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ロシアのオレオレ詐欺

けしからん輩はどこにでもいるもので、ロシアにもいろいろな電話詐欺がある。だから知らない電話番号は取らない。発信者をある程度特定し「この電話番号は詐欺かも!」と警告してくれるアプリがあるので助かっている。

騙されるかどうかは別として、約8割の国民がこの種の電話詐欺を受けており、深刻な問題となっている。ロシア内務省の試算によると、被害総額は一千億ルーブル(約1620億円)を超えるようだ。ウクライナ、ポーランド、カザフスタン、タジキスタン、ベラルーシなど国外からロシアの番号を装って掛けてくるらしい。日本同様、高齢者は犠牲になりやすい。

伝統的な手口は変形オレオレ詐欺。親族が交通事故に遭った、重要な犯罪を犯したなどと伝え精神的ショックを与えた後、お金を払えば釈放してやると持ちかける。ロシア混迷期の名残で、警察が賄賂を要求することも有りうるかと思ってしまう高齢者をターゲットにしたやり口だ。

一時期流行った、「私オリガだけど、出先で大変な目に遭っちゃって…お金が足りなくて電話が掛けられないの。後で説明するから取り敢えずこの電話番号に100ルーブルでもいいから入金して」とSMSを送る手段も今だ健在だ。ロシア人の名前はあまりバリエーションがないので、受け取った方はあの「オリガ」かな、まあ困っている時はお互いさまだと送金する。少額だが、塵も積もれば山となる。

銀行のセキュリティーサービスを装った電話もある。大金が今引き落とされようとしているけど本当にアナタですか?というものだ。そして慌てた預金者が否定すると、至急対処するので暗証番号を教えて下さいと畳み掛ける。

これは私にも経験がある。ロシア国営のズベルバンクを名乗る男から電話があり、大変なことになっていますよ!と。でも私は国民の約8割が利用するズベルバンクに口座を持っていない。おまけに銀行なのに、私の本名ではなく、宅配やインターネットショップを利用する際に適当につけたなんちゃってロシア名で一生懸命呼び掛けてくる。ネットで顧客名簿を買ったことがバレバレで失笑してしまった。

他にもたくさん手口はあるが、法の目を掻い潜り、手を変え品を変えやってくるのでここでは書ききれない。

ところで、何故こんなことを思い出したかというと、今回の大統領選挙を妨害し検挙された人の中に、ウクライナ発信の電話詐欺に遭い大金を失い、協力してくれたらチャラにしてもいいと言われ実行に及んだ人がいるから。みなさんも重々お気をつけ下さい。

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