【業務紹介】テクニカルセーフティエンジニアの仕事って?
こんにちは。juneです。
現在とある石油ガス関連プラントのEPCコントラクター(Engineering/Procurement/Construction、プラントの設計・調達・建設を一括で担う企業)にてテクニカルセーフティエンジニアとして勤務している。そこでは、主に海外に建設するプラントの安全設計業務を担当している。
かなりニッチな業界・業種のため「普段何やってるの?」と業務イメージがなかなか湧かないのでは思う。
そこで、以下のように超簡単に普段の業務内容の紹介をしたい。
主な業務内容
まず与えられたミッションはシンプルで、”プラントのHSE(Health/Safety/Environment、衛生・安全・環境)を設計にて実現すること”である。
石油ガス関連のプラントとは例えばLNG液化設備、製油所、石油化学プラント等が該当するが、これらは可燃性や毒性の物質を高温・高圧かつ大量に扱うため、万が一内部流体の漏洩やそれに伴う火災、爆発等の事故が起きた場合に、設備で働く従業員や近隣の住民、もしくは自然環境に対して甚大な悪影響を及ぼす可能性がある。
そのため、それら事象のリスク(影響度×頻度)を現実的に”可能な限り”低くすることがプラント事業者(例えばオイルメジャーであるエクソンモービルやシェルといった我々の顧客)には求められる。そういったリスクを低減するために必要な要求は顧客自身が持っていたりするし、プラントを設置する国によっては法規によって定められていたりする。(ちなみに、”可能な限り”と言っているのは、そのプラントが危険な物質を取り扱う限り事故を0にすることは不可能だからである)
それらの要求に対して以下のような複数の設計アプローチを通じて、”安全”なプラントを実現することが私の仕事内容になる。
プロットプラン(プラントの機器配置図)機器離隔要求の整理・実装
ハザード特定ワークショップ(HAZID)の実施
HAZOP/LOPAの実施
定量的リスク解析(QRA)の実施
防消火関連設計フィロソフィー、スペック作成
防消火機器配置図作成
配管計装図(P&ID)作成
防消火機器仕様書作成
防消火機器調達
耐火被覆設計図面作成
防爆分類図面作成
その他安全関連機器配置図(セーフティシャワー、消火器、SCBA等)作成
緊急避難経路図面作成
環境関連設計要求整理・実装
…等々、非常に多岐に渡る。設計の「HSE」に関わることならば何でもやるイメージだ。
ちなみに、我々の部門は設計の上流に位置し、「HSE」を切り口にした各種設計を下流の詳細部門や顧客と調整しつつ実装していくことになる。
仕事のやりがい
仕事のやりがいについて日常でものすごく実感することってなかなかないのだが(みなさんもそうではないですか?)、あえて挙げるとすれば下のような感じかなと思う。
プラントのHSEを一手に担う高度に専門的なポジションであること(つまり皆から頼られる)
プラント稼働後にそこで働く従業員の安全性に責任を持つ、無機質なプラントというモノの中でもより人に近い仕事であること
安全思想というものはプロジェクトによって一品一様である。顧客や場所が異なればどのレベルの安全性が求められるか異なるためである。その設計のフィロソフィーやコンセプトについて顧客と喧々諤々議論し、上手く議論をまとめられた時(もっと言えば顧客から謝意を表されたとき)にこの仕事をやっててよかった、となる。
HSEの要求は年々厳しくなっているのだが、その難しさを克服して設計をまとめ上げた時に充実感を感じる(...こともある)
とまあこんな感じで、業務の難しさはもちろんある一方で、比較的やりがいのある仕事なのかなと思う。
以上、テクニカルセーフティエンジニアの業務内容について簡単にお話しした。自己紹介の補足みたいな感じで見たいただければ幸いである。
こんな感じで真面目な話も時々混ぜ込んでいきたい次第です🙆🏻♂️
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