その男 俳優につき #01 -俳優になるべく生まれてきた人には、いびつな情熱がある-
- 連載ポートフォリオ ”その男〜につき” #01 -
その男は饒舌だった。
はじめて会ったカフェ、ベローチェで、自分が役者になろうとおもった経緯を息つく暇もなくしゃべってくる。
しかも、声が大きい。絶対的にボリューム調節機能は壊れている。
店内で素知らぬ顔でコーヒーを飲む客も、興味深くボクらの会話に聞き耳を立てているのがわかる。本人だけが気づいていない。(↓つづく)
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