スポーツ医学塾番外編 キリンファミリーチャレンジカップ -高円宮記念JFA夢フィールド-
📚はじめに
2022年12月10日(土)にキリンファミリーチャレンジカップが開催され、会場ドクターであった上村公介先生の引率で本塾から3名の学生が会場の見学をさせていただきました⚽
以下、学んできたことをご紹介します。
✅上村先生が会場で心がけていること
イベント前編
AEDの位置を確認する
救命率を上げるために2分以内に取りに行けるようにする
参加者に受診先を案内するために近くの医療機関を把握しておく
イベント・大会は土日に行われる事が多いので休日でも診療している所を
探す
🔍おすすめ検索方法は『〇〇県 休日当番医』
※整形外科だけではなく、歯科なども把握しているとなお良い!
救急バッグのなかに何が入っているかを確認し、使うものとそうでないものに仕分ける
緊急対応時の協力者が近くにいるかを確認する
会場に救急車が入る導線は決まっているかを現地のスタッフに確認する
バックボードの確認と準備をする
EAPとCSCATTTを決める
❔EAP(Emergency Action Plan)とは・・・
緊急時における役割のこと。今回は指揮、患者対応、119連絡・誘導、
AED確保、関係者連絡、記録係に分担した。
❔CSCATTとは・・・
大規模災害時のマネジメントの基本的な考え。(緊急時に円滑な対応を
するために重要な要素の頭文字を繋げたもの)
C:指揮
S:安全
C:伝達手段
A:評価
T:トリアージ
T:治療
T:搬送
イベント中編
倒れる可能性が高い人がいないか探しておく
肥満気味な人や高齢者など…
すぐに対応できるように医務室で待機する
イベント後編
問題がなかったか確認する
最後まで気を抜かないように
🖊学生のひとこと
イベント中の医療対応を任されていても、イベント前に注意していることが多く事前準備の重要性を知った。また、役割分担をしておくことで緊急時でもスムーズに連携をとって対応できると感じた。医療チームだけでは人数不足であることも多いようなので、対応のできる人がいるかを運営スタッフや参加者に事前に確認しておくことが重要であると感じた。
✅バックボード練習
見学の合間にバックボードの練習もさせていただきました!
🔍頭頸部外傷の評価と搬送についての詳細は以前の医学塾講義のnoteからご覧ください。
脳震盪で倒れた人を搬送するというシチュエーションで、仰臥位と伏臥位の2パターンでそれぞれ練習を行いました。
バックボード搬送のポイント
倒れている人に声をかけるときは正面から
⇦反応時に頭や頸部を動かさないようにするため
ログロールをする時は倒れている人の頭が動かないように固定する
肘を地面に着けて頭部を固定すると安定しやすい
頭部固定時に人差し指と中指の間から耳を出すようにする
⇦耳を塞いでしまうと不安感を与えてしまうため
頭部固定時は、ログロールをした後の腕の位置を予想したうえで肘の位置を設定する
ログロール時は、力のある人が積極的に上半身を持つ
⇦上半身よりも下半身の方が軽いため
🖊学生のひとこと
今回はログロールでの固定方法を練習しましたが、全体を通して特に難しかったことは頭部の固定です。固定をすると言っても、ログロールをする際の自分の体制や位置、目線など細かいところまで気をつける必要がありました。他にも、ボードの差し込み方や要救助者への配慮など様々な注意点があり、これらを実際の救助で冷静に行うためには何度も練習が必要だと感じました。
✅ウォーキングフットボール
本イベントで行われていたウォーキングフットボールは、ルールがおもしろくて、多様な人たちが一緒になって楽しめて体も動かせる、とても良いスポーツだと感じたのでご紹介します!
ウォーキングフットボールとは
歩いておこなうサッカー。2011年7月にイングランドで行われた55歳以上の高齢者の健康のためのサッカーが原点と言われている。日本サッカー協会では、年齢やサッカーの経験、障がいの有無を問わずにプレーできるように、ボールを取りに行くことを禁止するルールを導入している。
ルール -JFAホームページ参考-
ウォーキングフットボール特有のルール
全員歩いてプレーする(早歩きはOK)
ヘディング禁止
接触禁止
ボールの高さはゴールの高さまで(1.2m)
オフサイドはなし
フィールドプレイヤー
相手が保持しているボールを取らない
スライディング禁止
タッチラインやコーナーからキックインする
リスタートからの直接ゴールは禁止
フリーキックは全て間接に
PKは直接だがワンステップキックで
ゴールエリアへの侵入禁止
ゴールキーパー
相手がゴールラインからボールを出した場合はアンダースローで再開
スローは全てアンダースローで
ゴールエリアを出てはいけない
バックパスを手で受けるのはOK
全年代の方々でとても盛り上がっているように感じたので、スポーツ医学塾でもやってみたいです!
📚最後に
🖊学生の感想
今回現場を初めて見学してみて、事前の確認や準備などがとても大切なのだということを1番痛感しました。また、ログロール、ボードの使い方など技術を必要とする項目もいくつか学ぶことができたので、より実践で使えるようにするためにも、これからまた機会があれば練習したいと感じました。
全体を通して学びが多く、今回参加することができてとても良かったです。
公益財団法人日本サッカー協会様、上村先生、今回は貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
現場実習の機会は多くの塾生が熱望していると思います。今回参加した学生たちも実際に現場に出てみることで気づくことや考えることが多くありまました。今回感じたことを仲間と共有し、さらなる学びへと発展させていこうと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
文責:石井、小島、忰田