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予想はよそう 〜当たらぬ恋の大ハズレ〜
高校生活も折り返しに入り、クラスの雰囲気もだいぶ落ち着いてきた。
そんな中、俺には最近気になって仕方がない子がいる。
のんびり屋で、よくドジをするけど、誰からも愛されるナナ。
昨日なんて、俺に「おはよ!」って言いながら
自分のロッカーに頭ぶつけてたし…可愛すぎるだろ。
あんな天然っ子が俺にだけやたら話しかけてくるんだから、
これはもう脈アリなんじゃないか?
「なあ、絶対脈アリだと思うんだよ!」
昼休み、俺は親友のタカシに力説していた。
「だってさ、昨日も目が合ったし、
『寒いね』って話しかけられたんだぞ?」
タカシは唐揚げを頬張りながら、呆れた顔をする。
「それ、ただの世間話だろ?誰にでも言うやつじゃん」
「いやいや、それでも俺のこと意識してるに違いない!
もうこれは告白するしかない!」
「お前のそのポジティブさ、羨ましいわ…」
そして放課後。
校舎裏に彼女を呼び出し、ついに想いを伝えた。
「ずっと好きでした!俺と付き合ってください!」
ナナは「あわわ…」と口をパクパクさせたあと、
なぜか後ろに下がろうとしてつまづいた。
「あっ、わっ…あいたたた…」
そのまま地面にぺたんと座り込み、俺を見上げるナナ。
まだ状況を理解できていないのか、
眉を下げながら考え込んでいる。
「えっと…えっと……ん?」
「ん?じゃないよ、俺、今告白したんだけど…!」
「ああっ!そ、そうだった!ご、ごめんね!」
ナナは慌てて立ち上がろうとして、
今度は自分の足を踏んで再び転ぶ。
「うわぁぁ!?……い、痛くない!大丈夫!……じゃなくて、ごめん!
そういうつもりじゃなかったの…!」
…え、マジ?そんな、だって、俺の予想では……
翌日。
タカシに結果を報告すると、
彼は満面の笑みで肩を組んできた。
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「で?どうだったんだよ?」
「……ダメだった」
「ほら見ろ!だから言っただろ、予想は慎重にしろって」
俺は深くため息をついた後、渾身の一言を放った。
「……もう予想はよそう」
タカシは一瞬フリーズした後、大爆笑。
「うわ、めっちゃキレイにダジャレ言ったな!
でもな、お前の場合、もう恋愛もよそうぜ!」
「うるせぇ!次こそ当ててやる!」
俺の恋の挑戦は、まだまだ続く——たぶん。
とはいえ、今回の予想は見事に大ハズレ。
脈アリだと思ってたけど、
実際のところ俺はナナのことをどれくらい知ってたんだろう?
ドジなところばかり見て、
勝手に「いい感じ」だと思い込んでただけかもしれない。
もし君も失恋で落ち込んでるなら、
一度冷静に振り返ってみると、意外と心が軽くなるかも。
この記事を読むと、「本当に好きだったのか?」と
冷静に振り返るきっかけができる。
過去の恋を整理できたら、
次の恋はもっと自信を持って踏み出せるはず!