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失恋して初めて知った、恋愛以外の幸せ

高校一年生の夏。
日菜(ひな)は、恋愛中心の生活を送っていた。
友達と遊ぶのも楽しいけれど、
やっぱり一番ワクワクするのは好きな人と連絡を取ること。

授業中も、寝る前も、
ふとした瞬間に彼のことを考えてしまう。

「私の毎日、全部彼が中心だな…」

それでも、それが幸せだった。

彼とメッセージをやりとりしている時間が、
一日の中で一番ワクワクする時間だった。

だけど、その幸せは突然終わった。

「ごめん、もう別れよう」

スマホの画面に表示された短いメッセージ。
頭が真っ白になった。

心臓がドクドクと鳴る。
意味が分からなかった。
何度も何度もその言葉を読み返して、
やっと現実を理解した。

「……なんで?」

手が震えた。すぐに返信しようとしたけれど、
何を送ればいいのか分からない。

何がいけなかったの?

私、何かした?
そんなことばかり頭の中でぐるぐる回る。

次の日から、世界が色を失った。
何をしていても楽しくない。

授業中も、友達と話しているときも、
ずっと心のどこかが重たい。
スマホを開くたびに、
「もしかしたら連絡がくるかも」と期待してしまう。
でも、彼からのメッセージは一通もない。

テスト期間なのに、まったく勉強に集中できない。
問題文を読んでも頭に入らない。
好きだったアニメも、YouTubeも、どれを見てもつまらない。

「私、何もないんだ」

ぽつんとつぶやいた。

彼を好きな気持ちがなくなったら、
私の毎日は何も残らないんだって気づいた。

周りの友達は、推しの話をしたり、
ドラマにハマったり、趣味に夢中になっている。
でも、私には何もない。
ただ、恋愛のことしか考えてこなかった。

「どうしたらいいの…?」

どこにも行き場のない気持ちを抱えたまま、
ただ時間だけが過ぎていった。

「ねえ、週末写真撮りに行こうよ!」

親友の咲(さき)が、突然誘ってきた。

「え、写真?」
「そう! ひな、スマホのカメラでもいいし、
一緒に撮ろうよ!」

正直、気乗りしなかった。
でも、何をしていても彼のことばかり考えてしまうのはもう嫌だった。
だから、渋々ながら「いいよ」と答えた。

週末、公園に行ってみると、
咲は夢中でシャッターを切っていた。

「ほら、夕焼けめっちゃ綺麗じゃない?」

何となくスマホを構えて撮ってみる。
いつもなら、好きな人に送るために写真を撮ることはあった。
でも、自分のために撮るのは初めてだった。

「……あれ?」

シャッターを切るたびに、
少しずつ心が軽くなっていくのを感じた。
風に揺れる木々、陽の光に照らされる草花、
何気ない風景が、少しずつ鮮やかに見えてきた。

気づけば、スマホのアルバムにはたくさんの写真が増えていた。

それから少しずつ、日菜の生活は変わっていった。
何を撮ろうか考える時間が増えて、
授業中も、前みたいに彼のことばかり考えなくなった。
SNSに写真を載せてみたら、意外と反応があって嬉しかった。

「私、何もないわけじゃなかったんだ」

そう思えた時、やっと前に進める気がした。

「恋愛だけじゃない、私の世界」

日菜は気づいた。恋愛は素敵なものだけれど、
それだけが人生のすべてではないことを。
好きな人がいなくても、私の毎日は色を持てる。

夢中になれることは、最初から見つかるわけじゃない。
でも、「なんとなく楽しそう」 という小さなきっかけから、
少しずつ世界は広がっていく。

恋をしている自分も、していない自分も、どちらも私。
大切なのは、恋愛に縛られずに「私自身の世界を楽しむこと」。

そして、新しい恋が訪れたとき、
日菜はもう前の自分とは違うと気づいた。

恋愛は大事。

でも、それと同じくらい、
「自分を幸せにする時間」
を大切にできるようになっていた。

そう、恋愛だけがすべてではない。
私の人生には、まだまだたくさんの輝く瞬間がある。

だけど…やっぱり心のどこかで
「もう一度彼とやり直せたら」
と思ってしまうことはないだろうか?

もし復縁を考えているなら、
まずは状況を見極めることが大切。

「彼との復縁が難しい3つのサイン」を知ることで、
本当に進むべき道が見えてくるかもしれない。


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