2018年に行った絵の練習まとめ
フリーランスのイラストレーター、じゅーぱちです!
はじめての方は、はじめまして。
突然ですが、2018年に行った練習内容をまとめてみることにしました。
ちなみに、こんなイラストを描いています。▼▼
-目次-
【最初に】この記事の意図と色々な練習をした理由
▼何故その練習をしたかが大切
▼練習量を増やしたのは、昨年感じた技量不足
【練習.1】ポーズ集の模写と人体の理解
▼左右反転させて書く事によって、理解を深める
▼最初のうちは短い時間のドローイングで終わらせない
▼実物を見ながら描く事は立体感をより理解しやすくなる
▼分からないところはデッサンの技能書や解剖学などの本で調べる
▼まずはヌードやヌードに近いポーズ集を選ぶ
▼(おまけ)続けるコツなど
【練習2】自分が普段描かなさそうなキャラクターの模写
▼描ける物を増やす為の資料にもなる
▼人のキャラクターを模写することにより自分のキャラのバランスを再確認できる
【練習3】構図の勉強と優れたイラストの分解
▼スポーツでも走ってばかりじゃ試合で活躍できない
▼本を読んだだけでは理解は難しい
▼良いと思ったイラストを分解して、言語化する
【練習4】ファッションカタログ等を自分のタッチで模写練習
▼ヌードポーズ集の模写だけでは作品の総合的なクオリティはあがらない
▼自分の頭身や表情を意識して、「自分ならこの写真をどう表現する」かを意識する
▼まず写真で理解し、憧れているイラストレーターさんならどう省略するかを考えながら模写する
▼作品を意識したレベルの模写をする
▼達成感を感じやすいやり方にする
▼ポートフォリオにも資料にもなる
▼キャラクター制作の参考資料にもなる
【練習5】自分だけの虎の巻の作成
【来年の目標】もっと感情を表現できるようになりたい
▼上手い人は確実に質も量も、もっともっとやっている
▼基礎を継続する習慣はできた 次は長所を伸ばす
▼来年はアウトプットをどんどん増やす
【最後に】
【最初に】この記事の意図と色々な練習をした理由
▼何故その練習をしたかが大切
Twitterでほぼ毎日「自分のタッチで模写練習」と言うタイトルで投稿しているのですが、「どのくらい時間がかかったんですか?」など質問を頂くこともあり、他のイラストレーターの練習方法に興味を持っている人もいらっしゃるので、これから絵を練習していこうと言う方の参考になったり、私のことを知ってもらえるきっかけになればいいなと思ったことが記事を書くきっかけとなりました。
人体の描き方やテクニックなどは、たくさんの技能書が世の中に出ています。
まだまだ勉強中ですし、私自身も走りながら学んでいるので、ここでは技術的な事には触れず、「なぜその練習をしたか」「何を向上させる為に何に注意したか」を書いています。
▼練習量を増やしたのは、昨年感じた技量不足
昨年から練習量を大幅に増やしました。
理由ははっきりしていて昨年イラスト仕事をさせて頂いた上で感じた自身の技量不足です。
技量不足と言っても内容は様々ですが、
・体のバランスを修正することに時間がかかり時間に追われる
・描けるイメージの少なさによるパターンのマンネリ化
・時間に追われる事によるクオリティの低下
・自分のできるイメージ、得意なイメージしか提示できない
これらが昨年感じた主な課題でした。
一昨年は仕事による実践こそが成長に繋がると感じていたのですが、ご依頼の内容があがるにつれて感じる基礎不足、実力不足。
フリーランスになるとどうしても集客やその他のことにも手を取られる事が多いので、一つ一つクオリティを上げていこうと思ってもなかなか時間が取れない。
なので、まずはクオリティをあげるよりも今のクオリティでもっと早く描けるようになることを目標としました。
そうしたら練習にも、もっと時間がさけるので。
【練習.1】ポーズ集の模写と人体の理解
まず、はじめたのが写真の模写です。
ここでの目的は、正確に体のバランスを取るのをより早くできるようにする事です。
まずは1ページに1ポーズ大きく掲載されているポーズ集を模写し、次に1つのポーズで様々なアングルが載っているポーズ集を模写しました。
まずは、大きな写真を模写して慣れる事、じっくり人体を理解することを重視し、その後アオリ・俯瞰など様々な角度からもっと描けるようにとハードルをあげていきました。
色々と練習方法を試していくうちにやり方や注意した点も都度変わっていきましたが、個人的に有効だったと感じた練習方法を掲載していきます。
