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〈2〉日向坂46 5thシングルのセンターを予想する

前回のnoteではデビューシングル「キュン」から最新曲「アザトカワイイ」まで日向坂46のフォーメーションの変遷を振り返った。日向坂46のフォーメーションは、けやき坂46時代の基本路線を踏襲し、フロントをエース級のメンバーで固めて盤石の体制を作る一方、二期生を中心に頭角を現したメンバーをローテーション的に抜擢するなど、バランス型の起用法で成功を収めてきたと言える。歌割り・振り付けもふくめ、わりとみんな平等に見せ場を用意してくれていて、箱推しの僕もおおいに納得の采配であった。

しかし、日向坂46にとって、5thシングル(仮)※はひとつの「転換点」になりそうだ。乃木坂46は4thシングル「制服のマネキン」で独自路線の打ち出しに成功、5thシングル「君の名は希望」で紅白歌合戦初出場を果たし、6thシングル「ガールズルール」の白石麻衣センター誕生を以て、グループとしての立ち位置を確立したし、欅坂46(現・櫻坂46)もまた4thシングル「不協和音」でその人気と世界観を確かなものにしている。先人たちと同じ人気グループへの道を進むならば、次の5thシングル(仮)から7thシングルの期間がこれからの数年間を決定づけるターニングポイントになるはずだ。1stアルバム「ひなたざか」ではセンターに佐々木美玲が復帰したことは、日向坂46の「第二章」幕開けの予告のようでもあった。

と、少々大げさな書き出しになってしまったが、ここから先はすべて僕の妄想だ。願望を並べるだけなら罪ではないだろう。まわりに日向坂のことを語れる相手がいないので、ここに独り言として言いたいことをまとめることにした(いつもそうだが)。過去のフォーメーションの傾向を念頭に置きつつ、5thシングル(仮)がセンターとフォーメーションがどのようになるのかを考えていきたいと思う。

※ (仮)としたのは、次の楽曲が配信シングル限定等のリリース方法をとり、正式なナンバリングを付与されない可能性があるからである。

バランス型の小坂菜緒、リーダー型の佐々木美玲

まず、5thシングル(仮)のセンター予想に入る前に、前回のnoteで触れられなかった「歴代センター」の振り返りをしたい。グループアイドルに於いてセンターは楽曲の世界観、ひいてはグループ全体のイメージを牽引する重要なポジションだ。楽曲のプロモーション期間中は各種イベントや歌番組、雑誌のインタビュー等で引っ張りだこで、名実ともに「グループの顔」として売り出されることになる。しかし、日向坂46に改名以降、表題曲のセンターを務めたのは小坂菜緒と佐々木美玲のふたりのみ。けやき坂46時代も含めると、加藤史帆と齊藤京子も全体曲のセンター経験者になるが、日向坂46名義の曲での起用は未だにない。

1stシングル「キュン」から4thシングル「ソンナコトナイヨ」まで4作連続でセンターを務めた小坂菜緒は、バランス力に優れたパフォーマーだ。センターとしてみんなの前に立って歌い踊る以上、すべてに於いて平均点以上の実力をもっている必要がある。さらにグループを代表してテレビ番組や各メディアで受け答えをする機会も多いので、おしゃべりもできないといけない。そういう意味では、小坂菜緒は完ぺきな人材だと思う。「キュン」や「ドレミソラシド」のように明るくエネルギー全開の歌では現役高校生らしくみずみずしいパフォーマンスを披露する一方、「こんなに好きになっちゃっていいの?」や「青春の馬」では、切なくも力強い表情をつくることができる。カメラに抜かれたときの表情ひとつとっても非常にバリエーション豊かだ。また、最近の「ひなリハ」動画を見ても分かる通り、彼女のダンスにはクセがない。前に出ればいちばんの輝きを放つことができるし、すこし後ろに下がればまわりのメンバーを目立たせることもできる。彼女は自分のカラーでまわりを染めるよりも、楽曲の世界観を吸収して、変幻自在にすがたを変えるのが得意のようだ。その良い意味での謙虚さや控えめな輝き方は、バラエティ番組で見せる彼女の魅力的な内面にも通ずるものがあるように思う。

