蘭もそうだったように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?