▼左右反転させて書く事によって、理解を深める
疲れている時とか、そのまま書き写してしまっているだけになっているなーと感じていることが多々ありました。
そういった事を防ぐために、一度そのままの方向で描いた後に左右反転してもう一度描くと言うことなどを行いました。
それにより、さらに頭を使って構造を意識して描けると考えたからです。
▼最初のうちは短い時間のドローイングで終わらせない
練習方法を調べていると、30秒ドローイングのような物もありましたが、現時点での自分の人体の理解度で、短い時間で描いた絵をそのまま描きっぱなしにするのは、どうしても答え合せをしない受験勉強のような物に思えてしまいました。
なので、1分で青鉛筆でドローイングして、3分で赤色の色鉛筆で形を整えて、3分で黒で描き線を決める。と言った練習方法を自分なりに考えて行なったりしていました。
この時、時間内に絶対するというよりかは時間はあくまで目安で、早くすることを意識するのが目的です。なので、タイマーが鳴っても途中で終わらせたり適当にはしないことを心がけました。
そして、最後に間違っていたと思う部分はもう一度濃く赤鉛筆で修正するなど間違っていると自分が感じた事をそのままにしないようにしました。
・青鉛筆はクロッキーのように素早く形を捉える練習
・赤は細部を明確にする練習
・黒は最後の線を探す練習と
それぞれ意味合いを意識して行いました。
(色は気分によって変えたり、あまりこだわりすぎないようにしています)
この方法は独自で考えた物だったので、長期的に行なった時にきちんと効果があるのか、有効な方法なのかが少し自信が持てませんでした。
そこで、CMコンテで長く業界を活躍されている先生や水彩画の先生で非常に魅力的なドローイングされる方に「この練習方法はどうでしょうか?」と、目的と意図とを伝えた上で聞いてみると、「非常に良い練習じゃないかな、続けていれば上手になるよ」とおっしゃって頂いたので1つの有効な方法だと思っています。
▼実物を見ながら描く事は立体感をより理解しやすくなる
以前読んだ本の中に、写真の模写と実際にモデルを描くのは別物で、実際のモデルを元に描かないと立体感を掴めないと書いており、モデルによるクロッキーには積極的に参加しました。
写真のようにそのまま描けない難しさがありますが、身体がどれくらいの角度でこちらに向かっているかとかを実物を見て理解しながら描くことができ、非常に良い経験になりました。
とはいえ、常にモデルの方がポーズを取って描ける環境の方は、限られています。
なので写真やポーズ集で模写をする時、身体がどうなっているかわかりにくい場合は、下の写真のように線を入れたデッサン人形を参考に、描いた絵にもラインを入れてできるだけ奥行きなどがイメージして描くように心掛けました。
十分とは言えないですが、分からないまま描くよりかはきちんと理解しながら描けるのではないかと感じました。
▼分からないところはデッサンの技能書や解剖学などの本で調べる
描いているうちに感じた自分の中で理解しにくい部分やもっと知りたい部分がどんどん出てきます。
そんな時は解剖学や基本的な人体に描き方に関する本を見て、最低限でも理解した上である程度理屈で描けるように勉強をしました。
すべての筋肉や骨の名前を覚えるということはしておりません。
ただ、例えば脚の縫工筋など絵を描く上でポイントになりそうな物は覚えておくようにしました。
▼まずはヌードやヌードに近いポーズ集を選ぶ
最初はヌードやヌードに近い物を選んで模写しました。
これはイラストのバランスが崩れるのは服の下にある体に対する理解がまだまだ低いからだと感じたからです。
何かで読みましたが、下着などを着けていても基準ができてしまう為、できるだけ何も着ていないものが良いようです。
下の5冊をこの1年でだいたい模写しました。
最後の東村アキコ先生のポーズ集はヌードではありませんが、よりシーンのイラスト描く際に実用的だと感じましたので、応用としてやっていきたいなと思い購入しました。
▼(おまけ)続けるコツなど
ちなみにクロッキー帳はどんどん増えていってしまうので、紙は両面を使っているのですが、A4のクリアファイルに黒い紙を挟むと描いている最中は裏写りしません。下敷きだとどうしても硬すぎる気がするので、クリアファイルだと少し柔らかく描きやすいので、個人的にオススメです。
余談ですが、模写とかの練習を始めたけど、何日かで挫折してしまったことはないですか?