続いて1stアルバム「ひなたざか」のリード曲「アザトカワイイ」でセンターに復帰した佐々木美玲について考えてみよう。彼女はけやき坂46時代にアルバム曲「期待していない自分」や「イマニミテイロ」ですでにセンターの経験がある。これらの楽曲は、欅坂46の反抗的かつ少年的な世界観の影響を強く受けており、儚くもクールな表情をつくれる佐々木美玲のパフォーマンスがぴったりハマっていた。20人のメンバーを引き連れてステージの真ん中に立ったときの堂々たる風格と迫力はさすがというほかない。また、最新曲「アザトカワイイ」は打って変わって「女の子らしさ」を全面に押し出したキュートでポップな楽曲だが、佐々木美玲はこちらでも世界観を完ぺきに体現したパフォーマンスを披露している。その引き出しの多さと器用さは、やはりグループでもトップクラスと言えよう。

しかし、佐々木美玲のセンターは小坂菜緒のそれとは対照的である。小坂菜緒のセンターは彼女が真ん中に立つことで偏りを修正し、全体のバランスを「調和」するタイプである一方、佐々木美玲のセンターは、彼女が真ん中に立ち、勢いよく全体を「牽引」するタイプだ。歌声は力強く全員の歌唱のなかでも埋没することがなく、その長い手足を生かしたダンスはダイナミックだ。中央に立つと非常に見栄えが良い。メンバー全員もまた彼女のもつ弾けるようなエネルギーに引っ張られ、小坂菜緒センターとはちがったパフォーマンスを見せてくれる。小坂菜緒が全員の個性を調律しながら(あるいは「ドレミソラシド」冒頭に於ける指揮者のように他のメンバーを指揮しながら)楽曲のイメージを成形していくのとは、まったく異なるアプローチだと言えよう。僕はどちらも正解であり、彼女たちなりに導き出した表現方法なのだと思う。

「CDTVライブ!ライブ!クリスマスSP」のカバーフォーメーションから考える

テーマを5thシングル(仮)のフォーメーションに戻そう。妄想をすすめる上で良いヒントになるのが、昨年末放送の「CDTVライブ!ライブ!クリスマスSP」で披露された乃木坂46と日向坂46によるスペシャルコラボのカバーフォーメーションである。メドレー形式で披露された全10曲のうち、日向坂46が登場したのは「ガールズルール」「サヨナラの意味」「シンクロニシティ」の3曲で、センターはそれぞれ加藤史帆、金村美玖、小坂菜緒が務めている。誰がどういう基準で決めたのかはまったくもって謎(テレビ映えを意識しているのは確か)だが、なかなか興味深く研究しがいのあるフォーメーションなのだ。基本的にはセンター経験者でフロントを構成し、これまでのシングル表題曲のフォーメーションを踏襲した形になっているものの、最新曲「アザトカワイイ」とは違ったアプローチで日向坂46のカラーを模索しているように見える。要するに、ここに次のシングルへのヒントが隠されているのではないかということだ。さっそく中身を見ていこう。

「ガールズルール」
佐々木(久)、 渡邉、上村、東村、富田
丹生、金村、小坂、河田
齊藤、加藤、佐々木(美)
※原曲センター:白石麻衣

「ガールズルール」には「ハッピーオーラ」でセンターを務めた加藤史帆を起用。夏らしいみずみずしさにあふれる楽曲の世界観にハマっている。ザ・アイドル的なスマイルをやらせたら右に出る者はいない齊藤京子&佐々木美玲のシンメも見逃せない。ここで佐々木美玲や丹生明里をセンターに据えるのも面白そうだけど、ビジュアル面で白石麻衣のイメージに重ねるなら、やはり加藤史帆になるのだろう。フロント経験者+αという少数精鋭のフォーメーションになっている。「かとしセンター」の表題曲があるとしたら、十分にあり得る組み合わせだ。

「サヨナラの意味」
髙橋、影山、山口、東村、上村、丹生、高瀬、森本、潮
濱岸、渡邉、佐々木(久)、高本、河田、富田
齊藤、佐々木(美)、金村、小坂、加藤
※原曲センター:橋本奈々未

おひさまをざわつかせたのが「サヨナラの意味」の金村美玖センター抜擢である。今回のカバーフォーメーションの中でも唯一全体曲でのセンター経験がないメンバーであることに加え、この曲で乃木坂46を卒業した橋本奈々未のイメージとの類似性を指摘する声が多かった。また、フォーメーションも、次のシングルの予告だと言われても違和感がないほどに各メンバーのメディア露出度や勢いを反映した内容になっている。自粛期間以降覚醒している高本彩花、バラエティ番組で活躍中のキャプテン・佐々木久美が二列目中央に入るのは、次のシングルでも十分可能性のある話だと思う。この組み合わせだと丹生明里、潮紗理菜、東村芽依が後ろに下がってしまうが、「こんなに好きになっちゃっていいの?」で「ドレミソラシド」フロント抜擢メンバーが3列目中央にまわった実績もあるので、これぐらいの移動があっても違和感はない。

