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【VOICE vol.5】朝稲啓太が仕掛ける建設・土木業界の未来戦略

ジュントスで働く人々や会社の魅力を掘り下げるnote。vol.5では、今業績が伸びている理由について、代表の朝稲にインタビュー。市場の変化を見越した人材育成やTOCの導入など、著しい成長の陰にはさまざまな仕掛けが隠されていた。

▼代表・朝稲の過去のインタビューはこちら
https://note.com/juntos/n/ne19f0fc72eac

1)市場の変化を見越した若手の育成

-現在、右肩上がりに成長を続けているジュントスですが、2018年からの伸びは特に顕著ですね。ここ4年間の好調の理由は何ですか?

大きく3つあって、1つは市場環境が良くなっていること。2つ目はそれに追従できる体制が整ってきたこと。3つ目はそうした市場に対するアピールがうまくいっていることが挙げられると思います。

-では1つずつ深掘りしていきたいと思います。市場環境は具体的にどう良くなっているのでしょうか?

今、全国的に高速道路のリニューアルプロジェクトなどが進められていて、老朽化したものをリペアするだけでなく、本体構造物の部分的な取り替えが実施されています。そうした市場の流れによって受注案件が増え、設計・調査・工事の全部門において成長できているというのがまず1つですね。

-では2つ目の社内体制についてですが、どのように整ってきたのでしょうか?
 
これは業界全体に言えることなのですが、技術者の高齢化が進み、積極的に若返りを図っていかないと会社として生き残ることが難しくなってきているんです。市場がどう変化していくか、それに対してどう動けばうまくハマるかを先読みして、若手の採用を積極的に行ったことが大きなポイントになったと思います。

-なるほど。でも人員が増えることで新たな課題も生まれるのでは?

人の数が増えると目が行き届かなくなることも増えてくるので、各セクションにおけるマネジメントの質は上げていかなければいけませんね。マネジャーの立ち位置としても、単に仕事ができるという個人レベルのスキルだけでは足りなくなってきていて、組織としてどう考え、どう人に向き合うかを一歩踏み込んで考えるフェーズに入ったかなと思います。そうした目線をマネジャーたちにも同じように持ってもらうことが重要で、みんなが働きやすく、苦にならない環境づくりを一緒に推進していけたらいいなと思っています。

2)自責で考えることが成長につながる

-社員と向き合う上で、朝稲さんが大切にしていることは何ですか?
 
下積み時代をできるだけ短くしてあげることですね。楽しくないじゃないですか、下積みって。「自分にはこれができる」という部分を少しでも早く作ってあげたいというのは常々思っています。あと、人ぞれぞれ考え方があるので無理に変えるつもりはないですが、他責ではなく自責で考える癖をつけてほしいと思っています。人間、他人のせいにしているうちは成長しないと思うんですよね。何か問題があった時はまず自責で捉えて、相手の声に耳を傾けてほしい。あまり楽しいことではないかもしれませんが(笑)。耳を傾けた上で、相手の懸念点を自分ならどう変えられるかという視点で問題に向き合ってもらえたら嬉しいなと。経営発表会などで社員にはいつも伝えていることなのですが、少しずつ自責で考える人が増えてきたなという実感はあります。

今年新設したトレーニングセンターでの様子。反復訓練によりジュニアエンジニアの早期育成を目指す。

-結果、会社としてはどんな変化が生まれていますか?
 
仕事量が増えている割に、ミスの数が減っていると思います。そうなるとやり直しも減るので、1つの案件に対する効率や利益にも影響しますし、新しい仕事を獲得していく余力も生まれます。

3)数ではなく技術力を販売する

-朝稲さんはTOCPA Japanの代表も務められていて、TOCの最新知識を業務に取り入れている点もジュントスの大きな特徴ですが、そのあたりも2018年からの成長に影響していますか?
 
そうですね。TOCの導入を始めたのは20年ほど前になるのですが、2018年からアップグレードした内容を取り入れたことで、より大きな伸びにつながっていると思います。

-どんな点をアップグレードしたのでしょうか?
 
大きなところで言うと2点あります。1点目は業務オペレーションを見直した点です。「人に仕事を割り当てる」から「仕事に人を割り当てる」モードへ運営方法を転換し、組織的なマルチタスキングを軽減しつつ、突発的に発生する予定外の仕事をマネジメントできるようにしました。(参考:ハーバードビジネスレビュー『バーンアウトしない働き方』
2点目はマーケットをセグメンテーションした点で、どこにフォーカスを当てて仕事を取るかを変えました。冒頭に挙げた好調な理由の3つ目、市場へのアピールという話につながるのですが、これまで全国規模の企業を主要顧客にしていたところを、地域の元請けにシフトしたんです。
 
-大手を顧客にした方が仕事の数は多い気がしますが…。

普通はそうなんですよ。なので、うちのような改革をするところは珍しいと思います。ただ大手企業の多くは自社に橋梁の技術者がいるので、そこが埋まるとうちに発注が来るという流れなんですね。だから、閑散期にまとまった数の受注が見込めないんです。そこで、技術者が不足している中小企業を主要顧客にすることで、キャパシティではなくケーパビリティを販売するモデルに変えました。数ではなく技術力を補うことになるので、大手から受注するよりも広い領域を担うことができ、単価が上がるので利益率の改善にも大きく影響します。

4)30億規模の企業と戦うために

-そうした戦略を踏まえた上で、今後の展望を教えてください。
 
2025年までに売上10億・営業利益1億5000万を実現したいと思っています。この業界の利益率は5%程度が一般的で、1億5000万の利益を出すためには30億の売上を作る必要があります。そこを15%まで持っていくことができれば、売上が10億でも、30億規模の企業と同じ土俵で戦うことができる。成長のために必要な投資も可能になるし、社員の給与にも反映できます。売上をたくさん作るというよりは、いかに効率的に大手と戦うかが重要だと思っています。

-2025年まであと3年ですが、現時点での手応えはどうですか?

ペースとしては計画通りかなと思っていますが、若手やマネジャーの育成、体制などを考えると、少し歪みが出てきそうな部分もあるので、中期的な視点で微調整をしているところです。あくまで私の目標であって、期日を合わせることが重要なわけではないので、組織や社員の状況を見ながら、働きやすい環境づくりと一緒に確実に進めていけたらと思っています。

-ジュントスでは今「マッスル採用」という新たな切り口での人員募集も行っていますね。
 
ゴールドジムさんの協力のもと、筋肉に自信のある方々を募集して、工事の現場で力を発揮してもらおうという試みです。まずは「働いてみたい」と思ってもらうことで、建設業界をポジティブに捉える人が増えるきっかけになればいいなと思っています。
 
-どんな仕事においても、体づくりや健康維持は重要な要素ですよね。

 
そうですね。うちのベテランたちも年齢を重ねてきましたし、社内にトレーニング器具を揃えて自由に使えるようにするなど、社員の健康管理にも力を入れ始めました。みんな空き時間を使って思い思いに鍛えていますよ。

-朝稲さんも鍛えていらっしゃるんですか?
 
鍛えていますよ!最近は会社やジムで筋トレをするのが一番の気分転換になっています。朝は有酸素運動を行って、昼休みには上腕二頭筋などを鍛えています。来年はタンクトップ1枚で過ごせるよう、体を絞っていきたいですね(笑)。