おそらくイラストレーターやイラストレーターを目指している方とかでしたら絵を描く事自体は、悩んだりしんどくなることはあれ、基本的には苦痛ではないと思います。
では、なぜ続かないかと言うと、私は何を描くかを考えることが一番のハードルになっているんじゃないかと考えました。
仕事などにも追われていると、描くイメージや資料を探していると気持ちが「あれもしないと、これもしないと」と、気持ちが焦り、どうしても後回しになり、続ける事が難しくなってきます。
なので、自分の中で毎日のように行うことが当たり前になるまで、とにかくポーズ集の1ページ目から順に描いていくと決めてスタートが切りやすくすることで、継続して取り組みやすくなります。
下はその他の模写の一部です。
手などの部位ごとに練習したり、飽きてきたらネットで見かけた写真をざっと描いてみたり、あまり自分の決めたルールにこだりすぎないようにしていました。
こちらは着衣で、もっと実用的なポーズ集。
柔らかい色鉛筆とかで描いてみたりと色々と気分を変えてみています。
【練習2】自分が普段描かなさそうなキャラクターの模写
次に行なったのは自分が普段描かなさそうなキャラクターを模写していくことでした。
▼描ける物を増やす為の資料にもなる
・自分のレパートリーを増やしていくこと
・これから様々なキャラクターを描いていくための資料を作ること
・手グセで描かず色々な顔のパターンを理解し考えながら描けるようにすること
これらが主な目的です。
仕事では若い女性のイメージを描く事が多く、仕事だけだとどうしても得意な物しか描かなくなってしまいます。
しかし、私の仕事の中には販促向けのビジネス漫画などもあり、魅力的な老若男女が描けないことは、できる仕事の範囲を狭めてしまいます。
イラストでも仲睦まじい中年夫婦なんかは今後描きたいイメージで、その時の為の資料づくりでもあります。
▼人のキャラクターを模写することにより自分のキャラのバランスを再確認できる
普段描かなさそうなキャラクターたちを描いていて感じたことが、「こんなに中央に顔のパーツを寄せているのか」など、自分の描くキャラクターとのバランスの差が思っていた以上に大きかったり、なぜ自分が色々なタイプのキャラクターを描けなかったことに改めて気付けた事です。
そして、比較するイメージをたくさん得たことで、自分のキャラクターのタッチのバランスも改めて理解を深めることができました。
参考にするのは漫画やアニメのサイトの登場人物などです。
資料として後々使いやすいように、A5のノートに描き貯めています。
今年4月頃から開始して ほぼ1冊が終わりそうで、来年はもう1冊分やってみるか、この自身で作った資料を元に自分の普段描かなさそうなキャラクターをどんどんデザインしていってみるかを考えています。
今オリジナルのイラストでアップしている男女はちゃんと設定やストーリーがあるのですが、例えば二人の働いている事務所の隣のビルの社長とか、具体的にイメージを広げながらデザインしていくのも面白いのかなと思っています。
△このノートを使っていて、裏写りがなく書き心地が良いので気に入って使っています。約176Pあるので、1冊に170近くのキャラクターが描けます。
【練習3】構図の勉強と優れたイラストの分解
最初に述べた昨年感じた自身の技量不足の中に「描けるポーズや角度の少なさによるパターンのマンネリ化」がありました。
構図を学ぶ必要があると感じた背景に、シーンを切りとった背景ありの1枚ものの仕事も増えてきたことや、書籍の表紙などの仕事をもっとやっていきたいと感じた事があります。
