廃香 【岩泉線押角駅~再訪その1~】
2020年の10月のこと。
再訪を約束していた場所へ、廃の香りを辿って行ってきました。
今回はそのアプローチ編です。
国道340号線
岩手県の九戸村、葛巻町を経由して岩泉町へと導いてくれるその国道は、長閑な農村地帯を巡る魅力的な道。思わず寄り道がメインになってしまいそうなほど。
【zeiss loxia35mm】
(余談)
「もっと気楽に撮りたくて」、ズームレンズを物色していた旅立ちの数日前の夜のこと。
ズームレンズをポチりにいったつもりが、カートの中に入っていたのはなぜか単焦点のloxia35mm氏(zeiss先生)。単焦点病絶好調。
これはいつものFA77㎜。
岩泉線 浅内駅跡
もう、誰も駆け込まない駅のホーム。
四季のすべてを撮りたくなるほど、美しい場所です。
この日は雨天→曇天→晴天と目まぐるしく天気が変わる日で、浅内駅に着く頃から次第に晴れ間が見えてきました。このロケーションは雨の中でも撮りたかったですね。また撮りに行こう。
loxiaのキレキレさと、FA77㎜のこの独特の”味。
この2セットで撮り歩くのが楽しすぎます。
浅内駅を過ぎると、役目を終えた線路の残滓が至る処に。
雨の中で撮りたかったな~(2回目)。
雄鹿戸トンネル
ゆっくりと、気が向くままに好きなものを撮りながら巡ること2時間。
いよいよ押角の峠に差し掛かったとき、まるで妖(あやかし)への入り口であるかのような佇まいで出迎えてくれる「雄鹿戸トンネル」。
押角、雄鹿戸、どちらも「おしかど」です。
新旧様々な心霊譚が紡がれ続けるのも納得のこの出で立ち。美しい。
令和2年12月。押角の難所である九十九折りの峠に念願の新トンネルが完成したそうです。喜ばしいことですが、旧道へと存在意義を変えるであろうこの道の存続も切に願います。
ここから先、九十九折を何度も越えて押角駅跡へと向かいます。
つづく
最初の訪問は、2010年のことでした。