「シンクロニシティ」
高瀬、森本、髙橋、上村、影山、山口
濱岸、丹生、齊藤、佐々木(美)、加藤、河田、高本
佐々木(久)、富田、金村、小坂、渡邉、東村、潮
※原曲センター:白石麻衣

こちらは小坂菜緒がセンターを担当。乃木坂46との合同パフォーマンス(画面分割で同時に登場)は、この楽曲の持つエネルギーも相まってなかなか壮観だった。小坂菜緒がソロショットで抜かれたときの鋭い目つきはゾクッとするほど美しく、一回きりのパフォーマンスで終わってしまうのが本当に惜しい内容だったと思う。こちらのフォーメーションは「サヨナラの意味」で3列目に下がっていたメンバーをむしろ一列目に上げている。じっさいの放送内容を確認すればわかるのだが、この楽曲は一列目が目立ちやすいカメラ割になっていた。キャプテン&潮紗理菜、富田鈴花&東村芽依のシンメを見るに、手足を大きく使い、ダイナミックに踊るメンバーが前に集められているように思う。さらに金村美玖&渡邉美穂のふたりがシンメを組んでいることにも注目したい。「としきょん」が二列目中央に回っているが、不可能ではないフォーメーションだ。これも5thシングルでも全然問題ない布陣である。うーん、悩ましい。

このように「ガールズルール」「サヨナラの意味」「シンクロニシティ」の3つを並べてみると、やはりこれまでシングルで実践してこなかったフォーメーションが気になってくる。ファンのあいだでもセンターを望む声が多い加藤史帆や金村美玖は急造ながらも美しいパフォーマンスで強烈なインパクトを残したし、「シンクロニシティ」で金村美玖とシンメを組んだ渡邉美穂が、表題曲でフロントに立つ可能性も十分にあると思う。最近「日向坂で会いましょう」の高本彩花が表題曲でも全面に押し出されたら盛り上がりそうだ。以上に挙げたポイントをすべて採用してくれたら、もう僕としては言うことがない。だんだん僕の中の「理想の5thシングル」が固まってきた。

次のセンターを予想する

これまで歴代表題曲のフォーメーションの変遷、小坂菜緒と佐々木美玲のパフォーマンスの特色、そして「CDTVライブ!ライブ!クリスマスSP」のカバーフォーメーションから、5thシングル(仮)のヒントを探ってきた。僕の中では「理想の5thシングル」があるのだけど、それだけではなく、現実的にどういう選択肢があるのかも含めて考えてみたい。

まず、センターについて。僕は、佐々木美玲が1stアルバムリード曲「アザトカワイイ」に続いて起用される可能性も十分にあると思っている。ファン以外の視聴者の目にふれる年末年始の歌番組では「アザトカワイイ」のセンターとしてフル稼働したし、元旦の「格付けチェック」でも加藤史帆と小坂菜緒を引き連れて出演するなど、あいかわらずバラエティ番組等での出番も多い。なによりセンターとしての華は抜群なので、一回限りで交代してしまうのは少々もったいない。「キュン」以降の楽曲の路線を踏襲するのであれば、小坂菜緒につづく日向坂46の顔として彼女が前面に出てくるのはとてもいいことだと思う。

一方、1月20日にソロ写真集「とっておきの恋人」が発売され、プロモーションで毎日のようにゴールデンタイムの番組に出演している齊藤京子が、そのままの流れでセンターになるのも面白い。昨年末の「ひなくり2020~おばけホテルと22人のサンタクロース~」ではトップバッターとして「No War in the Future」のパフォーマンスをリードしていた。歌もダンスもグループトップクラスであり、ファン人気も高いので、そろそろ前面に押し出されてもおかしくない。新規ホイホイとして数多くのオタクを日向坂46の沼に引きずり込んだ実績もある(以前noteでも書いたけど僕もそのうちのひとり)。「第二章」のスターターにふさわしいメンバーと言えるだろう。

個人的に彼女と同じぐらいオッズが高いと思っているのが加藤史帆だ。年始特番「逃走中」をはじめ、外仕事のエースとしてフル回転の活躍を見せている。クールな見た目とへにょへにょ喋りのギャップがファン以外の人たちにどう受容されるのかは気になるところ(誤解されやすそうだし、好みはわかれるかも…)だけど、彼女の愛らしいキャラクターがお茶の間に浸透してくれたら、ファンとしてこれ以上嬉しいことはない。パフォーマンスもレベルが高く、「CDTVライブ!ライブ!クリスマスSP」の「ガールズルール」は、良い意味で「かとしセンター」の曲になっていた。5thシングル(仮)のリリースはタイミング的に春~初夏になりそうだが、この季節を意識した楽曲が表題曲に採用されるならば、彼女の雰囲気はぴったりハマりそうである。