▼スポーツでも走ってばかりじゃ試合で活躍できない
球技などを行うスポーツ選手が、走り込みや筋力トレーニングばかりしていても試合では活躍できません。
模写の練習で以前よりスムーズに描けるポーズや角度も増えてきました。
こうした模写などの練習はスポーツにおける走り込みや筋力トレーニングに似ています。
次はこれをきちんと活かせるようになるには応用を勉強していかないといけません。
そのためには構図をしっかりと学び直す必要があると感じました。
こういった応用は、スポーツで言うとゲームのルールを理解、ポジションごとの練習、テクニック、試合形式の練習などにあたると思います。
以前勤めていた会社ではイラスト制作よりも印刷物などをデザインする方がウェイトを置いていました。
そういったデザインで学んだレイアウトの感覚を元に、なんとなくイラストの構図も考えてきたのですが、恥ずかしながらイラストの構図はきちんと学んだことがありませんでした。
▼本を読んだだけでは理解は難しい
まず2冊の本を読んでみました。
これらの2冊は具体的にどのような技法があり、一般的にどのような効果があるかが書かれており、個人的に非常に良い本でしたが、良い本でもただ読んだだけだと「ふーん、そうかー」で終わってしまう事が多々あります。
その為、他の方が描いた素晴らしいイラスト作品を一度分解し、その本で書かれていたどのような技法が使われているか、そしてそれはどのような一般的にはどのような効果があるか、自分自身はどのように感じたかを明確にすることで、自身の理解を深めようとしました。
▼良いと思ったイラストを分解して、言語化する
やり方は、ノートの左面にプリントアウトしたイラストを貼り、ノートの右面に輪郭とかだけでもざっくりと模写します。
その際に、赤で見せたいであろう主役の要素・青で背景・緑でその他とか、自分の中である程度のルールを決めて分かりやすく分解します。
今度はそれを自分なりにどう感じたかを言語化していきます。
下の写真ですが、参考させて頂いたイラストは当然著作物なのでグレーで塗りつぶしています。
あくまで目的は自分自身の勉強の為なので、この方法を取り入れてみようと思われた方は取り扱いには注意してください。
ちゃんと分析できているか分からないので、公開するのは非常に恥ずかしいのですが、できていなければそのできない理由を突き詰めていけば良いし、何ができないかが見えてきただけでも収穫です。
今年は1冊分、80カット分行なったのですが、構図はもっともっと勉強していく必要があるので、普段から自分から「これはすごいなー」と感じるイラストにアンテナを貼って、最低年に1冊分はこうやってきちん分解して、なぜそのイラストが凄いと感じたかを自分の中で解釈していきたいと思います。
ただ、この勉強をしてから、以前より色々な構図にトライしやすくなりましたし、構図も決めやすくなったと思います。
今年はアニメタッチの自分のイラストに方向性が似た作品をピックアップしていきましたが、洋画のポスターとかそういった別ジャンルの物とかを分解しても新しい発見があって面白そうです。
どんな作品をピックアップするかは、たくさんの人からの反応が欲しい人は一般的に良いと言われている作品に目を向けるのも良いと思いますし、もっと自分の感性を鋭く磨いていきたい人は、自分自身がとにかく直感的に”いいな”と感じた作品を集中的に分解してみるのも良いかもしれません。
【練習4】ファッションカタログ等の模写練習
10月末頃から始めて、11月から「自分のタッチで模写練習」と言うタイトルでTwitterに投稿しています。
△まとめのモーメントもあります!
