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48年前の想い出 黒部第2発電所出張

昭和52年12月28日、黒部第二発電所のオーバーホール(分解、保守点検、組立)に出張。
雪山の中、登山電車沿いに登山。雪山の登山である。命の保証はないと言われた。
この為に、登山靴を購入した。
組立掛かりの工長のKさんと一緒に、宇奈月温泉から16km先の黒部第二発電所を目指した。
トロッコ電車の線路の上を雪道の中歩いた。
途中、十数か所、トロッコ電車の横の坑道を歩く。
外で、雪崩の音が聞こえる。坑道の中は、懐中電灯を点けて歩くのだが、足元は良い。外へ出て、トロッコ電車の枕木の上を歩くのだが、雪でどこに枕木があるかわからない。
手探りで歩くのである。
鉄橋に来ると大変である。
枕木を踏み外したら谷底へ落ちてしまう。
Kさんが前を歩いて下さり、足跡を付けて下さり、その足跡を手掛かりに歩くのである。
 

雪の中、鉄橋の上を歩く
トロッコ電車の鉄橋
黒部第2発電所前にて

4時間半かけてたどり着いた。
 私は、水車発電機のスラストメタルの荷重測定を行った。
ひずみゲージの付いたロードセルというものが8分割された(6分割?)スラストメタルの下にあり、組み立てる時に各スラストメタルの荷重が均等になるように測定するのである。
均等になるようにする調整は組立掛かりの方が行う。私は、荷重を組立掛かりの方へ報告するのである。
1週間滞在した。関西電力の宿舎に泊まった。
6畳一間に100Wの電熱器があるだけだった。
Kさんと一緒の部屋であったが、私は、食事が終わるとすぐに布団にくるまり寝てしまった。寒かったからである。
最後の日、開発課の課長補佐のK.Kさんが来てくださった。
心配して様子を見に来てくださったのである。
帰りは、K.Kさんと下山した。
やはり、雪道を走っていないトロッコ電車の上と坑道を歩いて。
富山から東京へ帰って、翌日、申し込んであった、スキーツアー、八方へバスで出かけた。
富山と八方は隣である。東京と2往復した。