1章 トランクス「新しい剣が必要なんです…③」
ー次の日ー
ギュォォォォ
トランクスはDr.ゲロの研究所へ向かっていた
トランクス(過去の世界で破壊した研究所は、確かこの辺りだったはず...あった!あの岩陰に扉があるはずだ!!)
シュタ!
重厚な金属の扉が、研究所への来訪者を拒絶するように佇んでいた
トランクス「よし、、はぁ゛っ!!!!」
ドガァァッ!!!!
トランクスの気合いで扉はいとも容易く吹き飛んだ
トランクス(過去の世界で一度確認しているとはいえ、何があるか分からない。用心して行こう。)
研究所の内部は様々な装置や部品、資料、壊れたロボットが散乱しており、不気味な気配だった。
トランクス(全てエネルギー弾による破壊のようだ。おそらく17号と18号の仕業か。)
トランクスの探索は続く
トランクス(何か手がかりになりそうな物はないか。)
ー複数の隠し扉を経由した最深部ー
トランクス(妙だな。この部屋だけ何故か荒らされていない。)
部屋の中心にはドーム状の装置がある
トランクス(この装置は一体...電源はこれか?)
ポチ
ギュィィィーン......
トランクス(動いた!!まだ…電源が生きているのか!?)
ピーッ ガガガガッ........
謎の声「....レダ....サマハ!!?」
トランクス「?!な、何だ?!誰だ??」
音声が徐々に安定していく
謎の声「ダレ、ダ…キサマハ?!」
トランクス「お、お前こそ!まさかDr.ゲロ!!?」
謎の声「チガウ..ワタシハドクターゲロノコンピュータガツクリダシタ、スーパーコンピュータダ」
トランクス(なるほど、奴の研究をこのコンピュータが自動で行なっているということか…ひょっとするとこのコンピュータがセルを?)
ゲロコン「ツヨイエネルギーヲ オマエカラカンチシタ ジュウナナゴウトジュウハチゴウヲ ハカイシタノハ オマエダナ?」
トランクス「だったら何だ?オレと戦うのか?」
ゲロコン「ワタシハ タダノコンピュータダ セカイセイフクナドニハ キョウミハ ナイ」
トランクス(もしこのコンピュータがいずれセルを作り出すとしたら…いや既に作り始めているかもしれない!!そうであれば今この場で破壊するべきか?!!だが、また新たなタイムパラドックスが起こりかねない...リスクが高すぎるか?)
トランクス「おい!お前はいったい何のために作られたんだ?今まで何をしていた?!」
ゲロコン「ワタシノモクテキハ ドクターゲロノテクノロジーノホゾント アラタナジンゾウニンゲンノ カイハツオヨビケンキュウヲ モクテキトシテイル」
トランクス(どうやらコイツがセルを作るということに間違いなさそうだ...)
トランクス「Dr.ゲロのテクノロジーの保存と言ったな?そのテクノロジーのデータをこちらに渡してもらおうか?!」
ゲロコン「ソノヨウキュウハ ミトメラレナイ ドクターゲロノ ケンキュウデータハ モットモセキュリティレベルノタカイ ジョウホウダ」
トランクス「そうか、、なら貴様はここで破壊するしかないな!!」ボッ!
ゲロコン「マ、マテ!! ヤメロ!! スベテノデータハ ワタセナイ イチブノデータノミ ワタス ヒツヨウナデータヲイエ」
トランクス(よし!!誘いに乗ってきたな)
トランクス「いいだろう!交渉にのってやる。必要なデータは人造人間17号18号の無限エネルギー制御装置に関するデータと、Dr.ゲロが宇宙で採取したあらゆるデータだ」
ゲロコン「ダメダ!ジョウホウノ セキュリティレベルガタカスギル キョカデキナイ!」
トランクス「ほう?ならやはり破壊するしかないな!!」
ざっ!!トランクスが気を解放する
ピーガガガ…
ゲロコン「.....ワカッタ データノテイキョウヲ キョカスル」
ウィィーン
ドーム状の装置から大容量ドライブディスクが吐き出された
トランクス「確かに受け取った!感謝するよ」
ピピピピピッ
Dr.ゲロの残したシステムに一抹の不安を残しつつ、トランクスは研究所を後にした。
ー帰り道ー
行きよりもスピードを上げ、カプセルコーポレーションへの帰路を急いだ。
トランクス(果たして、このデータにヒントがあるかどうか...あのコンピュータ...本当にあのまま残しておいて良かったんだろうか...)
