【ロック名盤100】#31 Cream - Disraeli Gears
今回紹介するのは、1967年11月にリリースされたクリームの2枚目のオリジナルアルバム「Disraeli Gears」(邦題は「カラフル・クリーム」)だ。エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーの3人はまさに最強の布陣であり、世界初のスーパーバンドと呼ばれたクリーム。彼らはサイケデリック・ロックのムーヴメントの渦中に「どれだけロックをハードにできるか」というテーマに挑戦し、結果的にクリームはハードロックの雛形を作ったアーティストとして今も評価されている。
クラプトンのギターは言うまでもない。ブルース由来のフレージングをヘヴィにプレイし、ボーカルに勝るとも劣らぬ存在感を発揮している。ジャック・ブルースのベースもジンジャー・ベイカーのドラムも決して隠れない。お互いが自分を主張しあってできたのが、この極上のエッセンス———まさに「カラフル・クリーム」である。
1 Strange Brew
2 Sunshine of Your Love
3 World of Pain
4 Dance the Night Away
5 Blue Condition
6 Tales of Brave Ulysses
7 SWLABR
8 We’re Going Wrong
9 Outside Woman Blues
10 Take It Back
11 Mother’s Lament
1曲目の「ストレンジ・ブルー」のギターがとにかく聴いていて気持ちいい。泥臭いブルースというよりは涼しげでクールなブルース・ロックの質感が強い。クリームの代表曲及び最初期のハードロック作品「サンシャイン・ラヴ」もやはり印象的なギターリフがかっこよくて大好きだ。形容するなら「サイケデリック・ブルー・ハード・ロック」てな感じだろうか。僕が好きな他のナンバーでいうと「スーラバー」「アウトサイド・ウーマン・ブルース」あたりもいい。特に「アウトサイド・ウーマン・ブルース」は3人のエンジン全開の演奏が聴ける。他のクリームのどの曲よりも「あぁ、クリームがスーパーバンドっていうのはこういうことか」と実感できたのがこの曲。
後にツェッペリンやディープ・パープルらによって栄華を極めるハードロックは、60年代中盤から後半に興った。その初期ハードロックの旗手を担ったのが、ジミヘンやこのクリームなのだ。ハードロックのルーツを探っていくうえでサイケやブルースなど、分岐していきやすいアルバムが本作である。次回はクリームの集大成「Wheels of Fire」を語りたい。
↓「サンシャイン・ラヴ」