PMM Night #1に参加してきたので感想など
2019/12/10に行われたPMM Night #1 に参加してきました。
PMM=プロダクトマーケティングマネージャーをメインテーマにしたイベントです。PdMとしても非常に面白い内容だったので感想などまとめてみました。
イベントURLは↓
https://smarthr.connpass.com/event/153981/
PMM。日本ではまだ一般的ではないポジションです。
私も名前だけ聞いたことある状態でした
今回のイベントでは
・PMMとは何者か?を知る。
・どんな仕事をしているか?を知る。
・PMMのコミュニティを作りる。
といったことが主な目的として開催されていました。
私が参加した目的としては
・PdMとの役割分担ってどうなの?(PdMと協働するということが書かれていたので)
・PMMって何?マーケターとの違いや生かせるところは?(元マーケターとしての興味)
・色んな人とつながり持ちたい
といったところでした。
会場はSmartHRさんのイベントスペース。(お洒落)
お酒やお弁当なども出て始まる前から既に満足してました。
やっぱりイベントってお洒落&お酒大事ですね。
余談はさておき、さっそく内容や感想など書いていきます。
LT:プロダクトマーケティングマネージャー概観
重松 裕三さん(株式会社SmartHR / PMM)
まずはLTでPMMの概要が紹介されました。
PMMについて知識ゼロの私にとっては非常に役立つLTでした。
資料は以下にも上がっています。
https://www.slideshare.net/yuzoshigematsu/ss-204215294
ざっくり紹介すると
◎PMMは、プロダクトをマーケットに投入し、その成功全体に責任を持つ
プロダクトのローンチ前は
・ポジショニングやメッセージング
・顧客からのフィードバック収集
・プロダクトをマーケットに投入する戦略
プロダクトのローンチ後は
・セールスイネーブルメントに取り組む
・需要や定着率を高める
・プロダクトの成功全体に責任を持つ
※ここでいう「プロダクトのローンチ」とは、「新規サービス」のような大規模なものだけではなく、「既存サービスへの新機能追加」や「サービス改善」なども含まれるとのこと。
◎PdMとPMMの役割分担
みんな大好きプロダクトマネジメントトライアングル。
(The Product Management Triangleより)
見てみると...PdMの仕事多すぎ。
→PMMが登場して役割分担しようぜ、という流れ。
役割分担として、
PdM:トライアングルのDevelopers
PMM:Business
に軸を置き、そことつながる領域を埋めていくというイメージだそう。
(重松さんのスライドより)
◎詳しくは以下読んでね、とのこと。
https://note.com/shige/n/n609d01e01aa7
https://note.com/shige/n/n48a9b28b8792
以上のような感じでした。
LTから感じたこと
個人的にはプロダクトマネジメントトライアングルでの説明がよく腹落ちしました。
確かにPdMってやること多いよな、と感じていますし、他社では複数人のPdMで分担しているという話も聞いています。
やること多すぎて回らないと感じたら思い切って新しいポジション作るのもありですし、すでに複数人で担当しているなら役割分担の参考になるのではと思いました。
ちなみに新しいポジションを作る話は、以下SmartHR社長の宮田さんの記事も参考になります。
https://blog.shojimiyata.com/entry/2019/10/16/103033
パネルセッションテーマ
「SaaSの現役PMMはどのような仕事をしているのか?」
岩熊 勇斗さん (弁護士ドットコム / クラウドサイン事業部 PMM 兼 Head of Customer Success 兼 アナリティクス事業責任者)
平山 公規さん (freee株式会社 / プロダクト戦略部 PMM)
佐々木 昂太さん (株式会社SmartHR / Product Marketing Manager)
西川 智聡さん (株式会社SmartHR / PMM 兼 Customer Success)
モデレーター:岡田 奈津子さん (フリーランス / CS・PMM)
色んな話がありましたが、個人的に興味深かった部分だけ紹介します。
◎各社PMMが誕生した背景として、「組織が大きくなって拾いきれない部分が出てきた」が共通点。
◎各社PMMの役割は微妙に異なるものの、「プロダクトを顧客にどう届けるか」の視点が共通していた。
※弁護士ドットコムさんでは、リリースしたのにきちんと価値が届かない機能を「消える魔球」と呼んでいたらしい。花形満プロジェクトというものがあったとか。
◎岩熊さんが強調していたのは「どう届けるか、伝えるかという視点でプロダクトを見る」。仕様策定に入り込む時も「こういう仕様だからこう伝えるのがいい、こういう顧客に届けたいからこういう仕様がいい」という形で意見を出す。
◎PMMがいてよかったこと
・ユーザーの声を届けることで開発の士気が高まった(佐々木さん)
・「ナレッジポータル」的なものを作ってナレッジを一元化したことで、事業・開発の情報すれ違いが無くなった(平山さん)※ただしアップデートが超大変
◎PMMがビジネスサイドの窓口として立って、スケジュール・目的などを把握してメッセージングする(岩熊さん)
◎PMMがいることで、今までなんかうまく回っていなかったところが、スッと回り出す潤滑油的な役割になるのでは(平山さん)
パネルセッションから感じたこと
「顧客にどう届けるか、伝えるかという視点でプロダクトを見る」ということは非常に重要だなと感じました。
SaaSではもちろん重要なのですが、toCのサービスであっても同じだなと。
PdMがいる組織ではPdMがこの役割を担わなければいけませんが、マーケターがこっちに入り込んでくるのもありかなとも思います。
他にも紹介されていた
・ユーザーの声を届けることで開発の士気が高まった
・「ナレッジポータル」的なものを作ってナレッジを一元化したことで、事業・開発の情報すれ違いが無くなった
あたりもPdMとしてはやるべきことだよなーと思います。
このあたりはPMMを見習ってPdMの役割を見直すイメージでしょうか。
面白かったのはみなさんCS経験者ということ。
CSがきちんと機能して、課題が出てくる組織だからこそ登場したポジションなのかもしれない。
逆にマーケターに軸がある人がいなかったのも面白い。(「マーケティング」という文字列が入るのにも関わらず)
これはSaaSならではなのかな?
マーケターとしてはPMMの掌握範囲を身に着けることも今後活躍するには大事だなと感じました。
番外編
懇親会でも何人かの方と情報交換させていただきました。
◎toBビジネスだからといってユーザー(利用者)=ビジネスポイント(決裁者)とは限らないということ。(よく考えりゃ当たり前ですが)ユーザーとビジネスのジレンマってどこでもあるものなんだなあ...と。ユーザーの声を強くする一つの方法として、社内でユーザーを増やすということがある。そうすると、ユーザー(=社員)の声がダイレクトに届いてくる。
◎某社では一つのサービスに機能単位でPdMが20人くらいいるらしい。ほえー。。。
◎今回参加した人達はPdMが一番多かったです。自分が思ってるより世の中にはPdMっていっぱいいるんだなあと。頑張らなきゃ。
ということでまとめ
◎PMMはトライアングルのビジネスに起点を置き、PdMと協働する人
◎必要性があってこその役割なので、無理して作る必要はない。
・CSとかきちんとやってるSaaSがメインっぽい。
・逆にPdMの仕事が回らなくなってきたら新しいポジション作るのもありだよ、という事例。
◎PMMの役割をウォッチしておくと、PdMとして必要な動きが見えるかも。
・プロダクトをどう届けるかという視点
・開発者にユーザーの声を届けて士気を上げる
・社内への情報発信をして潤滑油になる
なんだか時代に合わせて新しいポジションができていくのって面白いですね。すぐにPMMを作るという話にはならないかもしれませんが今後もウォッチしていきたいと思います。