トランクスはさらにスピードを上げ、カプセルコーポレーションへ飛んでいった。
ーデータを持ち帰った数日後ー
トランクス「母さん、どうですか?オレの持ってきたデータ。何か使えそうなものはありますか?」
ブルマ「えぇ。色々分かって来たことはたくさんあるわよ。でも改めてDr.ゲロって私以上の超天才ね...本当に才能の無駄遣いというか...この頭をもっと良いことに使っていればね...」
トランクス「えぇ。たった1人であのとんでもないパワーを持った人造人間を作り上げてしまうんですから。」
ブルマ「ところでトランクス。あんたこのデータを手に入れるのにコンピュータと交渉したっていってたわよね?どうして無限エネルギーの他に宇宙のデータを要求したの?」
トランクス「はい。過去の世界でセルと戦った時に聞いたのですが、セルは父さんや悟空さん、サイヤ人の細胞の他にフリーザの細胞も使用しているといっていました。つまり父さんたちのことをずっとスパイロボを使って宇宙まで追跡していた...その時思ったんです。人造人間17号、18号はこの地球上で作ったにしてはあまりにも強大過ぎる。そんなものをいくら超天才とはいえ、1人の人間が作り出せるわけがない!おそらくは地球外の別の銀河、その高度な科学力が使われているのではないかと。」
ブルマ「流石アタシの息子ね!17号、18号の設計データを見たけど、どう考えても地球のものではないわ。特にこの無限エネルギー制御装置なんかその最たるものね。」
トランクス「なるほど。やはりそうか!」
ブルマ「アタシの父さん、つまりアンタのお爺さんは物質の量子化や空間移動に関する研究の権威だった。Dr.ゲロはエネルギー研究とロボット工学の権威だったそうよ。父さんは自分の研究を人々の生活をより豊かにするために使ったけど、Dr.ゲロは個人の世界征服っていう私利私欲のために使ったってわけね。どちらの研究も私たちには欠かせない重要な研究なのにね。」
トランクス「くっ...Dr.ゲロめ...!」
ブルマ「でもこのDr.ゲロの研究データを応用すれば今の私たちの地球の復興に役立てられるものがたくさんあるわ!まさか世界を破壊に招いた力が再生の手助けになり得るなんて少し皮肉だけどね」
トランクス「良かった...今は使えるものはなんでも使っていかないといけないですね。」
ブルマ「それで人造人間のエネルギー源なんだけど、どうやらとある鉱物を利用しているみたいだわ。」
トランクス「鉱物ですか?」
ブルマ「ええ。いくらDr.ゲロの科学力が高いといっても何のエネルギー源もなしに物体が動き続けるなんてことはあり得ないわ。その源がその鉱物ってわけ!そしてその鉱物から発生される波動を無限エネルギー制御装置で増幅することで人造人間の巨大なパワーを作り出しているみたい。」
トランクス「鉱物の波動か。どおりで人造人間はあれだけ大きなパワーを持ちながらオレたちの様に気を感じられなかったわけですね。」
ブルマ「そうね。その鉱物と無限エネルギー制御装置を応用すればあなたの今欲しい物が作れるかもしれないわ。それだけじゃない。この街のエネルギー問題も一気に解決出来るかもしれないわね!!」
トランクス「なるほど!!そ、それでその鉱物ってなんなんでしょうか?!」
ブルマ「うーん、それが分からないのよね...」
トランクス「そうなんですね..人造人間はオレが両方とも跡形もなく破壊してしまいましたから...すみません...」
ブルマ「でも、エネルギー制御装置の設計図と一緒に鉱物固有の波動のサンプリングデータがあるわ!」
トランクス「はぁ..しかし、肝心の鉱物そのものがなければ、どうすることも出来ない...一体どうすれば...」
ブルマ「ふっふっふっ。実は子供の頃に特殊な波動をキャッチする超高性能なレーダーを作ったことがあるのよね〜」
トランクス「え?!どうゆうことですか?!」
ブルマ「どうって...あ、でもそうかぁ〜アンタ見たことはあっても使ったことはなかったわね〜...ピッコロが死んじゃって神さまも一緒にいなくなっちゃったから今はもう全く出番が....」
トランクス「あっ!!そ、そうか!!ドラゴンレーダーですね!!たしかにドラゴンボールもある種の鉱物でそれをキャッチするのと原理は同じですね!!!」
ブルマ「そうゆうこと!!早速開発に取り掛かるわ!!」
トランクス「はい!!よろしくお願いします!!」
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