光に耐えられない「眼球使用困難症候群」 「電磁波にも反応」と報道
光に耐えられない「眼球使用困難症候群」 「電磁波にも反応」と報道 (dennjiha.org)
「眼球使用困難症候群」という病気を紹介する記事が、毎日新聞のウェブサイトに2月23日付で掲載されました。この記事で紹介されている発症者は、電磁波過敏の症状も訴えています。
記事によると、眼球使用困難症候群の発症者は、光のまぶしさや頭痛などで目が開けられず、暗闇の中での生活を強いられています。脳の機能障害が原因とみられていますが、眼球や視力には問題がないため「視覚障害」にはあたらず、法的保障を受けられないのが現状です。
暗がりや闇の中でしか生活できない
この病気は、まぶしさなどで目が使えなくなるさまざまな病気の総称として、井上眼科病院(東京都千代田区)の若倉雅登名誉院長(神経眼科)が2017年に論文で発表しました。若倉氏は長年、そうした患者たちを診察する中で、多くが社会生活に支障を来しているにもかかわらず、法的な保障がないことを問題視してきました。
2月9日の衆院予算委員会で眼球使用困難症候群の問題が初めて取り上げられ、田村憲久厚労相は「障害者手帳保持者とADL(日常生活動作)を比較し、どういう支援の方法があるのか、しっかり検討していきたい」と述べました。
記事には、記者が発症者宅を訪問したときのことが、以下の通り描写されています。
玄関を開けると、薄暗い廊下の先に、異様な光景が目に入った。リビングにつながる扉には、無数の段ボールがガムテープで張られている。はめ込みのすりガラスを通してリビングに光が漏れないよう、隙間を塞いでいるのだという。(略)
1月末だというのに、暖房器具は一切使わず、衣類や布団を重ねて寒さをしのいでいるという。「去年の秋から、電化製品もだめになってしまって……電磁波のせいなのか、体がビリビリとしびれてしんどくなるんです」
過敏症の方々が共通点を指摘
電磁波過敏症の症状も出ることに関心を持った筆者(網代)は、フェイスブックの過敏症の方々のグループに、この記事を紹介しました。すると、以下のような反応がありました。
とても興味深く読みました。(過敏症との)共通点も多く感じました。私たち(過敏症)の病態を含め、いったい何なのか、ぜひ知りたいです。
若倉先生とお話しする機会があり、若倉先生も化学物質過敏症を恩師である先生から学ばれているので、化学物質過敏症や電磁波過敏症の方が眼球使用困難症になっているケースも多いようです。いずれも中枢感作異常なので、どの症状を一番強く感じるかで、病名のつき方が変わるようですね。
(明るいところがダメなのは)化学物質過敏症の「あるある」かと思っておりました。真っ暗までいかずとも薄暗がりでしか生活できない状態に(自分も)何度かなったことがあります。
電磁波/化学物質過敏症、眼球使用困難症候群のほか、過敏症の近縁疾患とされる慢性疲労症候群や線維筋痛症、そして、やはり過敏症が出る脳脊髄液減少症など、これらの疾患は身体の何らかのバランスが崩れたときに起きて、互いに重なり合うところがある症候群なのだろうという筆者が抱いてきた印象が、ますます強まった気がします。
人体については、科学的に未解明の部分が、まだまだ大きいですね。【網代太郎】