これはファッション雑誌やカタログを自分自身のタッチにデフォルメして模写していくと言う練習です。
この練習を行なった理由や、どんなことに気を付けたかを記していきます。
▼ヌードポーズ集の模写だけでは作品の総合的なクオリティはあがらない
最初の【練習1】のポーズ集等の模写は昨年の12月頃からしており、約11ヶ月行なった成果として、描くのが以前よりかなり早くなりました。
数字的に言えない部分がもどかしいのですが、最終的にバランスを取り直したりする余分な作業は随分と減りましたし、ラフ時点での人体の正確さは以前よりも間違いなく良くなりました。
しかし、イラスト自体のクオリティがあがっているかと言うと、それほど上がっているように感じませんでした。(もちろん上がっている部分もあります。)
それもそのはず、ポーズ集のモデルさんはだいたい髪をくくって似た髪型をし、服も着ていないので、髪の毛や服など、そういったディテールに関しては練習をしていないからです。
冒頭に書いたように元々の今年の目標が「今のクオリティのイラストを早く描けるようにする」でしたので、それはそれで全く問題ないのですが、ある程度納得できる結果が出てきたと感じたので、次の段階の取り組みとして開始しました。
▼自分の頭身や表情を意識して、「自分ならこの写真をどう表現する」かを意識する
自分自身の根本的な目的を今一度振り返ってみます。
似顔絵のような写実的に近い物も時々ご依頼で頂きますが、あくまで親しみやすいタッチにデフォルメした自分らしいタッチのイラストのクオリティをあげていくことです。
私の描く絵は写真よりもデフォルメされており、ポーズ集などの模写をやりっぱなしですとせっかくやった練習が活かされていません。
ただ、今までのポーズ集の模写で自分の中での人体の「基準」が、より明確にできたと感じています。
この「自分のタッチで模写練習」は、その基準を元に自分の絵柄なら、どのくらいデフォルメを意識したら良いかなどを考えて取り組むようにしています。
今描いているのは普段の自分のイラストより少し写実的なスタイルですが、実際の写真より少しデフォルメしている事が多いです。
▼まず写真で理解し、憧れているイラストレーターさんならどう省略するかを考えながら模写する
イラストを見ていると服などを非常に魅力的にデフォルメされているイラストレーターさんがたくさんいらっしゃいます。
そのイラストレーターさんのイラストをそのまま模写しても、もちろん十分効果はあるとは思いますが、どうしても理解せずにそのまま書き写してしまっている状態に陥りがちでした。
なので、まず写真をしっかり見て、どのようにシワが入っているかとかを確認した上で、憧れているイラストレーターの方のイラストを見ながら、「この人ならどうシワを入れるだろうか?」などを考えて描くようにしています。
(最近慣れてきたのか、以前より少し惰性です…反省…)
ちなみに参考にしたイラストレーターさんのイラストはこのようにどんどんプリントアウトしてノートに貼り付けていて、パンパンに膨れ上がっています(笑)
当然ですが、尊敬する方々の大切な著作物なので中身を公開することはできません。
PCのフォルダに保存するよりも、片手でペラペラめくりながら見れるので個人的には扱いやすくて好きです。
参考にされる方は、あくまで用途はイラストの参考にさせて頂くだけですので、取り扱いには十分注意してください。
▼作品を意識したレベルの模写をする
以前尊敬するイラストレーターの方と食事をしていた時に、「作品の完成レベルの基準を下げてでも、きちんと完成させること。完成した作品を多く作る癖をつけた方がいいですよ」とアドバイスを頂いたことがありました。
これは【練習1】の模写をひたすら行なっていた時も感じていた不安でした。
しかし、なかなか普段の仕事でのイラストを描いていたり、集客なども含め業務に追われていると、普段の仕事とは別にチャレンジするような形でオリジナル作品を作るのはどうしても後回しになってきてしまいがちです。
