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【怪談】返事

Mさん30代女性から聞いたお話。


すみません、短いですし起伏のない話です。


Mさんは市内で一番大きな病院に勤めている。

その病院の更衣室は地下にあり、各病棟から本棟へ移動しそこからエレベーターで地下へ下った先にある。

Mさんは残業が多い病棟のため、更衣室に行くともう他の人がほとんど帰った後ということが多かったそうだ。


その日もそうだった。

更衣室は省エネのために人が居ないときは入り口にある電源スイッチを切り、真っ暗にしている。

Mさんは残業でくたくたになりながら更衣室へ向かい、入り口にある電源スイッチをONにして更衣室内に明かりを点け、中に入り着替えて帰り支度をした。

そこの病院では決まりがあって、自分が最後に更衣室から出るときは更衣室内に声をかける。ロッカーの陰や死角に人がいないかの確認のため、「誰かいませんかー。」と呼びかけ、返事がなければ部屋を出て電源スイッチを切る。


Mさんは支度が終わり、部屋の出口に立つとその呼びかけをした。

正直、人の気配どころか物音ひとつなかったので他の人がいないのは明白だったが、一応きまりなので「誰かいませんかー」と声をかけた。


すると中から女の人の声で「はぁ~い」と聞こえた。


Mさんは「えっ」と驚いた。

全然気配がなかったし、軽く見回したときも誰もいなかった。まさかどこかに人がいたとは。静かすぎだろ、不気味だよ。

ていうか、いるなら電気点けとけよ。


…ん?

そうだ、私が来るまで部屋は真っ暗だった。

その人は私がくるまで暗闇の中で何をしてたんだ。

そんな人がいるのか。


Mさんは恐る恐るもう一度声をかけた。


「誰かいますかー!」


返事はなかった。

Mさんはすぐに電源スイッチを切るとダッシュでエレベーターに向かいボタンを連打してすぐに外へ出た。



……

この話を聞かせていただいた時は、正直、空調とかなんかの音じゃないかと思っていましたが、後日Mさんが同僚と食事をしたら怪談が結構出てきたそうだ。この更衣室の返事もそのひとつであった為、どうやらMさんの勘違いでは無いようだ。

この病院に関する他の怪談もあるので、また機会があれば筆を執らせて貰おうと思う。

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