スーパーマンの可能性を秘めたただの人間~デヴィッド・ボウイ「レッツ・ダンス」
それにしても、はまりました。デビットボウイには。
初期の「スペイス・オディティ」、グラムロック、「ジギー・スターダスト」、ブライアン・イーノとの共作、「ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ」もよく聞いたし、「アワーズ…」や「リアリティ」もよく聞きました。
でも、よく考えると好きになったきっかけのアルバムは「レッツダンス」なんですよね。
リアルタイムで聴いたアルバムが「レッツダンス」だったというのが大きいとは思うのですが、このアルバムからファンになる人ってどれぐらいいるのかなぁと思ったり。
おかげで、それ以降に求めるボウイの音楽は、結局「レッツダンス」のサウンドに帰着してしまうという。三つ子の魂百まで、というやつですね。
この「レッツダンス」はアルバム全曲がいいんですね。
シングル曲だけで言えば、「Ashes To Ashes」「Changes」「Rebel Rebel」「Jean Genie」「Fashion」と結構あるのですが、アルバムとしてとなるとこの「レッツダンス」が圧倒的に好きですね。ナイル・ロジャースなんですよね。
「レッツダンス」のヒット曲「Mordern Love」「China Girl」「Let's Dance」はもちろんかっこいいのですが、それ以外の曲も「ウィズアウト・ユー」「クリミナル・ワールド」「キャット・ピープル」・・・
ああ、やっぱり「リコシェ」も最後の「シェイク・イット」の終わらせ方も含め全部最高なんです。
モダンでタイトで、流れるようなドラミングとやたらかっこいいギターリフに、ボウイのクールな低音ボイスが絶妙に絡む魅力。たまりません。
このアルバムを聴くと、なぜか車の中で待ちながらアルバムを聴いていた情景が浮かぶんですね。どうしてだろう。
なんでこの風景なんだろうと思うのですが、そんな突発的でダイレクトで謎めいた魅力が、ボウイそのものなのだと思います。
(追記)ここまで書いてなんですが、ボウイの最後のアルバムのタイトル曲「★(ブラックスター)」もいいですね。圧倒的な緊張感と諦観とが永遠に現在進行形のアートになったのではと思っています。