模写は作品とは言い難いかもしれませんが、これらの理由から私はこの自分のタッチにデフォルメする模写を「作品レベル」を意識して取り組み、きちんと作品として完成させる事を身体に覚えさせるためにも行なっているいます。
▼達成感を感じやすいやり方にする
この模写は普段のクロッキー帳と違い、MDノートと言う見た目もシンプルで裏移りもほぼしないノートを使っています。練習2と同じタイプのノートです。
サイズはA4に描いています。
追われる日々の中で継続することは簡単な事ではありません。
せっかく先述のように集中して時間を使って行なっていることなので、達成感を感じやすく、ノートが埋まっていく感覚を楽しみながら行なっています。
コピー用紙とかでも十分だとは思いますが、モチベーションがあがるように割と価格も高めのノートを好んで使用しています。
▼ポートフォリオにも資料にもなる
冒頭で紹介しました私のオリジナル作品は、いずれも20代の男女のイラストです。
しかし自分としては、もっと老若男女たくさん描いていきたいと思っております。
カラーのオリジナル作品は、まずは自分の得意なイメージから多く作っていこうと考えておりますので、いざお引き合いが来た時に提示できるサンプルがなかなか増えません。
その際にこの練習で色々なイメージの人物を描いていけば、非常に良いサンプルとなります。
服装も普段描き慣れた物に逃げてしまいがちですが、この練習で様々な雑誌やカタログを模写しておけば、自分だけの服の資料にもなります。
また、一度お客様の所にもお持ちしたのですが、非常に好評で一つの作品集としても高く評価を頂けました。
継続して続けていることも視覚的にわかりやすく作品の向こうにあるイラストに取り組む姿勢も評価頂けると感じています。
▼キャラクター制作の参考資料にもなる
続けていくにつれて気づいたのは、写真を自分なりのタッチで描いた時点で新しい自分なりのキャラクターが出来上がっているなと感じました。
オリジナルイラストに登場する男女は自分なりに設定やストーリーがあって、このオリジナルイラストに登場する男女にはそれぞれ親友がいます。
この模写練習で描いた中の女性がこのオリジナルキャラクターの親友役にとても良いなと感じていて、少しアレンジして使いたいなと思っています。
このようにキャラクター制作の際の参考資料にもなります。
【練習5】自分だけの虎の巻の作成
読んだ技能書などで参考になったポイントや動画などを見て書き留めておきたい事は一冊のノートに書き留めていっています。
また、このノートには絵を描いた際に気付いたことなども書き出すようにしています。
そうすることによって、同じミスを減らし、練習の質をあげていきたいと考えています。
【来年の目標】もっと感情を表現できるようになりたい
▼上手い人は確実に質も量も、もっともっとやっている
練習1の模写をクロッキー帳に約7冊。両面使って約1,400ページ。
1ページに2-3体描いたとしても、描いた人体は3-4,000体近く。
練習2の普段描かないキャラクターの模写約160キャラクター。
練習5の自分のタッチでの模写練習が約60体。
仕事で描いたイラストは、ポスターのような大きな物からラインスタンプのような小さい物も合わせるとおそらく500カット近く。
他にも写真をプリントアウトした物を赤鉛筆でなぞったり骨格や筋肉を書き出したり色々やりました。
自分の中では間違いなく過去一番の練習量でしたが、この練習量が多かったのか、少なかったのかというのは正直分かりません。
はっきりと分かったのが、今までなかなか伸びなかったのが、ただ単に描く量が少なかっただけと言うこと。
そして集中力を欠いて、頭を使わずただ描いてしまっていた時間が多々あったということ。
一つの作品に時間をかけて取り組む事も大切で、量を描けば良い訳ではないですが、それでも今の自分のレベルならば、まずは量を描く事が大切だと痛感した年でした。
当然今までも練習をしなかった訳ではありません。
