ゲーム作りの落とし穴

今、作っているのは「ゲーム」です。それは、デジタルで作られた、人を楽しませるエンターテイメントのためのソフトウエアです。
人を楽しませるのが目的であり、それを成し遂げるために手段としてのプログラミングやグラフィックなどの技術があります。
面白くなければゲームではありません、技術的に小難しいことをやっていたとしても、それが「面白さ」につながらなければ無意味です。
例えば、包丁さばきが素晴らしい料理人がいくら包丁の使い方が上手いとしても料理が不味かったら、それは意味がありません。
トラックに自動車のエンジニアが画期的な最新技術を詰め込んでも、荷物が載らない車なら意味がないです。
まず、「このゲームの面白さは何か」を明確にしてください。
それから、それを成立させるには何がいるのか、を考えてください。
UIが見やすいなどは、面白さを追求する上で雑味を取ることに意味があります。ゲーム本体の面白さを味わうのに邪魔な部分を消すためです。
ボタンの大きさや配置などにこだわるのは、面白さを味わうことに集中してもらうためです。
例えば、料理の皿が見慣れ無い変な形をしているチャーハンとか、なぜか箸の色が金色のラーメン屋があったとします。
その部分がUIです、味に集中したいのに、「なぜこの形だ?」「どうして金色なのか?」と気になってしまうのが損だからです。
めちゃくちゃ味がいいのが分かってる店ならそういうところも気になりませんが、ゲームプレイヤーは初見です。初めて入った店がそんな感じだったら、そっちが気になって味を忘れます。また、メニューの字が変なフォントだったりテーブルまでの案内がきちんと出来てい無いなども、駄目なUIと同じです。おもてなしされていない感覚はお客さんに伝わります。エンターテインメントですから、おもてなしは必要です。
技術要素の話は、今、シェーダーをどうしたらいいかとか考えてやってますが、それが面白さに関連して、「面白くするために」シェーダーを書くなら意味が有ります。実験的に書いてるだけで面白さへの貢献がない状態です。これは、絵的にどういうのが欲しいかを考え無いで作ってるので、何か成し遂げた感が出ません。
「こういうのを作りたい」というのがないと、我々もアドバイスはしにくいです。このゲームを面白くするには何が必要か、考えましょう。
現状だと、Shaderに頼る前に、通常のmaterialで設定できるマップすら使いこなせていません。metallicやnormal、HDRをどう扱うかなどでも大分、いろいろなことが出来ます。現状は、ちょっと変わったことをしているように見えますが、標準のmaterialのシェーダーにスクリプトでパラメーターの変化を加えただけでできるレベルより容易な実装しかできていません。これで「シェーダー書いたんで見てください」と言っても評価は芳しくないでしょう。
ここの根元にあった問題は、就職で使えるように「とりあえず技術デモとして成立するのを考えてシェーダーをいじろう」ということでしたが、技術だけで評価してもらおうとした場合、「すごい」「美しい」という評価欲しいところです。例えばこのシェーダーは、ただモヤモヤ出すのではなく、「モヤモヤさせてこういうの出すとかっこいいなあ」というのが成り立っているわけです。https://youtu.be/SUZzJcBIK80
その域まで行けるなら、単体で技術デモとして評価できるようになるでしょう。「この技術を見せるためにこのゲームを用意した」として成立するさせられるなら、です。
現状でその域まで達してい無いのは、面白さを追求する上で技術を鍛えてい無いので、「なんとなくできることをやりました」で終わってるからです。これがシェーダーなどに限らず、ゲーム全体を覆っています。
まず、面白さを追求しましょう、そのための技術を評価してくれるわけです。技術書を書いてる堂前さんがいいことを言ってくれてました。https://twitter.com/yoshiking2000/status/1260921420575502337
技術の押し売りではなく、面白さのための技術を求めます、エンジニアならアーティストのためのシェーダーを用意する感覚が必要で、技術デモで用意したものもこういう評価軸になります。
それぞれのゲームは面白さが有ります、そこを育てる方法を考えていきましょう。

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