【読書】読書後には、本のキャッチコピーを考えよう?
本のオビの文章(コピー)を書く、
というのは実に難しい。
編集者時代、オビを決めるのが
ずっと苦痛のタネでした。
オビは編集者の仕事では
一番やり甲斐ある重要な仕事で、
締め切り前は色々と考えて
テンションも上がってましたが、
直前には自信がなくなるんです。
オビで売上の数%は決まる。
作家、漫画家に任されている
責任重大な任務です。
しかも販売部や宣伝部が
あれこれと言ってくる。
でも!
そんなガチなオビ作りは
きつかったですが、
趣味で読んだ本に対して
読んだ後、オビを作ると
これが楽しい(かもしれませんよ)。
内容を反映させつつ、
本質をえぐりぬいていて、
しかも、そのオビを見た人に
読みたいなあと思わせる…?
そんなキャッチコピーを考えたり
可能なら、オビのデザインも
考えたりするのは、
内容紹介とか
あらすじ紹介とは違って、
センスも理解力も問われます。
それから、何より
人の心を動かすという
「書くこと」についての
最大の課題に取り組むことに
なります。
読書感想文も楽しいですが、
オビを作る作業も楽しいですね。
今ではパソコンがあれば
フォントを選んだり、
文字サイズも決めたりして
デザインまでできますね。
ちなみに、
「生きるとは何か?」や
「愛することの意義を問う」
「人間とは何か?」
みたいな抽象的過ぎるのは
一番ありがちだし、
ポイントがボヤけるので
よく編集長や上司にボツにされます。
でも、たとえば、
夏目漱石『三四郎』なら?
私ならこんなオビにするかなあ?
「漱石版・恋愛入門」?
「漱石版・東京ラブストーリー」?
これを小さく。
その下に大きく
「三四郎は魔性の女子に克てるのか」
かなあ?
でも、タイトルに大きく「三四郎」と
いう文字があるのに、
オビにも「三四郎」という文字が
あるのは被ってますね?
だから、これはボツ。
どうしたらいいかな?
「波乱万丈な恋は人を幸せにするか?
不幸せにするか?」
いや、
「男にとって恋は迷宮?
女にとって恋はゲーム?」
ベタかなあ(笑)。
いや、最初の
「漱石版・東京ラブストーリー」を
いちばん大きくするのがいいかも?
三四郎は一旦やめましょうか。
今度は『こころ』にしましょう。
『こころ』なら
「恋愛は罪悪ですか?」
「恋は罪です」
「愛はなぜ人を苦しめる?」
「愛と孤独は同義語です」
うーん、決定力に欠けますねえ(笑)。
それに、ユーモアがないわあ…。
道理で、オビの締め切り前に
胃が悪くなったわけだあ、汗。
それでも、皆さんにもオビ作り、
ぜひオススメしたいと思います。
内容紹介より難しいです。
あっという間に一時間はかかります。
でも上手いコピーがひらめいた時の
感動は気持ち良いものです。
良かったら皆さんも
キャッチコピー、作ってみてください。