しかし、今年は今までよりも量を増やすことによって、今までなかなかできなかったことが少しずつ早く簡単にできるようになってきました。
なので、描くスピードも上がり、もっとたくさんの練習ができると感じましたし、つまり私が今素晴らしく上手だと感じているイラストレーターさん達は、きっとこの何倍ものことを何年も何年も向上心を持ちながら継続しているのだろうと感じました。
楽にできるようになった分、惰性にならないように気をつけながら来年も継続し、来年はまた新たな目標をプラスしていきたいと思います。
▼基礎を継続する習慣はできたので、次は長所を伸ばす
この「じゅーぱち」の名義は、今年2018年の11月から始めました。
11月中頃から4つのオリジナル作品をTwitterで投稿し、想像以上の反応を頂きました。
以前から仲良くして頂いている方が協力してくださったり、応援してくださる方が毎回反応してくださったり、憧れている人や影響力のある人が運良く拡散してくださったおかげで、想像以上のたくさんの方に見て頂くことができました。
二人のあったかい関係が良いとか、ストーリー性があって楽しいとか、彼が彼女を好きなのが伝わってくるとかコメントを頂き、すっかりファンになったとか本当に有難いことをおっしゃってくださる方もいて、ただ感激しています。
その反面もっともっと登場するキャラクターの感情を伝えられるようになったらもっともっと作品は魅力的になるんじゃないかと考えています。
それは表情なのか、構図なのか、身振り手振りなのか、色なのか、効果なのか、きっと答えは1つではないと思いますが、そういった所を意識して掘り下げて取り組んでいきたいと思っています。
そして、基礎をもっと固めながら、自分の長所を伸ばす事も視野に入れていきたいと思います。
▼来年はアウトプットをどんどん増やす
今年は模写など、インプットすることにかなり集中しました。
このままでは、ただ模写ができる人になってしまうので、今度はそれをどんどんアウトプットして応用して使える技術にしていかなければなりません。
オリジナル作品を毎月でも作っていくことが大切になってきます。
当然まだまだインプットも足りませんが、平行してインプットも行い、アウトプットのウェイトを増やすことで理解を深めていきたいと思います。
【最後に】
他のイラストレーターの方がどんな練習をしているかすごく気になります。
自分の練習が間違った方向にいってしまっていないか、不安になる時もあります。
無責任に聞こえるかもしれませんが、ここで紹介させて頂いたやり方が良い方法かどうかは正直分かりません。
しかし、私は「自分がどんな絵を描きたい、その為には何が足りない」と言うところから自分に合った練習方法を導き出していくことが大切だと思っています。
何が足りないかが分からない場合は、まずはどんどん作品づくりをしていくのも良いのかもしれません。
私の場合は、仕事でどんどんアウトプットをしていくうちにできるものしか提案できていない事に気づき、先方からのお題がないとイラストが描けないようになり、どんなイラストが描きたいか分からなくなってしまっていました。
仕事を早く終わらす事ばかりに意識が行き、クオリティもあがっていないことに気付きました。
そうした中、ようやく今年の11月、今年行なった取り組みもあり、また自分の好きだと思えるオリジナルイラストを描けるようになりました。
これでまた自分が欲している足りない物を見つけることができると思います。
この記事を書いた理由は正直なところ、この記事を通じて私の事を知ってもらえる機会になれば、と言うのが一番の目的ですが、これからイラストレーターを目指す方や、自分の技術レベルに自信が持てずどう取り組んでいけば良いか分からない方などの役に立てれば、それはとても光栄で嬉しいことだと思っています。
この記事を気に入ってくださった方がいらっしゃったら、ぜひ皆さんの練習方法も教えてください!
2020年1月28日、2019年の練習まとめ記事もアップしましたので、よろしければ是非ご覧ください!▼