Product Leaders 2021 の学び
Product Leaders 2021というイベントに参加したので、得た学びなどをまとめました。
イベントについて
イベントページは以下。
https://japancpo.org/lp/product-leaders-2021/
テーマは
世界で活躍するプロダクトリーダーから
Product Leadership を学ぶ9時間
普段なかなか耳にすることのできないシリコンバレーのPMやCPOなどの話に加え、それに対して日本で活躍するPMやCPOがトークを行うという豪華な内容。
朝の10:30から始まり、ほとんど9時間ぶっ続け、質も量も超充実というイベントでした。
学んだこと
ここからは学んだことを列挙していきます。
前後の文脈を省略してしまっていますが、エッセンスだけでも伝えられればと思います。
プロダクトへの情熱と興味関心
「PMに求められる資質」という類の話において必ず登場する要素。
今回のイベントでも複数回言及されており、改めてPMの根っこを形成するものだと実感しました。
プロダクトへの情熱
・「PMに最も重要なのは情熱。裏を返せば、自分が本当に情熱を持てるプロダクトに携わることが重要」
・PMは課題解決をする仕事。その課題にチームで最も情熱を持つ人でなければならない。
この情熱が、後述の顧客中心の考え方にもつながってくるのかなとも思っています。
他プロダクトやプロダクト作りそのものへの関心
・「身の回りのプロダクトについて常にアンテナを張り、自分なりの意見を持つ」
・「このプロダクトについてどう思うか?」「自分だったらどう改善するか?」「自分のプロダクトに取り入れるにはどうするか?」を常に考える。
自分のプロダクトだけではなく、世の中のプロダクトやプロダクト作りそのものへの情熱を感じました。
顧客を中心に考える
こちらもプロダクトマネジメントで必ず語られることですが、各社強いこだわりを感じました。
顧客に頻繁に会って声を聞く
・毎月、定期的に必ず顧客と会って声を聞く。
・既存顧客以外にもユーザーインタビューをすることで、プロダクトエコシステム外のインサイトを得ることができる。
・顧客を大事にすれば、顧客もプロダクトを大事にしてくれる。
・顧客がプロダクトを利用する仕方を観察し、似ている使い方を分類したことで、新しい製品カテゴリを定義できた。
・コアな顧客の成功とは?KPIとは?何を成し遂げたいのか?にダイヤルを合わせる。
各社の発言を抜粋するだけでもこれだけ語られていました。(これの10倍以上は語られてます。)
各社本当にたくさん顧客に会っていること、顧客への解像度が高いことを感じさせられました。
顧客の声との向き合い方
・要望をそのまま作ってはいけない→5whysの原則で深掘りする。
・未来を見ている顧客の声を特に大事にする。
・必ず根本課題に抽象化して実装する。
・「何を作らないか」も重要。
顧客の声を聞くのが大事!とはいえ、それをすべてそのまま作るのは良くない(というか不可能)です。
ここに挙げたエッセンスは、顧客の声とどう向き合うかへのヒントが詰まっています。
顧客中心のマインドセットの作り方
・カルチャーから根付かせていく。
・言葉づかい(常に主語を顧客にして語る)。
・セールストークでも顧客の価値を中心に語る。
どのようにして顧客中心の考え方をしていくのか。
そのヒントも紹介されていました。
中でも言葉づかいは日々の意識で出来そうな部分のため、早速実践していこうと思います。
多様性と心理的安全性
今回のイベントで特に海外企業が口を揃えて語っていたことです。
それほど海外では重要視されていることだと感じましたし、今後日本でも重要視されてくる部分なのでしょう。
多様性
・多様な意見を通すことで、プロダクトが洗練されていく。
・自分と似ている人ばかり採用してはいけない。
この辺りは正直あまり意識したことがなかったです。
そう言われて振り返ってみると、日々の議論もまた違った見方になります。
心理的安全性
・多様性とセットで必要な要素。ただ多様な人を採用すれば良いというものではない。
・議論する時には人と意見を切り離し、人格を否定してはいけない。
・意見を付箋に書いたりして、「誰が言ったか」を切り離す。
・発言する時に思いとどまることがない状態を目指す。
多様性を語るうえで切り離せない要素。
自分は「人と意見を切り離す」ということがまだ苦手だったりするため、今回紹介されていたTipsは非常に参考になりました。
問いの重要性
・North Starの定義。
・なぜ作るのか、ビジョンを定義する。
・PMの仕事は問題すら書いていない試験問題のようなもの。
「問題すら書いていない」というのは個人的に面白い表現でした。
問いを作る力は最近注目しているテーマで、より考えを深めたり、上位概念を整理していくときに非常に重要な要素だなと感じています。
他社の観察
・他の国の事例に目を向けてみるのも大いに役に立つ
・同じターゲットに売り込む時の他社のやり方を参考にする(ex.Apple→学割)
プロダクト作りに熱中するとどうしても自分のプロダクトにフォーカスしがち。
それはそれで大事なのですが、たまには外に目を向けることも大事だなと感じました。
特に他の国の事例は意識して見に行くと面白いかも。
機能の作り方
・タクソノミーは何か?顧客が消化できる単位に分解する。
・機能セットにユースケースをマッピングしてみる。
・Desire Pathを1つ明確に提示する。その上で想定と実際の使われ方のギャップを観察する。
・プロダクトの流れ(使い始め~使用中~使い終わり)を咀嚼し、設計していくことの繰り返し。
顧客の解像度を高める作業とセットになるかと思います。
ここは当日社内でも話題になったのですが、ユーザーの利用シーンが映像としてハッキリと思い浮かべられるようになると良さそう。
優先度の判断
・判断軸を洗い出し、ステークホルダー間で個々の施策をスコアリングする(ex.売り込める機能か、ビジョンを体現しているか...)
・各セクションに「本当に実装してほしいものはどれか」などの質問で、要望の裏にある背景をファクトベースで集める。
個人的に悩んだことが多く、興味のあったテーマ。
自分の向き合い方はまだまだ甘かったなと実感するくらい、各社は非常に丁寧に、しっかりと向き合っていました。
学びが多い・・・!
その他面白かった話
他にも興味深い話がたくさんありました。
個人的に印象に残っているものを列挙します。
・ホテルのシャワーの蛇口がおしゃれ過ぎて出し方が分からん!
・「9歳の子供が使えるように作る」
・マイルストーンを顧客に約束できる人はPMに限定する(セールスには言わせない)
・競合がいるなら顧客がそれを欲しがっている証拠である。
・顧客が切実な悩みを抱えている狭い市場にフォーカスすることが重要。
・PMが目を向けるべきポイントは「顧客価値(特にペインポイント)」「差別化」「財務的根拠」。特に「差別化」はPMが見逃しやすいポイント。ここをどれだけ考えられたかは、後の販売の容易さを決める。
・向こう四半期先に取り組むことのPRを先に書き、きちんとそこに向かえているかを毎月見直す。
・日本ではセールスが機能を中心に語りがち。「なぜを語る」「顧客中心に語る」ことも重要。
・どの市場を選ぶのか?はPMFに向かう過程で徐々に絞られていくものかも。
・販売と開発の順序。シリコンバレーでは「売れたものが良い製品」と考え販売を先に行う。
・パートナーシップも機能開発と並列で語られるべき。
まとめ
本当に学びの多い1日でした。
中でもプロダクトへの情熱、顧客中心の考え方、多様性の3点は印象に残っており、今日から意識して過ごしていこうと思っています。
やっぱり定期的にインプットするのは大事だなー。
それでは!
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