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【擬人化】岩波文庫は知恵深いおじいさん。中公文庫は寛大なインテリさん。

岩波文庫は、擬人化すると
厳しく知恵深いおじいちゃんだ?
実に教養深い内容の本がそろっている。
最近は、大江健三郎や開高健の短編集も
文庫に加わった。
やるじゃん!岩波文庫!
ならばもっとどんどん
現代文学も文庫にしていって
いいのではないかな?と期待も膨らむ。
小島信夫や後藤明生や吉行淳之介も
ラインナップに加えて欲しい。

それから、お願いとしては
昭和中期までの刊行物は、
どれも文字のフォントが小さくて
かなり読みづらい。行間も狭い。
版面(DTP)を組みなおして、
読みやすい版面にしてくれないかしら?

数年前に漫画の影響で
売れに売れたはずの
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』も
まだ版面は古いままで文字も小さいまま。
あれはこれからも売れるでしょうから
版面を一新しても、そのコスト分は
取り戻せると思うんですが…?

伝統と権威に腰を落ち着けすぎて
ちょっと時代についていけてない?

でも、岩波文庫には他にはない
すごい長所があるんです。
それは一度出したら、ずっと
責任をもって出し続けることです。
1年の売り上げが低いからって理由で
簡単に「絶版」にしないこと。
実に誠意ある文庫です。

新潮文庫や文春文庫、講談社文庫は
売れない場合、1~3年ですぐに
絶版になりますね。
特に新潮文庫はすぐ絶版にする!
まあ、それもわかるんですが…。
毎月10点以上の新刊を出すと、
年間120冊以上が新たに加わっていく。
でも、書店の棚の面積は同じだから、
売れてないタイトルは
「間引き」していくしかない。
経営とか効率を考えると
絶版にするのも致し方ない。

とはいえ、本は文化。
利益優先と文化維持のはざまで
文庫編集部の「裁断」担当さんは
日夜、葛藤しているに違いない。

例えるなら、
新潮社は、仕事がバリバリできる
営業部ベテランって感じかな?

講談社文庫も角川文庫も
文春文庫も、まあこの系列ですね。
売れそうな面白そうな本が
ズラリ並んでますが、
まあ数字が悪いと
外されていく悲しみ…。

利益優先か?文化優先か?で
文化を優先しているのが
中央公論文庫さん。
ラインナップが
文学研究的にも、
文学オタク的にも
嬉しいタイトルを出してます。
例えるなら、初老で懐も広い
インテリさんでしょうか?

河出文庫も、文化優先の一派で、
ジェンダーや環境問題にも詳しい
独特のラインナップ。
例えるなら、切れ者の
ビジネスウーマンって感じがします。

ちくま文庫も文化優先。
ここも独自の路線を歩んでますね。
最近は、昭和の名作の掘り起こしが
増えてきました。

最近ちょっと気になるのは、
これら以外の文庫、
徳間文庫や祥伝社文庫、
小学館文庫がやや不調な
印象なことです。

文庫が厳しいというのは
その元になるハードカバーが
厳しいということで…
ハードカバーの本の不況が
原因になっているのかな?

各社文庫を疑似で
なぞらえるのも、面白いですね。

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