精神覚醒ノ肥後虎 ACT.39 再生回数
あらすじ
ダンガン乗りと虎美のバトルが始まった。
運転に慣れたこともあって、前よりダンガンについていけていた。
沙羅子からの作戦で前半で決着を着ける。
後ろから玉子のスタリオンが突如現れ、ダンガンを急停止させる。
彼に対して「金輪際関わらない」と言い放った。
ダンガン野郎とのバトルから翌日の7月18日。
時間は昼10時。
今日は祝日だが、部活はあった。
小日向先生のタブレットで昨日のバトルの動画を見ていた。
見ているのは画面だけではなかった。
「再生数がすごかこつになっとるよ、加藤」
「どこまでいくんやろうか?」
小日向先生が撮ったうちがダンガンを追い抜く動画の再生数はみるみる増えていていく。
「あ、抜いたばい」
「ホンマですか?」
再生数が飯田ちゃんの麻生北PR動画を上回った。
これを知った彼女は穏やかじゃあなかっただろう。
夜9時になると、大観峰の頂上にて……叫ぶ!
「めっちゃ悔しー!」
1時間後、飯田ちゃんが去った大観峰にうちもやってきた。
ちなみに乗ってきたクルマはS14ではなく、帰ってきたエクリプスだ。
うちも叫んでいく。
「スプリントレース優勝したかー!」
神様に届いたのだろうか?
とある豪邸……。
この前、行われていたバトルの映像をとある4人組が見ていた。
サウス4と名乗る人たちだ。
「今度のターゲットが決まったぞ」
「誰でありんす?」
「麻生北の自動車部だ。彼女たちは今月末に開催されるスプリントレースに参加する。俺たちも参加し、このレースでは彼女たちを標的にしてやる」
「麻生北の自動車部ッス!?」
「そいつらには絶対負けられない。ターゲットにするだけでなく、レースに参加した以上……優勝も目指す。麻生南のサウス4には負けは許されない……」
深夜11時。
GREENGROOVE熊本支店。
俺は戻ってきたデモカー2号機S14のテストを終えたところだった。
「悪くない。調子いいぜ」
そこにサラマンダー財団の代表、竜宮沙羅子代表がエボファイナルと共に来る。
「潤、虎美にテスト走行した甲斐がありましたね」
「彼女を成長させた訳だし、このクルマの今後の課題が見つかったわけだしな」
今月末に行われるあれの話をする。
「スプリントレースに参加すると言っていたな……」
「もう少しですね……わたくしが彼女たちを鍛えましょうか? ただ被災者の支援に忙しいから構ってあげる暇はありませんが」
そこに、レーシングカーを彷彿させるボディキットを装着した青いトヨタ・ブレイドマスターが到着する。
そのクルマから、空のような青い髪をポニーテールに纏めた和服姿の男性が降りてきた。
「剣城殿!」
「沙羅子代表、時間がないのなら俺にあの子たちの指導を任せていただけませんか?」
サラマンダー財団の職員、剣城は沙羅子代表にそのことを頼み込む。
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