また、次にセンターを選ぶなら「としきょん」のダブルセンターが良いというファンの声をよく聞く。たしかにデビューからペアでフロントを張り続けてきたふたりを中心に置き、これまで二列目に待機していた二期生の人気メンバー(たとえば渡邉美穂や松田好花)をフロントに抜擢するのは、結構面白そうだ。だけど、僕はあえてそういう起用はしないのではないか予想している。もちろん根拠はない。直感である。ただ「僕だったら」その選択肢はもう少しあとに取っておくと思う。たとえばグループのイメージをガラリと変えるクール系の楽曲をリリースするとなったとき、失敗の許されない挑戦を任せるなら「としきょん」のダブルセンターしかないのではないか。そろそろ妄想が迷子になりそうなのでここでやめるけど、むしろ次のシングルあたりでシンメを崩してくるのではないかという予感すらある。じっさい「としきょん」でワンセット感のあったふたりのうち、齊藤京子が先駆けて写真集を売り出している。だったらこのまま先述のように齊藤京子をセンターに抜擢するか、あるいはバランスを取ってシンメの片割れである加藤史帆を表題曲の顔に選ぶのではないだろうか。

以上のように考えると、やはり次のセンターは齊藤京子か加藤史帆で見たみたくなる。どちらが先になるかどうかはともかく、5thシングル~6thシングルでふたりをセンターに起用するのは十分にあり得る話ではないかと思う。そして、アイドルのキャリアという観点で見ても、しばらくは一期生センターのパターンが続くという予測は立てられる。齊藤京子、加藤史帆、佐々木美玲の3人でしばらくローテーションを組んでセンターをまわすのが、僕にとっての理想形だ。彼女たちだったらどんな曲でも日向坂らしく、キュートかつパワフルに魅せてくるだろう。

金村美玖と渡邉美穂

「3年目のデビュー」で金村美玖センターの「青春の馬」に衝撃を受けた僕としては、彼女のセンター抜擢もすこし期待している。特にクールで儚いタイプの曲に彼女を起用したら、とんでもない跳ね方をするんじゃないかと思う。「bis」レギュラーモデル就任や冠ラジオ「日向坂46の余計な事までやりましょう」、ゴールデンタイム初単独出演の「プレバト」での活躍などを見ていると、これからもどんどんファンが増えそうだ。ただ「サヨナラの意味」の放送数日前からなにも手につかなないほど緊張していた…なんて話を聞くと、いきなりセンターに抜擢されるとかえって負担に感じてしまいそう(いちファンが余計な事を言うなという話だが)だし、もうすこしじっくり時間を掛け、万全の準備が整ってからの起用でも遅くはないだろう。彼女は絶対将来スターになる人だと思うので、あせらず自分なりのペースで進んでほしいと切に願っている。

他方、もしかしたら金村美玖よりはやくセンターに行きそうなのが渡邉美穂だ。もともとけやき坂46時代から二期生のエース格だった上に、丹生明里と並んでバラエティ番組単独出演の経験が多く、日経エンタテインメントの連載も持っていたりする。なぜフロントメンバーになれないのか不思議なぐらいだったが、年始の「日向坂で会いましょう」占い企画で「2021年の運勢一位」と発表されていた。おそらくはことしは運営が直々に推しますよ、という宣言なのだろう。わざわざ野暮なことを言う必要もないけど、けやき坂46時代にグループ初のソロ写真集を出しながら、なかなか壁を打ち破れずにいた彼女が「日向坂46 第二章」ブレイクスルーを果たす…なんて筋書きはいかにもドラマチックだ。このまま「Documentary of 日向坂46」が撮れそうである。だからことし中にサプライズ起用があるとしたら、僕は渡邉美穂のセンター起用ではないかと予想する。すくなくともフロント昇格ぐらいはどこかであるだろう。

僕の2021年の予想

Love Me Doを見習ってフルスイングの予想をしてしまったので、外したときは目も当てられないことになりそうだが、とりあえず僕がこれまで妄想してきた内容をまとめてみた。あまりに大振りしたら恥ずかしくて記事ごと消すかもしれない。いずれにせよ近いうちに答え合わせはできるはずだ。僕に未来は「見える」のだろうか。

① 5thシングル~6thシングルは加藤史帆と齊藤京子がセンター

② しばらくは一期生センターが続く

③ 渡邉美穂がフロントにくる(大穴でセンター抜擢)

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