ボールを持たないこと、優しくパスすること、とても大事
前回、こんな記事を書きました。
そうです。親しき仲にも礼儀あり、ボールを持たないってことを書いたんですよね。
よくタスクのことをボールと例えますが、うまく進行したり仕事を楽にするコツとしては、とにかく自分でボールを持たないことです。
以前「タスクはボール型の時限爆弾だ」と例えている方を拝見して、マジでその通りだ...ってなりました。
確かに大抵のタスクは抱え続けると爆発してトラブルになります。
また、ディレクターのタスクは、Web制作の中でも上流に位置する工程がほとんどです。
つまり、ディレクターのタスクが爆発するということはプロジェクトそのものが炎上することを意味します。
ボクは、個人で仕事をしているので、ディレクターと制作の仕事の両方をやるわけです。
ボクが心がけているのが、ディレクター業務では、とにかくボールを持たないことです。
自分にボールが回ってきたら即座に投げるのが基本です。
特に数分で終わることは即処理するのはタスクを貯めない大切なポイントです。
代表的な例が、メールの返信です
メールを受信ボックスにためることのメリットはありません。
返信にも大して時間を要しません。
メールは即座に返信、遅くても1営業日で返信するのが基本です。
これを意識するだけでもスピードは上がるんじゃね?って思っていたりします。
もちろん、ボールをただ横流しするだけでは良いディレクターとは言えません。
クリエイターや顧客がストレスなく業務を遂行できる準備を整えたうえで、ボールを渡す意識が大切なんじゃないかな?って思うのです。
情報をオープンにしていない、共有できていないのも原因のひとつかもしれない
自分がやりたいと思わないなら、それなりの理由があるはずだと思います。
その理由を突き詰めてみて、本当にやる必要がないと思うならば、絶対にやらないことではないでしょうか?
本当はやる必要がないと思っているのに、上司からの命令でしかたなくやっていることが意外と多いかも知れません。
それが本当にやるべきタスクかどうか、ミーティングしてみるとわかるかもしれません。
もしかしたら今後、永遠にタスクから消えてくれるかも知れない。
色々書いたが、結局は言いたいことは1つ「自分でボールを持たない」ということです。
ボールを持たない、いわゆる自分の手元に置かないという思考
仕事には、将棋や囲碁と同じように必ず順番というものがある。つまり、お互いに順番を変えながら、物事が進行していくわけです。
仕事をキャッチボールにたとえると、何かを頼まれたということは自分の手の中にボールがあることになります。そして、次は自分自身が相手の依頼に応じてそのボールを投げ返す番になるということです。
しかし、このボールが自分の手元にどんどん溜まる一方だと、いずれ仕事はパンクするわけです。
もちろん、じっくり考えながら作り込んで提出する仕事もあるだろうが、すぐに解決できる仕事もボクらは沢山抱えているのではないでしょうか?
仕事を複数抱えたまま、次の仕事をするからこなせなくなるのです。
そうならないようにするため、最近では、必ずその場で仕事を処理することを原則としています。
たとえば、先 クライアント先で「誰かを紹介して欲しい」と言われたとします。
すると、会社に帰って探すという行動を取るのではなく、すぐにその場で見つけて、かつ、相手にアポイントや面談の予定も入れてしまうように心がけています。
それは電話やメール、または、フェイスブックのメッセンジャーの場合もあります。
するとその瞬間に自分の手元からボールは相手へと移行するのです。
パートナーに依頼する、取引先にお願いするなど、すべて周りの力をフルに活かして、その場で解決させるのです。
この方法なら多くのアポイントをこなし、同時に、多くの仕事を前に進めることができます。
ボクらはもう少し考えたい、などの理由で仕事を持ち帰りがちだが、改めてスピードとは順番に関係があり、それが仕事の効率を上げるのだということを知ってほしいって思うのです。
ある取引先で気づいたこと
たとえばプロジェクトの関係者にAさんとBさんという方がいて、AさんがBさんに何らかの質問や依頼をしたとします。
すぐに回答が得られればいいけど、そうでない場合は当然、AさんはBさんからの回答を待つことになる。
これを「Bさんがボールを持ってる」状態と表現になるわけです。
プロジェクトは、キャッチボールを繰り返して進んでいきます。
質問を投げて回答を返してもらったり、作った資料を送って意見をもらったり、内容を承認してもらったりして進んでいくわけです。
そうやって、ゴールに近づいていく。
だから、議論や意志決定を頻繁に繰り返して進むコンサルティングやシステム開発のような仕事においてよく耳にするのではないかと思うんです。
けれど、この「ボールを持ってる」という表現には、ちょっと危険な面もあるなと感じたことがありました。
それは「Bさんがボール持ってる」ということは、「だから私は仕事が進められないんです」というAさんの疑問というかモヤモヤにつながりやすいのではないかということです。
単に個人の仕事の能率が悪いのであれば、能率を上げる工夫をするなり残業するなりすれば仕事は進みます。
けれど、Bさんからの返答がない以上は仕事が進められないという状態では、個人レベルではどうすることもできないのです。
だから、そこに逃げ込むために、とりあえず相手にボールを渡してしまう、ということが起こりえるのではないかと思う。というか、事実、自分も最近やられた経験があります。
「これ以上自分では進められない」という状態まで仕事を作り上げた上で、然るべき相手にボールを委ねるのならいいのです。
だけど、「Bさんからの返答待ち状態」にしたために、とりあえずBさんにボールを投げたということで、確認ややり直しのためのキャッチボールが必要以上に増えて、ムダな作業が増える=プロジェクトは遅延に向かうことになったのです。
チームやクライアントとの雰囲気も悪くなる。
自分の経験では、関係者や関係部署の間にセクショナリズムが発生しているプロジェクトほど、この「キャッチボール」の傾向は特に強いように思うのです。
縦割り意識が強ければ強いほど、「とりあえず返答がくるまでは、知らない!」という姿勢が出がちになります。
だから「ボールを投げる」「ボール持ってる」という言葉が飛び交うプロジェクトでは、メンバーや組織間に見えない壁がないかを疑った方がよいように思うのです。
仕事をしながら、ふとそんなことを考えてみたので書いてみました。
他の方はどう思っているのでしょうか?
こういう表現にお心当たりのある方、思うところを教えていただければ幸いです。
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