三人の師の死の詩
わたし
には
人生の師
と呼べる
人が
三人いた
シラトリさん
カワムラさん
ナカジマさん
じつに 豪快な
ひとたち
だった
ほんとうは
カワムラさん
のことは「マスター」と呼んでいた
バーの店主だったから
ナカジマさん のことは
あるとき
までは「テンチョー」
と呼んでいた
わたしの アルバイト先の
店長だったから
文筆家でもあり
美術商でも
あった
シラトリさんは
60歳に なるまえに
心臓の
病で
亡くなってしまった
マスターは
脳の病で
73歳
ナカジマさん
肺の病
74
みんな 昭和20年代前半
に生まれた
「ベビーブーマー」
で「団塊の世代」
の男性
だった
(「おれたちは 戦争が
おわってから生まれた そして
戦争が はじまるまえに
死ぬんだ」
とナカジマさんは
たのしそうに 言っていた)
みなさん じつに
おこりっぽかった けれど
やんちゃな
おとなと であえて
よかった
よく ごちそうにも
なりました
厚く感謝申し上げます