見出し画像

羽翮飛肉な2022。環る2023。

1年前の僕はきっと、いまの僕の肩を叩きながら銭湯にでも誘うでしょうか。いやー、よく遊んだね。

遊びながら集めた"羽"たちが、また1枚の"羽"になっていく。そんな終わりのない生産活動を続けながらも、「確実に前に進んだ1年だった」と胸を張れる時間を褒めてあげたいです。

【熟語】羽翮飛肉【読み方】うかくひにく
【意味】軽い羽でもそれが集まれば、重い肉を空に浮かべて飛ばすことができるという意味で、小さなものでも数多く集まれば大きな力になるということ。

四字熟語辞典オンライン

飛騨に移住する話がなくなった

そんな重い決断から、今年がはじまりました。岐阜県飛騨市で行われている『SAVE THE CAT HIDA』(by ネコリパブリック)というプロジェクトに、2021年初頭より参画。そのままローンチ後の現地マネージャーまで行う予定でしたが、「黛は黛の事業に集中すべき」とネコリパブリックの河瀬社長に言っていただき、引き続き東京で自分の事業に専念することになりました。

自分の認識の甘さや"青さ"によって各方面に迷惑をかける結果となりましたが、プロジェクト自体が順調に進んでいること、ネコリパブリックともまたなにかご一緒できることを考えると、いまは自分の道を進むべきだと確信できています。

保護猫の推し活サービス『neco-note』のローンチ

2022年2月22日。着想から半年ほどで、待望の新サービスをローンチすることができました。出会って間もないwebデザイナーとエンジニアの手によって、僕の頭のなかがカタチになっていくさまは、いま思い返しても見事な軌跡だったと震えます。(その間に協力いただいたディレクターやデザイナーなどにも感謝を忘れずに)

お気づきの方もいると思いますが、着想から半年でローンチというのは、良くも悪くも、はやすぎる。ローンチ前にもっともっと検証すべきだったこともありますが、その反省もぐるっと終わり、現状からどう前に進むか?に頭を悩ませる恵まれた日々です。

いいことのほうがたくさんありました。このサービスを通して様々な方と保護猫活動について語る気機会が増えたこと。悩める猫好きに保護活動のきっかけを届けることができたこと。保護猫活動に関わる人を増やせている実感は、確かにあります。メディアからの反応もその後押しをしてくれて、その輪が広がったことも、勇気になりました。(両親が喜んでくれたことも、また嬉しかったなぁ)

そしてなにより、neco-noteを通じて志を共にできる仲間に出会えたことが、僕が受け取った一番の恩恵でした。自分の名前で旗を立てること。それを続けること。誰にでもできることじゃないからこそ、できる権利のある人が思い切ることで、世界が変わっていくと確信しました。

見えてきた将来の夢がある

neconote(会社のほう)では、保護猫に関する受託業務を行なっています。そのひとつが、一般社団法人Do One Goodとして開催しているマーケット型譲渡会。

青山ファーマーズマーケット内で犬猫グッズを集めたマーケットと譲渡会を同時開催するイベントで、営利と非営利が絶妙なバランスで溶け合っているのが特徴です。

そこから見えてきたのが、『まちシェルター』構想。このイベントだけでも、neco-noteだけでも見えてこなかった、保護猫活動の未来予想図です。

現在の保護猫活動は、負担が一点に寄ってしまっていることが大きな課題となっています。そのせいで参入ハードルが高く、活動の担い手も育ちにくい。その負担をまちの猫好きにアウトソースしていく(そして責任持って連帯していく)ことが、解決の糸口になるんじゃないか?そんな仮説から考え至った構想です。

現在は、札幌市や愛媛県、水戸市などで、現地の保護猫団体さんと連携しながら準備中。2023年の動きをお楽しみに。

同じ仮説を違ったカタチで検証しているのが、猫フォスター型共同住宅『necotto』(埼玉県越谷市)。6世帯の共同住宅で、まずは3匹ほどの保護猫のフォスターをしていきます。n:nのフォスター関係が成り立てば、n(世帯)<n(猫)も可能になるはず。そうすれば、保護猫団体のシェルター運営の負担も減らせる。まだキレイゴトですが、第一歩は踏み出すことができました。

業界への確かな楔も打てた

Do One Goodでの活動を通して、業界への影響力を大きくすることもできました。Amazonと環境省との取り組みで発表した、「里親」に代わる新愛称「迎え主」

これだけ見れば「やりたがり」な打ち上げ花火のように見えますが、下請け愛護や保護ビジネスといった保護活動を「悪用」するような動きへの牽制球でもあります。未だ定義が曖昧な「保護犬・保護猫」「譲渡」という言葉にメスをいれる流れの兆候としては、上出来だったと感じでいます。

2022年で集めた羽でいろんな瞬間を環らせる

自分のなかでさえ賛否両論あれど、業界内に様々な繋がりを持つことができた2022年。2023年は、この集めた"羽"を使って、羽ばたき、いろんな瞬間を生んでいきたい。

ブラしちゃいけないのは、保護猫団体の"自続性"の向上を彼女らのアセットで叶えていくというスタンス。僕が宿すべきクリエイティビティは、そこに尽きると考えています。

自分自身、会社、保護猫団体、保護猫業界。それぞれの北極星を共有しつつ、見失わず、腹を割って議論しながら、猫のための社会をつくっていきます。


黛純太のバックナンバー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?