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秋の夜長に(続・不思議な話)

その4)昇天?
 ある日の夜、布団に入り寝入るタイミングで、突然眩い光に包まれました。周りから何とも言えぬ楽器の音色が聴こえてました。弦楽器かもしれません。
 不快ではなく、ただただ和音で充たされる感じでしょうか。
 そして私は包まれた光ごと上へ上へと吸い込まれて行きます。光はすぐに上方向へ収束する光線に変わりました。
 これって死を迎えたときに見る光景なんじゃ?と思うと急に怖くなり、「死にたくない!」と強く念じました。

 勿論、死ぬことはなくパチリと目が覚めました。以前何かの読み物で、死ぬ時の光景を読んでいたので、それが影響した夢だったかも知れません。

その5)うなじを舐める男
 多分休日の朝の事です。私は心地よいまどろみの時間を楽しんでました。まだ誰も起きてない静かな朝です。既に布団生活でした。

 すると不意に金縛りになりました。耳がキーンとなる例の恐ろしい金縛りです。
 何とか金縛りを解こうともがくけど、全く動きません。

 そして布団の足先に重みを感じました。誰かが立ってる重みです。
 えー!?何で!?と思う間もなく、いきなりドサッと私の真横に「何者」かが横たわりました。私は左向きに寝ていたのですが、私の背中に「誰か」が横たわったのです。
 パニックになった私ですが、何も出来ません。

 すると、後頭部へ生暖かい吐息がかかりました。吐息から漏れる声は男でした。そして…トドメを刺すような出来事が起こりました。

 う な じ を 舐 め ら れ た

 声も出せない状態でしたが、恐怖の限界で条件反射が起きたのか飛び起きました。
 気持ち悪い男はどこにも居ませんでした。

 後日談ですが、その後同じ体験を1〜2回しました。

その6)足音
 これは我が家に遊びに来ていた、従兄弟の体験です。

 ある年の夏休み。従兄弟の家族が我が家に遊びに来ました。片道300kmの旅行です。
元々従兄弟一家は、一時期私の住む街に暮らしていた事があり、友人も多いため長期滞在の予定でした。

 従兄弟一家は5人家族なので、我が家に全員泊まることが出来ず、上の従兄弟と叔父が車中泊する事になりました。
 ちなみに我が家の居間に面した側は未舗装で200m四方程の空き地です。ソフトボールの練習場がありした。

「キャンプだと思えば楽しい」そう従兄弟は話し、叔父はソフトボール練習場の近くの空き地に車を止め一泊しました。

 翌日、上の従兄弟が顔を真っ青にして家に上がり込みました。

 何でも「寝てる間、ずっと足音がした」とのこと。
 空き地が広いため、遠くの歩道や家屋近くの足音が聞こえる事もあるかも知れません。
 でも上の従兄弟が言うには「足音が近付いてきた」らしいです。所が車の窓から辺りを見渡しても誰もいない。
 なのに、近くでザッザッと硬い地面を歩く音が聴こえたようでした。

 怖くなった車中泊組は、窓を閉め切って凌ぎましたが、明け方まで足音が聴こえ続けたそうです。

 従兄弟一家は残りのスケジュールを全てキャンセルして、その日のうちに帰ってしまいました。

その7)小さな手
 これは母の体験。私が家を出て一人暮らしを始めた頃の話です。
 ある日、寝ていると布団の中の母の手に、小さな手が延びて来たそうです。うとうとしながら、多分弟(弟はまだ4歳頃)の手だろうと思い、その小さな手を握り返しました。

 と、そこで母はハッとしました。
 弟は別の部屋で寝てる!

 後日談ですが、多分私の兄(1歳になる前に事故死した)だろうとの事で、お寺に相談してねんごろに供養したそうです。その後小さな手は、伸びてこなかったそうです。

その8)母は誰の夫?
 これも母から聞いた話し。(私が家を出た後)
 我が家の家族構成は少し複雑で、当時の母は再婚でした(私や妹から見ると義父。弟の父)。

 ある日の夜、突然隣に寝ていた義父が
 「誰だてめぇ!やるかゴルァ!!」と叫んで部屋中転げ回り始めたそうです。弟もいるので怖くなった母は弟を庇って部屋の隅に移動しました。

 「アンタ何やってんの!!」母がキレ気味に義父へ話しかけます。

 やっと我に返った義父は息を切らせて、こう言ったそうです。

 ・突然胸ぐらを捕まえられた
 ・ほどこうとしたが、やたら力が強く腕っぷしが太い男で、ぜんぜん手が離れなかった
 ・何とか手を解こうと体をぐるぐるさせて叫んだ

 ちなみに義父は大工ですので、腕っぷしは普通の人よりかなり強く、テーブルを叩き壊す位の男です。

 そんな義父でも敵わぬ相手は、既に消えてました。

 きっと悪夢でも見てたんだろうと、その場は収めたのですが、翌日電話が掛かりました。

 私の父が亡くなった連絡でした。

 ちなみに私の父も、腕っぷしが強く逞しかったそうです。(母の好みなのか)

 義父の前に現れたのは父なのか?母の元へ最後(死後)に顔を出したとき、知らん兄ちゃんいたので胸ぐら掴んで追い出そうとしたのか?
 今となっては不明です。


 長くなりましたが、私が暮らしていた家の不思議な出来事でした(._.)

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